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三話
「あなたは、実力を隠して生活してください。この意味は、分かりますね?」
俺は分からなかったので素直に質問する。
「あなたは強すぎるんですよ。シャドウさん」
「え?そんな馬鹿な」
このギルドマスター、ユージといったか?弱すぎる。見る目がないようだな。殺すか。
「このギルドはもらうよ」
「…何を言って?」
俺は、椅子から立ち上がって、ユージの首筋に手を添える。
「死ねよ…」
「舐めるなや…」
ユージは、そう言った後すぐに消えた。俺が目を離したわけじゃない。まさか、瞬きしている間に…!?
気づいた時には遅かったのだろう。俺が周りを見渡した時、また首筋に添えたはずの手から目を離した時。
その手がひやりとした。
俺が勢いよく振り返ってみると、肘の先あたりから腕がなくなっていることが分かった。
「Σ(・□・;)‼︎」
冷や汗が流れる。と同時に自分の胸が突き刺されるような感じがした。俺は瞬時に後ろに飛び退く。
シュッーという音とともに、地面から、先ほどまで俺が立っていた場所に槍が飛び出た。
「クソが…殺す殺す殺す」
もう、先のユージの姿は見て取れなかった。