10話
「ふん、やっと死んだか」
ユーザがシェイドを見下ろす。
しかし、突然舌打ちをすると、カインの方へ振り返った。
「いつまで見てんだ、お前も殺すぞ」
「シェイドさんは……死んでますね。まあ、仕方ありませんか」
カインは溜息をつきながら、講堂の方に歩いた。
「私たち二人でゼストを倒しましょう」
「話が通じねえのか。死ね」
「ーーオマエガナ」
ユーザの首がずれ落ちる。ユーザは目を見開いたまま絶命した。
カインは一瞬何が起きたか理解できなかったが、自分の後ろに立つ人の気配と、シェイドの死体が無くなっていたことで、全てを悟った。
シェイドが音もなく距離を詰め、防御の隙も与えずユーザを切ったのだ。
「……生きてましたか?」
「俺はシャドウ。シェイドは、死んだのかもな」
カインはシャドウという名を知らなかったが、嘘をついていないことはわかった。
先程までシェイドだった者の雰囲気とは全く違う。
カインとシェイドの実力差はひっくり返った。
「《漆黒の勇者》も取り返した。おい、お前もゼストを倒しに行くんだろ? 案内しろ」
「分かりました。心強い味方が出来て嬉しいです」
「味方じゃない」
カインはシャドウを追い越して講堂へと向かった。
ーー
「この中ですね。今はテロリストたちがゼストを包囲しているはずですがーー」
カインが講堂の扉から背を向けて話していると、扉が内側から何かをぶつけられて勢いよく壊れ、扉の一部やその何かにぶつかってカインが反対側の壁へ吹き飛んだ。
追い討ちのように二回銃声が響くと、カインは頭と心臓を撃ち抜かれ死んだ。
「さすがに君は殺せないね」
シャドウが即座に回避し隠れていた物陰から出て、講堂の中を見渡す。そこには、黒ローブに身を包んだテロリストたちの死体が無数に転がっていた。
ゼストはその中心に立っている。
「ゼスト……会えて嬉しいぜ」
ゼストは薄らと笑みを浮かべると、嬉しそうに声を上げた。
「まさか生まれ変わってまで会いに来てくれるとは思わなかったよ!」
「ーー殺す」
ゼストは未だ余裕の表情で、シャドウを嘲笑った。
「さて、もうワンチャンスだ」
激しい戦闘が始まった。




