7話
男は恐怖に染まった顔で突然大声で叫んだ。
「やめとけぇ!?」
俺は一抹の不安を感じ、男の目の前の机に大きな音を立てながら着地した。
手から生やした剣は、男の喉元に突きつけられている。
「やめとけ?」
「俺は人間爆弾だ! 触れた瞬間死ぬぜ」
男はスキンヘッドの強面を更に兇悪に歪ませた。
「俺は死ぬぐらいならお前を吹き飛ばして死んでやる」
ブラフ……?確かにここで死ぬ訳には……
その時、しゃがんでいた俺は左足に重みを感じる。
目線を向けると、左足に蛇がまとわりついていることに気づいた。
「バカがァ! 嘘だよ! お前が騙されてくれたおかげで、ギリギリ蛇を爆弾にできたぜ! シネァ!」
俺は左手で蛇を掴んだ。
「……バァーン! ハハッ、死ね! ……あれ?」
男が勝ちを確信して色々と叫んでいるが、蛇が爆発することは無かった。
「なんで?」
「最初にこの部屋に入った時、少し違和感を感じたんだ」
そう、ここは生物室。
それにも関わらず水槽はひとつもなかった。
「生物室で魚を飼ってないなんてあるか?」
「なっ……!」
「有り得ないぜ。つまり、お前の能力の弱点は水。生物室の水槽を全部どこかへやったんだろ」
男は顔を蒼白にして、少し後ずさった。
「小鳥と狼の爆発の煙の中で、俺は左手を舐めてヨダレまみれにしておいたんだよ」
予想通り、ヨダレという水分の付いた左手で掴まれた蛇は爆発しなかった。
「ありがとう。お前の嘘のおかげで俺の完勝だ」
俺は右手から生えた剣を舐めまわしながら男に近づいた。
奴自身が爆弾だったとしてももう関係ない。
俺は剣を男に突き刺した。
「ぐふっ」
男は血反吐を吐きながら絶命した。
「ふうっ、終わったか」
右手の剣をしまう。
早速先輩の様子を見に行かなければ。足の欠損に加えてアリの大軍の爆発を直に受けてるはずだ。死んでいてもおかしくない。
俺が男の死体をそのままに生物室を出ようとした時だった。
「シェイ〜ド〜君、意外と強いね君」
再び右手から剣を生やしながら後ろを振り返る。
「……お前は、ルカ?」
ルカは首を傾げながら、小さく手を振った。
ノーダメ完全勝利だー! わーい
倒し方きもちわるいけど




