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八本の剣を身に宿す漆黒の勇者  作者: 漆黒の勇者
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5話

 ーーーーーーー

 《警察学校8F廊下》


 リーザという名前の先輩が言うには、ここは8Fの廊下らしい。


「しかし、何でいきなり8階なんかに……さっきまで講堂にいたはずなのに」


「校庭を見て、他にも突然現れた人たちがいるわ。たぶん全員入学式に参加してた1年生たちね」


「じゃあ、俺が8階に転移したのはたまたまってことですね……」


 だとしたら運が悪い。ゼストはまだ1階の講堂にいるはずだ。

 随分離れてしまったな。


「ありがとうございました、リーザ先輩。俺は1階に行きます」


「私もついて行くわ」


「……はい?」


「もうこの学校は全ての教室を占拠されてる。逃げ場所はない、脱出するためにはゼストを殺すしかないのよ」


 既に学校全体が占拠されてたか……

 それより、今リーザ先輩ゼストを殺すって言わなかったか?


「私は生徒会の1人、ゼストの悪行を裁くのが目標なの」


 生徒会! ゼストを倒す仲間か!


「他の生徒会メンバーは!?」


「焦らないで、そろそろテロリストたちが廊下の見回りに来るかもしれないわ。下に向かいながら話しましょう」


 リーザ先輩は7階に降りる階段の方に歩き出した。

 俺は、生徒会というゼストを倒すための仲間の登場に歓喜しながら、先輩の後ろに続いた。


 ーーーーー

 話を聞くと、残念なことにほかの生徒会メンバーは居ないらしい。

 3年生徒会メンバーが各地の警察署に研修に行っている時を狙われたんだそうだ。

 その結果、生徒会で唯一2年生のリーザ先輩だけが残った。

 まあ、仲間は1人でも多い方がいいからな。

 頭の中で情報を整理している間に、階段にたどり着いた。


「早く降りましょう」


「いや、何か様子がおかしいわ」


「なにか感じますか?」


 言われて、周囲の情報を拾おうと集中してみると、下の階から小さく爆発音のようなものが聞こえた。


「爆発……?」


「しかも、()()()()()()()()()


 確かに、爆発の音が徐々に大きくなってきて、7階への踊り場が爆ぜた。


「なんだこれ!?」


「逃げるわよ!」


 俺たちは歩いてきた廊下を走って逆行した。


 死に物狂いで廊下を走るが、それでも爆発は徐々に近づいてきている。

 爆発する何かは俺たちの走る速さを少しだけ上回っていた。

 後ろを振り向く余裕もなく、必死に走る。


 そろそろ追いつかれて死ぬと思った瞬間、リーザ先輩が吠えた。


「防火扉よ! 入ったら直ぐに閉じて!」


「了解ぃ」


 俺は防火扉の向こうに飛び込んで、リーザ先輩が滑り込んで来るのを確認しながら扉を閉めた。

 その直前、こちらに向かって飛翔する数匹の鳥を見た。奥の階段からさらに飛んできている。

 爆発してたのは……小鳥?


 防火扉の向こうで激しい爆発が起きる。

 良かった。防火扉は十分頑丈だったようだ。


「少し落ち着きましょうか。とりあえずここは安全だ」


「そうね……それにしても、今の爆破、何だったの、かしら」


 リーザ先輩は全力で走ったせいで息を切らしていた。

 俺は先輩の疑問に答えた。


「今のは、鳥でした。爆発する鳥……」


「特殊能力か、厄介ね」


「とりあえず、体力が回復したら移動しましょう。まだ扉の向こうで爆発が続いてる」


 そうだ、まだ爆発は続いている。いくら防火扉が頑丈とはいえ、いつ壊れるかなんて分からない。

 出来るだけ早く……

 そう思って息を整えているリーザ先輩を見ると、座り込んでいる先輩の足をアリが登っていた。


「先輩、アリが……」


 俺が先輩に近づこうとした瞬間、先輩の足が爆発した。


「なんでぇ!?」


「ぐっ!」


 先輩が酷いダメージを負う。


「くっ……既に、反対側の階段からも攻撃されていたみたいね」


「大丈夫ですか!?」


 先輩の右足が消し飛んでいた。

 小鳥の爆発の時よりは小規模だが、四肢を吹き飛ばすぐらいの威力はあるらしい。


「大丈夫なわけないでしょ、でも今のでわかったわ」


 そう言って先輩は反対側の階段の方を指さす。

 アリの大軍がこっちに向かってきていた。


「やべ」


「この学校は生物室に小動物や虫を飼ってるわ。敵は動物を爆弾に変えて操る能力を持っている! 敵は生物室にいるわ」


 リーザ先輩は俺をまっすぐ見つめた。何を言いたいのかはすぐに分かった。


「分かりました! 俺が倒してきます!」


「私が死ぬ前に頼むわよ、生物室は5階の階段をおりて右の突き当たりにある。これを持っていきなさい、役に立つはずよ」


 先輩に赤い宝石の付いたペンダントを渡される。


「任せてください!」


 俺はペンダントを首に掛けながら床から3mほどの長剣を生やし、それに乗ってアリの大群を乗り越えた。


 俺が階段までたどり着いた頃、後ろから大きな爆発音が聞こえた。


 リーザ先輩、生きててくれ……!


ヒロイン瀕死

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