魔剣
取り出した大剣を、天使の首元に突きつける。
「動くな」
「え?」
「俺を現世にもどせぇぇ」
「きゃあああ! 誰か助けてー!」
コイツ……本当に救いようが無いな。
殺そう……
そう思った直後、真下から物凄いオーラが迫って来ている気がした。
「や、やばっ」
「シャドウぅぅうっっつぅ」
「ユーザ!?」
俺は反射的に飛びのいてしまった。
くそ、あの腹立つ天使にとどめさせなかった。
「あ、あなたは?」
天使が、首から滴り落ちる血を抑えながら尋ねた。
「……ユージです。貴女を助けに来ました」
「あ、ありがとうございます」
「イチャイチャしてんじゃねーよ! 早く俺を現世に戻せ」
やっぱユージはあったときに仕留めとくべきだったな。
「ユージ、決着付けようぜ」
「天使さんを傷つける奴は許さない! いざ!」
ユージが、口を開けて上を向く。
あ、あいつもまさか胃から剣を取り出そうとしてるのか?
「させない!」
俺はすぐさまユージへの距離を詰める。
しかし、そううまくは行かなかった。
ユージへの距離を半分ほど詰めたとき、ユージが強力な波動を放ったのだ。
俺は命の危機を感じ、大剣を地面に突き立てその後ろに隠れた。
「くそっ。近づけない」
ユージから目を離してしまった一瞬で、ユージは俺の横にぬるっと現れた。
「なに! こいつ現世にいる時より強くなってる」
俺は後ろに飛びのいて守りの姿勢に入ろうとしたが、ユージはぴったり俺の近くに張り付いてくる。
「ちっ。しゃあねえ! 太陽の剣、アポロ召喚」
アポロを召喚し地面に突き立てる。
直後、周囲の温度が急激に上昇する。
「熱いッッ!」
「アツーーー!」
俺もユージも、アポロから距離を取る。
自分もダメージを負うが、ユージの怒涛の攻めを防ぐにはこれしかなかった。
こいつ、本当に強い。
「シャドウ、コロス」
茹だるような暑さにも関わらず、俺の頬を冷や汗が流れた。




