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その月はとても綺麗で。  作者: 空野 刹那
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第一話「その出会いは運命のようで。」

四月。

その日、俺は恋に落ちた。

彼女の透き通った瞳は、まるで、俺の心を見透かしているようで。

まるで、この出会い、そして別れをずっと前からわかっていたかのようで。


その日は、心地いい春風がなびき、空を桜の花びらが舞い、

実に「始業式日和」というものだった。

「夏輝!おはよ!今日から三年生だね!」

春風に揺れる青い前髪は、空のように透き通っている。

天野川あまのがわ 輝夜かぐや

幼馴染で同級生。

3サイズは上から・・・

「夏輝?」

「いや、おはよう。輝夜」

俺の名前は、軌城きしろ 夏輝なつき

今日から中学三年生。

新学期が始まり、想いが昂る。

俺はクラス替えでA組だったので、

一応と、名簿に目を通す。

「輝夜も一緒か」

「うん。よかったね。また一緒で」

輝夜とはずっと同じクラスだ。

最早、兄妹と言ってもいいと思う。

「ねぇ、この名前、誰かわかる?」

そこには「A組一番青花 菜月」と書かれていた。

「いや、知らない」

偶然にも同じ名前のその人を心に留め、

教室へ向かう。

(そういえば、あの子も同じ名前だったな・・・)

席に着き先生を待つ。

その刹那、

俺は目の前の光景に目を奪われた。

例えるなら満月。そう。満月だ。

暗い闇夜にただ一つ輝く満月。

周りを歪ませ、濁らせ、淀ませる。

そこにはとても綺麗な白い髪の女性がいた。

「あの?何か?」

「あっいえ、何も・・・」

目が離せなかった。

帰り道。彼女は突然、こう言った。

「家に行ってもいいかしら?」


五時、起床。

夢は見なかった。

一度寝ても彼女の事が頭から離れない。

きっとこういうのを

「一目ぼれ」というのだろう。

しかし、彼女を懐かしいように感じるこの気持ちはなんだろう。

とりあえず学校の用意を済ませるべく

ベットに手を置いて立ち上がろうとする。

しかし指先は何故かやわらかいものにあたった。

俺のベットにこの感触はないはずだ。

ゆっくり手元を見る。

俺のベットに寝ていたのは、例のその人。

青花 菜月だった。

いや待て、おかしい。

俺は何もヤってないはずだ。

問題は青花の着ているであろう服が

床に散らかっている、ということだ。

冷静に考えてヤバいと思い、静かに布団をめくる。

よし、着てない。

俺は静かに自室を出る。

親は出張が多く、小さい頃から一人が多かった。

その為、ほぼ一人暮らしだ。

きっと昨晩の俺はお楽しみだったのだろう。

俺は何を言っているんだ。

とりあえず風呂に入り、制服に着替え、二人分の朝食を作る。

「おはよう。夏輝君」

彼女が起きてきたのは七時だった。

「あっおはよう。あの、昨日は・・・」

「おいしそうな朝ごはんだね」

彼女は朝食に見とれているようだ。

「いただきます」

勝手に食べ始めた。

まぁいいんだけどさ。

「おいしい!」

感想が雑だ。

「でもこれからは私が作るからね!

夏輝君はゆっくりしてて!」

おぉ、それは助か・・・

「今なんて?」

我が家に満月のような嫁がやってきた。

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