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緋色の刀  作者: ニヒケソイ
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第6話 模擬戦闘4

グランとシルヴが見落としていたものはストレアと、椎崎の上空に存在していたストレアの魔法陣。そしてその魔法陣をストレアはある魔法を唱えるためにここまでの戦闘で使用していなかったのだ。そしてストレアは椎崎の攻撃に乗せられた風を利用し、距離を30mほど開ける。その距離などすぐに椎崎に詰められてしまうが、その一瞬でストレアは暴風障害ウィンドウォールを発動する。ストレアの周りを台風もかくやといった風が吹き荒れる。しかし天之衣アマノコロモをまとい、天嵐龍の加護をうけた椎崎は多少スピードダウンするがすぐにストレアのもとへとたどり着く、しかしそこでストレアはもう一つの魔法を発動する。その魔法の名は氷壁封鎖アイスエンドそしてその魔法により椎崎が氷の中に閉じ込められた。だがその氷にすぐにひびが入り、砕け散った。

「この程度の魔法で加護を受けたものがやられるものですか!」

椎崎が声をかけたストレアはさっきの間に椎崎と距離を開けていた。

「それでいいんだよ。僕の目的はこうして一度距離を開けることだからね。

「へえ、距離を開けた程度で私に勝てると思ってるの?」

言って、椎崎は再びストレアへと突進する。しかし、

「っ!?」

ストレアから50mほどのところでストレアの背後の魔法陣から光線が放たれ、着弾点が爆発する。

「これは....」

「光属性中級魔法の、光撃乱写ランダムコンダクションに指向性と龍の魔力を持たせた。僕のオリジナル、光撃掃射オフェンシブレイ、龍の魔力を込めることが難しいから僕の魔法陣を使いながら時間をかけないと組み立てられないところが少し問題だけど、この魔法は君の絶対障壁でも防ぎきれない。まだ戦うかい?」

「くっ!」

椎崎がどうやってストレアへと攻撃を届かせるか考え始めたとき、

「キュウウウウ!」

天嵐龍が二人の間に投げ飛ばされてきて、さらにそこに黒灰龍が倒れている天嵐龍を踏みつける。それをみたストレアは再び問いかける。

「これでもまだやるかい?」

「っ~~!なら!さいごの悪あがきみせてあげるわ!」

椎崎の右手に風が集まっていく、それを見たストレアが

「っ!まずい!黒灰龍ブラックアッシュドラゴン!早くとどめを!」

黒灰龍が天嵐龍にとどめをさそうと足で頭をつぶそうとした瞬間、天嵐龍が自分の頭部を覆うかのように風の結界をはり、その攻撃を防御する。そして、その間は致命的なものとなる。

「くらえぇ!風牙ふうが・改!!!!」

すべてを切り裂かんばかりの風の刃がストレアへと殺到する。それに対し、ストレアは自分の魔法陣を自分の前に5枚重ねる。そして風がストレアに届いた瞬間砂煙を盛大に巻き上げ、炸裂する。砂煙が収まった後には、魔力を使い果たした疲労感に襲われ、肩で息をする椎崎と、防ぎきれなかったためにボロボロになった細剣とそれを持っていた右手が血まみれになりつつもその場に立っているストレアの姿があった。ストレアは椎崎に歩み寄り、それをみた椎崎が

「完敗ね....」

とつぶやき、剣がその身を切り裂くのを待ったがいつまでたってもその時が来ない。不思議に思い、顔を上げると、

「君さ、最初に僕に向かって笑いかけた時になんかすごい含みがある感じの笑みだったんだけどなんで?」

ストレア問いかける。すると、

「気づかれてたの....いいわ。私に勝ったんだからおしえてあげる。それは...」

ストレアはそれを聞いた後に、

「え?そんなこと?」

予想もしてなかった答えが返ってきたのでついついそんな答えを返してしまう。そんな返答に椎崎は顔を赤くしながら、

「そんなことってなによ!そんなことって!私にとってはかなり大事なことなのよ!」

と、後ろに火山がみえそうなほどに怒っている。

「い、いやごめん。あまりにも、その、なんというか意外というか乙女チックというか。」

「悪かったわね!乙女チックで!というかこのこと絶対に彼に言わないでよ!」

「大丈夫だよ、絶対に言わないって....ああ、それとさっきの不安だけど絶対に大丈夫だよ、あの昼休みのあれは冗談なんだから、てか、普通に考えればわかるでしょ....」

ストレアが少しあきれたように言うと、

「いや、でも彼いつもあの人と一緒にいるし....」

「ああ、確かに」

二人の間で勝手に納得したところで、

「悪いけど降参してくれないかな?さすがにしゃべってた相手を殺すのは抵抗あるというか、いやぼくが勝手に話し始めただけなんだけど。」

ストレアがいうと、椎崎も笑いながら、

「ふふ、それもそうね、いいわ、先生!棄権します!」

「わかった!」

先生が立ち上がりながら、その声にこたえ、観客席からアナウンス側に連絡する。

しばらくして、

『双方、ケガが確認されましたので、時空魔術を使用します。』

アナウンスの声が聞こえ、二人の体が試合開始前のきれいなものへと戻る。



ストレアが観客席に戻り、グランがいい勝負だったと声をかけ、シルヴからも称賛のことばをいただいたところで、ストレアはグランに

「....グラン、いろいろあるだろうけど頑張ってね」

と意味深な笑顔とともに語りかける。

「はあ?え、なにその意味深な笑顔、すごい気になるんだけど。ちょっと、教えてくれない?ちょっと?」

ストレアははぐらかすように

「ほらグランの試合はこのあとすぐだよ」

「おい、はぐらかすな!なんなんだよ!すげー気になるんだけど?!」

その後もストレアはずーっとしらばっくれ続けたのであった。

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