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緋色の刀  作者: ニヒケソイ
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第1話 プロローグ

拙い文ですが、よろです

「おい、みろよ!また首席様がつっかかってやんの」

「また?飽きねえなあの人も」

円状のスタジアムを囲み、十人ちょっとほどの生徒たちが中央にいる二人を見ていた。そして、注目の的である中央の二人は

「今日こそは勝たせてもらうぞ」

と、眼鏡をかけた黒髪の男がいい、

「なんで、わざわざこっちの得意分野で勝負するんですかねぇ?そもそも、無制限の勝負ならおれに勝ち目ないのに」

と、赤髪の男が返す。二人のうちの黒髪は利発そうな顔立ちのいかにも優等生といった男の人で、赤髪は顔立ち自体は悪くないが全体的な雰囲気がどこか抜けたような男の人であった。

「ふん、お前にはわからんだろうがこちらにも色々あるんだ。」

「まあ、予想はつくけどね。大方召喚獣さえなければ本来の首席はおれだったんだろうとかそんなもんだろ?」

「まあ、その評価もそろそろ覆そうと思ってお前に勝負を仕掛けるんだがな」

「今のところはおれの5連勝だっけ?」

「4連勝だ!今日こそは勝つぞ!」

「そうそう!変な落ち着いたフリをしてるより、そっちのほうがやっぱ似合ってるよ!」

「やかましい!」

そこで、アナウンスがながれる

『そろそろ、開始時間です。双方スタートラインに立って下さい。』

「む!」

「りょーかいでーす」

そして、二人が床に引かれた光のラインに立つ。

『ルールは、 召喚獣、アイテム、固有武装の使用不能それ以外はなんでも使用可能のデスマッチ、それでいいですね?』

アナウンスが聞き、それに対し二人が

「構わん」

「おけよー」

『それではカウントダウン開始します。』

二人の間に10という数字が突然現れる。それが9、8と減っていき、1の次にSTARTという文字になった瞬間、二人がスタートダッシュをする!そして、スタジアムの中央で二人がぶつかった!

「また、早くなったか!」

「いやー、それほどでも〜」

ガッ!二人が距離を開ける。そして、どこからともなく、黒髪の手の中には双剣が、赤髪の手の中には刀が握られていた。

黒髪の双剣による激しいラッシュを小回りの効かないはずの刀でどんどん赤髪は捌いていく。

「くっ!」

「これは前と同じ展開が見れそうかな?」

「なめるな!」

黒髪が剣を二本とも投擲する、それは赤髪でなく、見当ちがいの方に飛んでいく。

「何してるのかな!」

武器を失った黒髪に対し赤髪が刀で斬りかかるが、投擲を仕掛けた次の瞬間にはもう新たな剣を構えていた黒髪に受けられる。だが、一旦切り替わった攻守はまだ変わらない、赤髪がどんどん斬りかかっていく、それを黒髪がところどころ切り傷を作りながらもなんとか捌いていく、このまま赤髪が決めようとした瞬間、赤髪は自分の背後から風切り音が聞こえる事に気づく、

「っ!?」

ギギィン!と、鈍い音がする。赤髪がなんとか自分の背後からの剣の奇襲を捌いたのだ!しかしそのせいで攻撃が一旦中断され、その瞬間の黒髪のラッシュにより、赤髪が下がる。

「おのれ!あれすらも避けるか!」

「なるほど、武器を変えてきた理由はその小細工のためね。でも、その奇襲は通じなかったけどね!てか、それやるために自分の扱いにくい武器を使ってたら元も子もなくない?」

「双剣もクラスで1番を取れるほどには強いんだがな。付け焼き刃ではお前には通じんか。」

言いながら、新たにその手には槍が握られている。

「では行くぞ!」

お互いの剣と槍が金属音を打ち鳴らしながら、ぶつかる。だが、黒髪の方のみに傷が増えていく。

「ちぃ!」

「おっと」

一際甲高い音を鳴らしてお互いの武器が跳ね上がり、それと同時に二人の間に距離ができる。

「前より強くなったねぇ、前くらいだったら既にバテバテでしょ。」

「男子3日会わざればというやつだ。」

いいつつ、黒髪は疲労を隠しきれていない、赤髪はまだ余裕を持っている。戦いの優勢は既に見えていた。が、まだ黒髪は諦めていない。

「雷装!」

黒髪の持つ槍に稲妻が巻きつく、

「いくぞ!」

再び、黒髪が向かっていくその速度は今までよりも数段早くなっている。しかし、赤髪は焦る事なくその攻撃を捌いていく。

「ここかな」

黒髪の連続突きの中の一つを赤髪は見切り、瞬間に前へと距離を詰める。そしてそのまま黒髪の頭と胴体を切り離した。

そこで、アナウンスが流れる。

『片方の死亡が確認されました。時空魔術を起動します。』

すると黒髪の死体が消え、スタート位置のライン上に試合を始める前の状態で現れる。

「また、負けたか...」

「そんな落胆するほど悪くなかったって、前回よりもまた強くなってる。」

「ふん!そうはいうがな、お前も強くなっていては差が縮まらんだろう!」

「ま、これすらも負けちまったらおれには存在価値がないからな。いつもちゃらんぽらんな俺でもこれについては努力するさ。」

「それは....」

「さて、アリーナを使いたいやつは他にもいるだろうし、俺たちはもどろうぜ」

「....そうだな」



ここは、東京のど真ん中にあるが、普通の人間には全く知覚することのできない《魔法学校》、そこでは多くの魔法の才能を持った子供達が魔法を学び、腕を競い合い、しのぎを削っている。このような学校は世界中のあらゆる場所に存在してはいるが、そこに在学する生徒には皆すべからく、ある規則がある。それは魔法を知らない人間に魔法の存在を知られてはならないこと、これはそんな世界に生きる男の子のお話...


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