てんいしたよ
目を閉じながら俺は起こったことを整理する。
まず光にロリコンとけなされて、犯罪者扱いされて。幼女に話しかけられて、宝石光って、光に包まれた。
うん、普通に考えて夢だなこれ、宝石は急に光ったりしないし、幼女に話しかけられたりなんてあるわけないし、俺は犯罪者どころかロリコンでもないし。
疲れて悪い夢・・・いや夢に幼女が出るなんていい夢なのか?
なんか、疲れた。こんな日は家に帰ってアニメでも見よう。そう決まったらいつまでも目を瞑って無いで家に帰ろう。
俺は目を開けた。
「あ!目が覚めましたか!よかったです!」
「おー・・・やっと起きた。思いっきり殴れば起きるかなーって思ったけどその必要はなかったみたいだね。」
光の顔だけならまだ夢だと思えたのだが、黒髪幼女も一緒だとさっきのは夢とは違うようだ。
それにしてもここはどこだろう。お城と言っていた気がするが。その割にはかび臭いしなんかじめじめしてる。地下か何かだろうか。地面にも何か魔方陣的なの書いてあるし。
そんな風に周りを見渡してると、
「いきなり汚いところに転移させてしまってすいません。玉座はこちらです!」
黒髪幼女が目の前に見える大きな階段の前で手招きしている。カワイイ、ああいう幼女の人を呼ぶ動作ってなんでカワイイんだろ子供らしさが際立つというかなんか輝いて見えるというか。
「何興奮してんのさ、おいてくよ?」
「俺は興奮なんかしてねえよ!」
光にまたもや危ない人扱いを受けながら俺らは階段を上った。
階段を上った先は先ほどの汚い地下とは打って変わって豪華な廊下が広がっていた。元の世界では見たことのない絵画や彫刻に驚いたが、テレビで見た豪華なホテルとあまり変わらないように見えた。
「おー、こんなの見たことないな。家具も絨毯も装飾もー!」
光が言うにはそうらしい。他にも、元の世界とは大きく異なってるんだろうな。やはりここは異世界か。
て、いうかなんで呼ばれたんだろ俺ら、守護騎士とか言ってたけど、何かを守るのかな?流石に世界を守るとかだったら絶対無理だろうし。
「そういえば俺達はなんで連れて来られたんだ?」
思い切って聞いてみた。幼女と会話できるのは貴重だから・・・とかでは無い。うん、
「詳しい話は玉座の間でしようと思ったのですが、簡単に言うと私を魔物から護衛してほしいのです。」
魔物とかいるのか物騒な世界だな、とか思ったがなるほど、確かに守護騎士だ、魔物から幼女を守る騎士、うん、かっこいいじゃないか。
「でも、私たち普通の人だよ?銃や剣も持ったことなんてないし魔物なんかと戦えないよ?」
確かに光の言うとおりだ、浮かれていたが魔物なんかと戦えるはずが無い。屈強な男性でも無い自分が自分の良く知るアニメや漫画の魔物だとしたら一瞬でやられてしまうだろう。
「それは・・・私が出来る限りのサポートをします。私の勇気の魔法で!私が!貴方達を!支えます!」
なにそれかっこいい、カワイイ、幼女に常に支えてもらいながら護衛とかマジで俺得・・・いや俺得じゃないな、全人類が羨むだろそれ、最高の仕事じゃないか!
「まぁ、そこの興奮が全身で出てる人は放っておいて、うん、とりあえずその・・・魔法みたいなので私たちはどうにか戦えるわけね?」
そんなに体に出てたのか。だって全人類が望むようなことを言われたからね。しかたないね
「それでも・・・少しは戦い方を学ばないといけないと思いますけど・・・」
「まあ、その辺はね。照は無理かもだけど私は器用だからすぐに覚えられるよ!」
俺だって幼女の護衛をする為だったらそんなものすぐに覚えられる。てか正直何でもできるような気さえする。
そういや一番聞きたかった事を聞いてなかったな。俺は黒髪幼女に尋ねた。
「ねえ。そういえば君の名前はなんていうの?」
そう、名前だ、護衛する子の名前も知らないなんて守護騎士失格だと思ったし、何より俺が名前で呼びたい。
「私はウインドと言います!ウインド・クラウンです!」
ウインド・クラウンそれが彼女の名前だった。俺は名前に対して何か言おうとしたが、
「ウインドちゃんか・・・じゃあウィンちゃんね!winみたいで縁起がいいでしょ?」
ウインドとウィンじゃ全然意味が違うだろ。かけ離れすぎていないか、それ
「よく、意味は分かりませんが、呼びやすいのならばウィンとお呼びください!」
・・・元気な声で言った当たり嫌がっては無いようだでもウィンって言いずらくないか?まぁ本人が気にいってるようだし俺もそう呼ぶか。
「じゃあ・・・これからよろしくな!ウィン!」
「はい!お願いします!」
最初としてはなかなかの好感度だと思う、とりあえず嫌われてなくてよかった。
「それじゃ、私が一番聞きたかったこと聞いてもいいかな?ウィンちゃん?」
「はい?なんでしょう?」
光のほうも聞きたかったことがあるらしい。他に聞くべきことなんてあったか?
「どうして護衛を私たちがするんだってことよ。」
「それは・・・あ、つきましたね、玉座の間です!詳しい話はここでしましょう。」
「分かった、他にもいろいろ聞きたいからね。」
どうやら光はほかにも質問があるらしい。俺はウィンちゃんの名前が分かっただけでいいのにな。まあ、玉座の間での話は聞き流そうかな。