表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/61

5話 森での狩り

 

 

マイルームへと戻った俺は、コップに生み出した水を飲みつつ一息つく。


「―ふう。」

そういえば鎧を着たままこの部屋に入ったのに、今は着ていない。

どういうことだろうか。


まさか―。


―ストレージ。

念じるとステータス画面を省略して、ストレージウィンドウが開く。



うん。

ウィンドウの一覧には――、しっかりあるな。

なぜ急に装備が解除されたのだろう。



試しに剣や鎧を取り出してみようとするができない。

もう1度試してみるが――やっぱりだめだった。


あれ。

もしかしてマイルームだとストレージから取り出せないのか。



―ということは。

その逆はどうだろうか。


やっぱり――。

だめだな。

飲んでいた水を入れようとしたができなかった。




ふむ。これは異世界とこの空間で持ち物のやりとりができないのか。


考えてみれば、この空間では様々なものを生み出すことができる。

それを異世界に持ち込めたら大変なことになるだろう。


そういえば最初にマイルームへ来たときも

装備中の鎧が消えていた――気がする。




「―はあ。そんなに上手くはいかないってことか。」


しかし、初戦闘は上々だったな。


油断は禁物だが、今日はこの調子で、もう数匹狩りたいところだ。

強くならないとな――。



魔物なんてものが当たり前にいる世界だ。

この世界の住人もそれなりに強いだろう。


門番だって武装していた。

危険なのは魔物だけではないはずだ―。




☆ ☆ ☆



15分ほど休憩をとった俺は再び森へ戻り魔物を狩っていた。

2体、3体と狩るにつれ、コツをつかんだのか効率的に狩れるようになってきた。


10匹目を狩り終えたところで、辺りが暗くなっていることに気づいた。


「今日はこのへんにしておくか。」

近くに魔物がいないことを確認すると―。

俺はマイルームに移動するべく念じた。




―ふう。

シャワーを浴びすっきりしたところで食事にする。


今夜のメニューはパスタにサラダ、それにアイスコーヒーだ。

以前どこかのレストランで食べたものを想像して生み出した。



腹を満たしながら、今日一日を振り返える。




長い一日だったな。


森での狩りは順調だった。

あの兎はかなり弱い魔物なのだろう。名前がわからないので大兎とするか。

ほとんど素人の俺が近寄っても気づく様子がなかった。


さすがに正面からでは気づかれたが、それでも少し時間がかかる程度で問題なかった。


明日も同じように狩りをしよう。

そう予定を立て、ストレージとスキルの確認をする。




そこには今日の狩りの成果を示す、魔物のドロップがあった。

やはり、魔物を倒すと素材が手に入るのか―。



  ≪ストレージ≫

   ・兎の肉×11

   ・兎の皮×11


    55ゴル



それにゴルが増えている。

もしかしてお金だろか―。


しかしここでは取り出すことができない。

まあいい。明日だ。




続いてスキル画面をみると、取得可能スキルが開けるようになっていた。



 ≪取得可能スキル≫

  剣術(1) 身体強化(1) 生活魔法(1) 地図(1) 簡易作業(1) 


  1SP



ふむ。取得できるスキルはこの5つしかないようだ。


スキルの説明を表示したいが出てこない。

あと1SPってなんだ。



スキル――ポイントかな。

取得可能ということはまだ習得していないスキルだろう。

全て習得可能なら、わざわざこんなウィンドウは必要ない。


ポイント制なら納得がいく。

スキルの後ろに(1)とあるしな。


なるほど。1スキルポイントを持っているから取得可能ウィンドウが開いたのかもな。




どうするか。



「やっぱり身体強化かな。」


剣術も捨てがたいが、身体強化の方が汎用性が高いだろう。

明日も大兎狩りなら剣術は後回しだ。


生活魔法はよくわからない。地図は更に森の奥へ行くときでいいだろう。

簡易作業は――これ、スキルなのか。わからないのでやめておく。



身体強化を取得したいと念じると、所持スキル一覧にそれが表示された。




――!


取得後の変化は顕著だった。



「おお!体が軽い――。なんだこれ!」



全身に力が漲る。

さっきまでの自分とは別人のような感覚に感動を覚える。


鏡を設置し確認してみるが、たいして変化はみられない。

だが、これは―。

どこから力が沸いてくるのか。異世界特有の謎パワーということにしておくか。


この世界におけるスキルの強さを知った。




うーん。

知らないことが多すぎる。


チュートリアルなしってつらいよな。

まあ。あってもゲームだといつも飛ばしてるが―。



村に行ったら、それとなく聞いてみるか。

何か分かるかもしれないからな。


そう結論づけると、壁ぎわに小さい洗面台を設置する。

歯をみがいて、目覚ましをかけてベッドに入る。



おやすみなさい。

横になるとすぐに眠りについた・・・。






 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ