3話 スキル
早速だが、俺はスキルを使ってみることにした。
まずは――。
既に、ステータス一覧で出てきたストレージの方から。
――。
あれ。どうやって使うんだ?
とりあえず。
特殊ストレージを使いたいと念じてみる。
が、特に変化はない。
それなら―。
「特殊ストレージ」
――発声してもだめか。
既に発動してるとか。パッシブスキルというやつだ。
ステータスでストレージと出てきたしな。
それだと試しようがない。
うーん。
まあ、保留かな・・・。
気を取り直して。
今度は、特殊空間魔法だ。
魔法か――。
ファンタジーの代名詞。
「特殊空間魔法!」
――。
――。
またかよ。
なにも起こらない。
そうだろうと思ったよ!
―と。ゆっくりと周囲の景色が変わっていく。
お―。
えっ。俺なにしちゃった・・・?
そこは辺り一面、真っ白な世界。
雪だらけとかではなく。
言ってみれば、ただただ無。
その一言に尽きる。
なんだこれ。想像していたのと違う。
空間魔法ってテレポートとかじゃないのか。
とにかく訳も分からないまま、辺りをきょろきょろと見回していると。
不意に、俺の視界にウィンドウが。
『初期設定をしてください。部屋をイメージしてください。』
これは―。まあ、その通りにしてみよう。
とりあえず思い浮かべたのは、自分の部屋だ。
すると、白い世界は俺の部屋へと変わった――。
おお。
なんだこれ。俺は映画の中にでもいるのか?
そして、少し自分の部屋よりも広いだろうか。
これが特殊空間か。
特殊空間を生み出す魔法ってことね。
想像の斜め上をいったけど―。
うん、これはこれでいいな!
さて。
元の場所には―。しっかりと戻れるな。
戻りたいと念じ、しばらく待つと部屋から外へ出られた。
出入りするのに少し待つ必要があるな。
☆ ☆ ☆
再び特殊空間へと戻ってきた俺は。
少し冷静になり、色々と考えを巡らせていた。
この空間――。
部屋だけあって何もないが、どうしろというのか。
すると。視界にまたウィンドウが広がる。
『―――』
Lv1
部屋(小)1
これは―。
この空間に関する情報だろうな。
横線に注目すると、どうやら名前を付けられるらしい。
試してみると、一度つけても変更が可能なようだ。
とりあえず一部屋しかないし、マイルームでいいか。
そして、何か座るもの、椅子かなにか欲しいな―っと考えていると。
俺の目の前にそれは現れた。
――まさか。
物を生み出せるのか。
椅子を消す―。
できた。
それなら、他にも色々と出してみよう。
うーん。
ソファーにテーブル、テレビに――、冷蔵庫っと。
あと窓もほしいな。
当然のように次々設置され、窓の外には草原と青空が一面に広がっている。
窓を開けてみると風が入ってきた。
しかし、外には出られないようだ。
広がる景色は、さっきまでいた外とは全く違う場所だ。
特殊空間ということだから、全く別の空間なのだろう。
テレビは残念ながら映らなかった。
ソファに座り、アイスティーを飲みながら一息つく。
試しにリンゴとバナナを生み出し皿の上に置いた。
食器のような小物から、食べ物や飲み物も問題ないようだ。
――なんなんだコレは。
凄いなんてものじゃないぞ!
調子に乗った俺は、さらに必要と思われる物を生み出して――。
あとは。
簡易シャワールームと簡易トイレに、小さめのベッドも置こう。
簡易としたのは、
風呂場を生み出すことができなかったからだ。
まあ。こんなものか。
あらかた家具も設置したところで、かなり部屋が狭くなってしまった。
歩くスペースもほとんどない。
部屋の拡張は試してみたができなかった。
これがLv1の限界なのだろう。
まあ。今後に期待するしようか――。
【マイルーム①】
※あくまでイメージです。
3Dへのツッコミは、承っておりませんのでご注意を。
○2D
○3D-1
○3D―2
間取り作るの楽しくて、時間を忘れて遊びました。