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15話 戦いの後

 

 

目を覚ます。どうやら俺は寝ていたらしい。


時間は――昼か。朝じゃない。


――。

朝じゃない!?



そして、ここは――マイルームか。

あれ。

俺、なんで寝てるんだ。




「――そうか。俺は・・・あいつに負けて―。」


自分の身に何が起きたか、思い出した俺はそう呟いた。

思わず貫かれた腹に手をあてる。


くそ・・・。ちくしょう。死ぬほど痛かった。



うん。


痛かった――。



はずなのに。


おい。

なんで俺の腹に傷がない。




頭を上げる。


いや――。もう、今それはいい。



よくないが。

今はあいつをぶちのめしたい。


あの鹿野郎――。



俺は生きていた。

今はそれだけでいい―。





ベッドから立ち上がり、徐に日付を見る。


――ん。なんだ。

違和感を感じた。



――。


むう。

ひどく腹が鳴っている。


まずは腹ごしらえだ。

うん。

全てはそれからだ。




☆ ☆ ☆



ふう。


食べ終わり一息つくと、あの鹿を思い出す。

また段々と腹が立ってきた。



いや―。

落ち着け。あれは仕方なかった―。


なんなんだよ。あの初見殺しは・・・。

あんな攻撃をしてくるなんて予想もしてなかった。



翼が生えていた。


ということは飛ぶんだ――。



決まってるじゃないか!


なのに走って突進してくるばかりで。



だが、それはまだなんとかなった。

問題はあの光だ。


あれは、魔法なのか―。

よくわからない。


俺はまだ使えないが、特殊空間魔法があるのだから、他の魔法もあるのだろう。



魔物が使ってこないなんて誰が決めた。

俺が勝手にそう思い込んでただけだ。




対応はできたはず―。


おそらくだが。

あれは速度を上げたり、飛行を補助する類のものだろう。



とっさに動けなかったのは俺の未熟さだ。

あいつの予想外の攻撃に反応が遅れたのだ。


この世界にきてからまだ1週間と少し――、


スキルの恩恵があるとはいえ、圧倒的に、場数という経験が不足している。



あと少しで勝てる。

そんな心の緩みも敗因の一つだろう―。



「ふう。」


今回はいい経験になった、と思うことにする。

次は勝つ――。



またポップするかはわからないが。

たぶん、するだろう。必ずリベンジする。


そう決意し、水を一口飲むとベッドに横になった。








再び目を覚ますと、寝覚めは最悪だった。


くそ。あの鹿の夢を見るんだよ。



早くリベンジしなければ。

俺の安眠を奪った奴。許すまじ。




時間は――夜中だ。


「寝すぎだろ。」



俺の体は休息を欲していたらしい。


ベッドから起き上がると、日付に目をやる。


――。



やっぱりおかしいよな―。



村に行ったとき、この世界での日付を確認した。


そして、その日に森へ戻ってきたはずだ。鹿に挑んだのがその5日後―。



それで、目を覚ましたのが、その翌日だから―。



1週間ズレてるのか。


そう。

日付の付いた時計は、俺の体感とは違う日を示していた。




☆ ☆ ☆



適当に飯をつまみ、シャワーを浴びる。


――すっきりした。



もう体はよさそうだ。

ソファーに座ったところで、取得可能スキルを確認する。


現在のSPは4。



むう。

増えている。


鹿に挑む前は、確かにSPが2だった。



ストレージも確認すると、翼鹿のものと思しき素材が入っている。



ふむ。

ボスを倒したからだろうか。


1匹討伐しただけなのに、SPを2も獲得している。



しかし―、

あれは倒した扱いになるのか・・・。


確かに光となって奴は消えた。



まてよ――。


ということは、あの光の突進は最後の攻撃だったということに。

あの後、俺は一切ダメージを与えていない。



「自爆技ってやつか。」



そして、どうせまたポップするのだろう。

本当に憎たらしい奴。



だが、残念。俺も生きている。




あれの対策が必要だな――。

次は避けられると思うが、確実ではない。



あれこれと考えていると、眠気を感じ再びベッドに横になった。


 

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