12話 決意を新たに
村へと戻った俺は、その後、村全体をぐるりと一回りする。
まあ。目ぼしいものは特になにもなかった。
ほんと、長閑な村だわ―。
でもこういうの嫌いじゃないよ。
さてと、森に戻ろうか―。
魔物を狩らないと。今の俺は狩りの鬼だ。
決意を新たにした俺は、門から出て森へ向かうことに。
入るときに門番だった女はおらず、代わりに中年の男が立っていた。
あまりやる気がなさそうだ。
声をかけ、数日は依頼で戻らない旨を伝えておいた。
☆ ☆ ☆
森に到着すると、まっすぐ耳馬のいる奥へと向かう。
今日はあまり時間ないからな。
大兎を無視して黙々と歩いていくと、あまり時間はかからなかった。
よし。
スキル隠密の効果を試してみよう。
村の中では実感できなかったが、はたして。
耳馬は――いた。
ふむ。
前はもう少し近づいたところで気づかれたよな。
慎重にそろりそろりと近づいて――。
気づいてないみたいだな―。
よかった。SPを2も使ったんだ。
効果はしっかりあるようだ。
残り10mと少し。
横後方から一気に近づき、首筋へ剣を一閃。
ドサッと首が落ちる。
うん。問題ないな。
この奇襲はかなりつかえる。
正面から戦ってあれほど苦戦した相手がこの様だ。
流石に近づく瞬間は何かに気づいたそぶりを見せた。
が、時既に遅しだ。
その後も狩りを続け、4匹の耳馬を見つけて狩った。
やはり数が少ないな。
探知するようなスキルがほしい。
そろそろ辺りが暗くなるだろうか―。
俺はマイルームへと引き上げた。
☆ ☆ ☆
朝になった。
よし。
今日からは大兎50匹、耳馬20匹を一日のノルマとして狩っていこう。
やれるはずだ―。
気合だ気合。
予定を立てた俺はさっさと朝食を済ませ、森へと向かった。
森に入った後は黙々と狩り続けていた。
そして、ふと気がつくと空腹を感じてマイルームに。
その後はまた森へと出かけた。
そして。
淡々と作業の様に一日狩り続けた俺は、今日最後となる獲物を倒した。
ふう。
ノルマ達成―!
一日の終わりにストレージを確認する。
すると素材の数が――なんだこれ。
あれ。こんなに狩ったか。いや―。
何かおかしい。
スキルやステータスを見てみることに。
サトウ キヨシ <アーレの村>
男 18歳 健康
冒険者Lv4
ふむ。
職業が冒険者になってる。
さらにLvが4。
あと名前の横にあった線が、アーレの村になっている―か。
ステータス一覧にある職業変更を開いてみる――が、開けない。
うーん。
まずこのアーレの村は関係ないだろう。
そして職業の旅人どこいった。
まあ。いいか。
おそらく―。
この冒険者ってのはギルドに登録したからだろうな―。
しかし職業が変わっても実感はない。
あるのは素材のドロップ数が増えたことか。
これが冒険者の効果なら素晴らしい。
狩った数と照らし合わせると――約2倍か。
これは、すげー!