11話 エリック-1 《間話》
間話になります。
眩しい光に目を覚ます。
ううん、朝か――。
目をこすりながらゆっくりと体を起こし。
僕はベッドから立ち上がると、大きく伸びをする。
窓の外に目をやると。
うん。いい天気――。
「いい朝だ。」
手早く身支度を整えて、僕は朝食にする。
兎の肉とカブ、それに豆の入った粥。
いつものと変わらないメニューだ。
手早く食事を済ませると、休憩も程ほどに準備をする。
いつもと変わらない畑仕事に出かけるのだ。
「よし。今日もがんばるぞっと。」
一つ気合を入れると、僕は畑を耕し始めた。
――。
そろそろ昼食だろうか。
手を止めると、一度僕は家へと戻る。
そうして朝と代わり映えしない食事を取ると――。
しばらく休憩してから、また畑に戻るのだった。
それから2時間ほどが経っただろうか。
「よし。今日はここまで。」
僕は畑仕事を引き上げると、急いで家へと戻る。
そして剣を手にすると、村の周辺に広がる森へと向かった――。
この森に来たのはハムラビィを狩るためだ。
そして、この2年間ずっと狩り続けている。
しかしLvはなかなか上がらない。
それでも、やっと6にまで上がったのだ。
結構かかったな――。
畑仕事を終えて森に行き、ハムラビィを狩る。
僕はこれを毎日続けている。
この生活を始めた2年前は、それはもうしんどかった。
大体、一日2匹も狩れればいい方だったか・・・。
だが1年が経つ頃には、それが5匹に増えた。
そういえば総合ギルドに登録したのも、丁度この時期だったっけ。
この村では12歳になると、その登録が許される決まりになっている。
うん。
今思い出しても、あの日は本当にワクワクしてたな。
前の日もあまり寝付けなかったのを覚えている。
それから一年が経ち――。
今ではハムラビィを一日10匹は狩れるようになった。
かなりの進歩だよね。
「よし。10匹目っと!」
そろそろ辺りが暗くなる頃だ。
「急いで戻らないと。」
僕は急いで村へと戻り、家に到着すると夕飯の仕度を始めた。
いつもと変わらないパンとスープのメニューだ。
――。
「ごちそうさまでしたっと。」
食事を終えた僕は、家の庭に出ると剣を振り始めた。
これもいつもの日課だ。
2年間欠かさず剣を振り続けている。
――が、一向に上達の兆しがない・・・。
ギルドに行っても、そんな今の僕にできる仕事はなかった。
唯一できることはハムラビィを狩ることだけ。
その討伐依頼だけは達成できている。
うん―。
それでも、できることをやろう――。
やり続けることに意味がある。
今の不遇な環境だって、変えられるはずだ。
そう。
きっと、変わるはずなんだ――。
それを信じて、僕は毎日剣を振り続けた。
☆ ☆ ☆
「ん――。朝か。」
目を覚ますと、いつもの流れから食事を済ませて畑に出かける。
今日も頑張ろうか!
畑に着いた僕は、時間を無駄にはせず。
一心不乱に耕し始めた。
――。
3時間ほど経った頃だろうか――。
「エリックーー!」
「エリックー」
ん。僕を呼ぶ声が聞こえる。
手を止めると、彼女たちに声をかけた。
「やあ。ミリィ。それにルーネも。」
幼馴染のミリィと村長の孫娘ルーネだ。
彼女たちは、よくこうして僕に会いに来てくれる。
「エリック。これいつもの。ちゃんと食べてね。」
ミリィが持ってきてくれたパンを僕に渡す。
ほんと、ありがたいな―。
「いつもありがとう。後で、兎の肉持って行くね。おばさんにもお礼を言わないと。」
「うん。」
それから僕はまた畑仕事へと戻り、彼女たちはしばらくそれを見ていた。
これもいつものことだ。
でも彼女たちが楽しそうにしてるから、それでいい。
こうして来てくれると僕も嬉しいしね。
彼女たちが帰っていった後も、しばらく仕事を続け――。
昼食の時間になると僕は部屋へ戻った。
【エリック11話終了時のステータス+α】
エリック <―――>
男 13歳 健康
職業:冒険者Lv6
ギルドランク:9級
討伐した魔物と数:ハムラビィ4088匹