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1話 おり立って異世界
眩しさからゆっくりと目をあける。
上半身を起こし周囲を確認する。
どうやら俺は外で寝ていたようだ。
まて―
昨日はベッドで寝たはずだ。
しかも外って。
うーん。
ここはどこだろうか。
わが家の近くでもなさそう。
こんな場所見たことない。
一つ大きく息を吐き
「よし。整理しよう」
まず今の状況だ。
いくつか考えられるが、第一に誘拐説。
これはないだろう。
自分の体を見ても特に異常はない。
服にも目立った汚れはない。
もし誘拐されていたら何らかの兆候はあるだろう。
第二に夢遊病説。
これも可能性は低い。
18年生きてきたが、そんなことは一度もなかった。
第三に異世界転移説。
WEB小説を読むことが日課の俺にとって一番あってほしい展開。
だがそんなことは起こるはずがない。
ないはずなんだ――
でもあるんだよ。これが。
視界の左上にゲームでよく見るようなシステムウィンドウ。