惑星への旅立
一、身体の進化
あの恐ろしい地殻変動から、奇跡的に生き残った、5人の子供達は、今まで食べていた米や麦、それに野菜などが底をつき、野原に生えている、野草や花、それに木の実などが、主食となっていたのである。
最後には、ネズミや爬虫類なども食べる事もあった。
無我夢中で苦難に耐え、乗り越えて生きてきた事から、一年も一日の如き速さで時が流れて、数十年が過ぎたのだろうか、身体は成人に成長していたのである。
そのことから、毎日の食料収集の行動が日常生活となり、主に空を飛び回ることから、体型も変わってきたのである。
二の腕の、肉の部分は、平たく皮が広がり「ムササビが」手を広げた程にもなった事から、もう犬かきボードは、必要が無くなったのである。
下半身も、海に潜って魚介類をとることで、足も鍛えられ、太ももの部分は、脂肪が落ちて、干しイカの様な太ももとなり、身体全体がムササビを一回り大きくしたような、そんな体型に進化したのである。
そんな、身体に進化したことから容易に、空を飛んだり、川や海でお泳げる様になったのである。
二、惑星への出発
洞窟の生活が、数十年続いて慣れたせいか、それとも飽きたのか、淳二が語り始めた。
これから「地球探検を始めよう」、英二が言うように惑星の何処かに、地球が衝突したなら、何か新しい発見が出来るに違いないと言う。
その話は、何か胸騒なのか興奮なのか、皆んなをドキドキさせたのだ。
利郎が、「そうだ、そのとうりだ、始めようぜ、これから大大冒険だー」と、奇声をあげた。
光男と日出男が「おー」と大声を挙げ、英二は「いよいよ大探見が始まるぞー」と、大声をあげ、新しい出発を盛り上げた。
早速準備に入り、これから長距離の旅となるため、迷子にならないように、皆んなで話し合ってグループ組織を作った。
利郎が大将となり、英二はサブで、淳二は光男と日出男のグループ長とした。
迷子にならないように、腰に白い布を巻くことで、遠くから見やすいように、発見しやすいように対策を考えた。
それから数日後、気持ちの準備が整ったところで、利郎が、陣頭指揮を取って、上空に舞い上がると、それを追いかけるように、みんなも我先にと、つづいて大空へ飛んだ。
今日の空も真っ青に澄み切っていた。
春の空は、なんと気持ちが良いのだろう、頬に当たって、すり抜けて行く、風の心地良さは、5人の気分を、いっそう盛り上げたのである。




