1-4話 約束
泣き叫ぶは
人の子よ
助かることは
無いと知る
‐オニゴッコ‐
白い短めの髪。
赤みがかった桃色の目。
少し幼い顔立ち。
薄い水色の
現代では見ることが少なくなってきた着物。
その上から羽織っている梅の花が描かれた羽織。
優しそうな笑み。
懐かしい記憶通りの「彼」がそこに立っていた。
何も変わっていない。
あれから何年もの月日がたったはずなのに一つとして変わっていない「彼」に
恐怖が芽生える。
「迎えに来ましたよ」
笑いながら「彼」は言った。
どうしてかわからないが
近づこうとしないところが気味悪く感じる。
逃げ出しても簡単に捕まえられるということなのだろうか。
「迎えって、本当に?」
一歩後退りながら私が聞くと
「彼」も一歩踏み出して距離をもとに戻しながら答えた。
「はい。約束のこと、忘れたとは言わせませんよ?」
同じ笑顔のはずなのに
恐怖しか感じないのは
「彼」の目が笑ってないからだろうか。
「だ、だけど……私達名前も知らないんだよ?」
「今、知れば問題ありません。ちなみに僕は 白梅 葉月 です」
ああ言えばこう言う
ってこんな状態の事を言うんだなと思いながら
言い返そうとしたとき
「何やってんだよ」
大好きな恋人の声が聞こえてきた。