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2-6話 優しい愛
時が流れ
老いたとしても
自分の心は
変わりはしない
‐レンカ‐
私が怯えてるのに気づいたのか
気づいてないのか
白梅さんは優しく微笑み
「さち」
と、私の名前を呼んだ。
ゆっくりと視線を白梅さんにあわしてみる。
顔が近すぎて
すぐにそらしてしまったけど、
白梅さんは気にしてないと言うかのように
優しく微笑み続けている。
白梅さんは私の髪を手に巻き付けては
離してを繰り返し遊びながら
「愛してますよ、さち」
と囁いた。
いつも突然言われる
それに私が恥ずかしさを感じていると
白梅さんは何を思ったのか
髪で遊んでいた手を私の頬におき
見たこともない目をしながら微笑んだ。
熱のこもった目に
私の中の何かが
逃げろと叫んでいるが
すでに遅かったと思う。