2-4話 自業自得
苦しむときも
悲しむときも
いつだって
きみのそばにいたい
‐レンカ‐
ぎしりっと音をたてて軋むベッド。
そこに押し倒されている状態の私の目の前にはにこりと
いつも通りの笑みを浮かべる白梅さんがいる。
どうしてこんな事になっているのか私はまったくわからないでいた。
少し前に時間を戻して考えてみよう。
今日と言う日もやはり
いつも通り外に出してもらえない日だった。
毎日、家の中にいろ
と言うのは何とも退屈なことで
そろそろ外に出て遊びたいという思いもでてくる。
だが知らぬ土地で一人で放り出されてもどうしようもないと今さら気づく。
どうして一週間前にそれに気づかなかったのは
どこかに置いとくとして
つまり私は今日、逃げ道を探すのではなく
逃げ道に役立ちそうな地図などがないか探すことにしたのだ。
だが、私はこの時
白梅さんに
見つかることを少しも考えていなかったのである。
。
本棚や机、箪笥に押入れ。
どこを探しても地図らしきものはでてこないから
私が諦めようとしていたとき
「何をしてるんですか?」
綺麗なアルトの声が私の後ろから聞こえてきた。
びしっと体が強張る。
その声が今、一番聞きたくなかった声だったからだ。
「し、白梅さん………」
小さく呟いた声なのに
「はい、何ですか?」
と律儀に答える彼に何も言えなくなる。
すぐに居心地の悪い沈黙が流れた。
先に沈黙を破ったのは白梅さんのほうだった。
「そういえば何を探していたんですか?」
今、最も聞かれたくないことを白梅さんは聞いてきた。
私はあまり上手に嘘をつけるわけではなく
私の企みがばれたあと
白梅さんのとった行動が
今の状態に繋がる。
つまりよく思い出すと
私の自業自得だった。