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白梅の鬼ここめ  作者: 音琴 鈴鳴
改変前
12/29

2-3話 歪んだ愛

白梅さん視点。

長い話になりました。


赤い花を


体に散らし


逃げれぬようにと


鎖をつけよう



‐レンカ‐




彼女を最初に見かけたのは


僕達が住む森で迷子になっている姿でした。


迷子になって不安になっていたのでしょう。


小さな体を震わせ、涙を流している姿は


どこにでもいる子供のようにも思えました。



だけど、それは思い違いだったのです。


彼女は

他の子供達のように大声で泣き叫ぶのではなく


泣き声を出さないようにと唇を噛んで我慢していたのです。



子供らしくない子供。



それが彼女の第一印象でした。


「………おかあさん………おとうさん………」



そう口にだしながらも


彼女は回りを見ることすらしてませんでした。


特別なものだけにしか


心を動かさないとでも言うのですか、彼女は絶対に信じていたのでしょう。


親が迎えに来るのを。


やはり彼女は子供らしくない子供だと


僕は心の中で思った反面


その姿が余りにも


可愛らしいと思ったのです。


世間一般から言われる子供と違い


真っ白なままの彼女。


きっと将来、大人になったとしても変わらないであろう彼女を考えただけで


その特別になりたいと


その子が欲しいと


心が叫んだ。



まだ細い足に足枷をつけて


牢屋に閉じ込めて

愛を囁くのもいいかもしれないですが


今ここで彼女を縛り付けるのはいけないと考え直しながら、

僕は友が言っていた言葉を思い出しました。


「言葉には魂やどる。だから、気おつけろ」

今、思えばどうして


そんな事を言われたのか

忘れましたが


その言葉のおかげで


約束してしまえばいいんだと気がついたのです。


言葉に魂がやどるなら


約束を了承したとき、契約が結ばれるはずだからです。


だから、僕は彼女にこう言いました。


「僕とある約束をしてくれるなら助けてあげますよ。どうします?」


と。彼女は絶対に頷くとわかっていました。


これで彼女は僕のもの。




あれから、

彼女が16になるのをどれほど心待ちにしていたのか自分にもわかりませんでした。


やっと手にいれた彼女。


逃がさないようにと


囚人のように閉じ込めて


誰にも話しかけないよう


誰も見ないように言い聞かせ


永遠に


僕しか必要としないようにしてあげましょう。


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