表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
C型血の少女は、誰も救わないと決めた  作者: くじら


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/81

第40話:聞こえる夜






 家の中の笑い声。

 食器が触れる音。

 玄関のドアが閉まる、かすかな気配。


 ――そして。


「……あぁ、お父さん?」


 その声だけは、やけにはっきりと聞こえた。


 黒瀬は、家の外でスマートフォンを耳に当てたまま、足を止める。

 本当は、電話なんてかかってきていない。


 ただ少し、空気を吸いたかっただけだ。


「その件なら……順調」


 明るい声。

 作られたほど、自然な声。


《ナンバーエイト。期日は残り一週間だ》


 低く、機械みたいな声が、夜気に紛れず届いた。


 ――その瞬間。


 澪が、こちらを見た。


 目が合う。


 一瞬だけ。

 ほんの一瞬。


 なのに。


 澪は、にこりと笑った。


 まるで、

 **聞いていることを知っているみたいに。**


 黒瀬は、その視線から、反射的に目を逸らした。


 胸の奥で、嫌な音が鳴る。


(……聞こえすぎるのも、考えものだな)


 冗談めかして、そう思う。


 けれど。


 その夜から、

 黒瀬は何度も思い出すことになる。


 あの声。

 あの言葉。

 そして――残り一週間。


 選ばされるのは、

 まだ先の話のはずだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ