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C型血の少女は、誰も救わないと決めた  作者: くじら


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第42話:二重の血





透の胸の中のアリアが居心地悪そうにフルッと震える


思ってたより抱き締める腕に力が入ってたみたいで、透は誰も居なくなった墓地でポツリ呟く


「ごめん......ごめんね。アリア」


その静かな謝罪に何の意味が込められてるかなど、幼く変貌を遂げたアリアには届かなかった。


しかし、そんな2人を見つめる瞳


タイミングを見計らったように現れたその存在に透は気付かない


「その謝罪は何の謝罪?」


突然掛けられた言葉に透は身体を揺らし、即座に距離を取る


「あぁ、驚かせたか?すまない」


「......誰」


この場合、現れる人物など危険人物以外の何者でもない


「.....誰?今誰と聞いたか?」


うーんと、考えながらその人物は顎に手を当て考える


「そうだな俺はゼロとでも言おうか」


そう言って黒いフードをパサッと取る


そこから現れたのは見た事もない男


浅黒い肌、彫りの深い顔立ち。そして黒い瞳はどこか生気を感じない瞳


「.......随分と強い誓いだったな」


低く掠れた男の声は少しだけカタコトで、外見から想像した通り外国人だろう


透は明確な警戒態勢を取る


「それ以上、近づかないで」


「へぇ......アンタに何が出来る?今日1日ずっと見てたけど


アンタ、今日1日なにした?」


その言葉に透は何も言えなかった。


「アンタも俺と同じなんだろ?」



ジッと瞳を見つめられ透は目を見開く。


「俺には隠せない......アンタは.....治癒?へぇ......当たりか......」


鼻で笑うゼロ。


「結構強い血だな........でも戦闘向きじゃ無い」



そう言いながら笑うその人


「治癒は助ける事は出来ても、攻撃は出来ないもんな?」


一歩近付き瞳を覗き込んでくる



「透って言ったか?」


名前を呼ばれビクッと硬直する


「I'm telling you this, and only you.」



突然の英語に一瞬何を言われたのか分からなかった。


「待って、今.....なんて?」


クスリと鼻で笑うゼロの言葉はもう聞けなくて


「ふっ.......ふっ.........ふぎゃぁぁぁぁん!」


突然けたたましく泣き出したアリアによって


「はは...... I'm telling you this, and only you.」



「ゆっくり.....ゆっくり話してっ!」


この時ほど英語の成績が悪い事を呪う


ゼロが透の目を覗き込む。


「……なるほど」


一瞬、影が揺れる。


「アンタ、自覚ないのか」


透の鼓動が跳ねる。


「アンタは俺と同じ―――2つ持ち」


耳に落とされた小さな呟きは確かにそう言った。


「血の流れが二重だ。面白い」


そして去り際に、


「気をつけろ。2つ持ちはな——壊れやすい」


それだけ言って、ゼロは暗闇に歩いて行く。


「時間だ、透、また会おう」


そう言って男は消えた



「........2つ......持ち?」


腕の中のアリアが指を咥え涙を浮かべる


「透さん、お迎えに上がりました」


そう言って現れた久しぶりのその顔


「......エリス」





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