無題
たすけて、と
叫ぶ言葉に羽根を授けて
誰に飛ばそう
小鳥は どこへ行く
ただ 羽根を休めたかった
不器用で
うまくいかなくて
心を開け なんて
ひとは簡単に言うけど
大したことない、と、たかをくくってる
ほんとうは、受けとめる覚悟もない
容量を、こえるいたみは
底知れぬ闇を見たみたいに
遠ざけるくせに
勝手だ
あなたも
わたしも
たすけて、と
叫ぶ言葉に 羽根を授けて
青空にとんだら
落雷で海に落として
しあわせは続かない
それなら、ひとおもいに
たすけて、と
叫ぶ言葉は
誰にも届かなくて
途方にくれるけれど
そんなことを思っても
現実は続くのだろう
たすけて、と
紙に書いて
丸めて、窓から棄てた