3日づけの魔法学生試験
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「試験終了!」
合図と共に答案用紙がしゅるるっと先生のもとへ集まっていった。流石、魔法の世界だ。無駄がない。
皆の様子がげんなりとしていた。
皆いわく、「全然初等科レベルじゃなかった」らしい。まあ、試験終わった後は皆「難しかった~。」って言うから信用できないんだよな。
ちなみに、初等科が何なのかもよく分かっていない俺からすれば普通に難しめのテストだった印象だ。
隣のスタンシーは笑顔だった。
様子を聞くと、「思ったよりいけた!」とのことだった。
10分後に先生がやってきて、
「これより実力試験の返却を行う!」
採点はやっ!魔法の力、すごいな。
そして、一人一人に答案が返却された。
ぶっちゃけ点数を見ても良いのか悪いのかよく分からなかった。
隣の席のスタンシーは、自分の答案を見て固まっていた。
「どうした……?」
「や、やばい。全部赤点だぁ……。」
見ると10点代、20点代のオンパレードだった。ど、どんまい!
「うう……ちなみに、ブルーくんは何点……?」
スタンシーに自分の答案を見せると、
「え!すご!全部90点以上!?」
と大声で叫ばれた。いや、初等科レベルならこんなものじゃないのか!?
教室がざわついた。
「田舎出身のあいつが……?」
「実は名門初等科出身なのか……?」
え、そんなざわつく点数なのか、これ。
というかもしかしてクラスのほとんど全員同じ初等科出身か!?確かに皆、顔見知りっぽい雰囲気を出してたけど、少し寂しいぞ!?
「うむ、ブルー・チャートは成績が圧倒的に1位だったぞ。初等科でよく頑張ったんだな。」
いや、3日間頑張っただけなんだが!?
そこで、俺は前世の記憶が少しよみがえった。
俺は、自慢ではないが偏差値の高い中高・大学出身だ。そしてそこでもかなりの成績を修めて就職したのだ。
そうだ。俺は学歴だけは誰にも負けないんだった。
それはつまりテストの点を取ることだけは上手いことを意味する。そのために魔法の世界でもよい点数を取ることができたのだ。
やばい。魔法なんてほとんど使ったことがないのに急に優等生になってしまった。なんというプレッシャー!
しかし、俺がその日ヒーロー扱いを受けたのはこの時だけだった。
実技試験があったのだ。
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