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リリアンローゼ

リリアンローゼ〜乙女系ラノベの世界に転生した私はモブ令嬢〜

作者:

初投稿です。暇潰しに読んでいただけると嬉しいです。


2023/06/23 家名を各々変更しました。ちょっとした出来心です。後悔はしていませんが、小心者なのでビクビクはしています。

2024/03/20 一部内容を訂正しました



「ロザリーナ! 貴様との婚約は破棄する!」


 柔らかな陽の光が降り注ぐ昼下り。ガーデンパーティー真っ最中の庭園には似つかわしくない不穏な宣言が響きわたった。

 自信に満ちた表情で言い放った高貴なるかの方の傍らには空色の神官装束を纏った少女が不安げにその身を寄せています。


 この状況、「頭痛が痛い」ってヤツね。

 誤用なのになんて的確に心情を表す言葉なのかしら。


 ごきげんよう、皆様。わたくしはディアナ・ウィンティックと申します。父が公爵位を賜っておりますので公爵令嬢、ということになりますわ。今は。


 わたくし、いえ私、実は異世界からの転生者なんです。


 大卒社会人四年目、ブラック企業じゃなかったけど繁忙期の折に体調悪いのおして仕事してたら頭ガンガンしだしてそのあと気がついたら幼児になって豪華なベッドで寝てました。死因? 知らないけど、良くてクモ膜下出血、悪くて過労死?


 ひとまず私のことはおいといて。いまは王太子による婚約者への断罪劇真っ最中でして。忌々しいことに。


 いま婚約破棄を宣言したのはこのロゼスティリア王国の第一王子にして王太子、アーサー・ホーマック・セーラニーズ殿下。御年20歳。その隣りにいるのは聖女、セイラ・イソハラ。自称16歳。そして婚約破棄を宣言されたロザリーナとはロザリーナ・クラレー伯爵令嬢。先日18歳になられたばかりと記憶してます。


 え? なぜ公爵令嬢の私でなく伯爵令嬢が王太子の婚約者なのか? なぜ婚約破棄宣言だけで断罪劇といえるんだ? 聖女、召喚者なのか? って、アナタさては乙女系ラノベの読者ね。


 私と同じ。


 そう、ここは私が前世で好きだった異世界転移系ラノベ「リリアンローゼ〜女神に捧げる聖女の歌声〜」ととても良く似た世界。

 異世界からやってきた聖女が悪役令嬢のいじめに打ち勝って歌で人を癒やして女神を喚び出して魔王を倒して世界を救って王子様と結ばれるって割とテンプレなストーリー。

 もともとネットの中編小説で完結済みだったんだけど、書籍化したときにエピソードもシーンも増えて人気になってアニメにまでなってしまった。しかもアニメで人気女性声優が主人公を演じて歌ってたものだから人気も出るよね。


 そんな記憶を下敷きに、このよく似た世界でキャラクターと同じ名前のビジュアルもそっくりな人たちがいる。


 私? しがないモブキャラだよ。だって、ストーリーに絡まないし。


 金髪碧眼の王子様が黒髪ストレートの聖女をその背に庇い、金髪巻髪悪役令嬢の非道な行いを断罪するというこれがあの最初のクライマックス、のはずなんだけど。


「王太子殿下、殿下のお気持ちはわかりましたわ。ですが、その理由をお聞きしても?」

「決まっている、貴様がこの聖女セイラに非道な行いをしたからだ!」

「非道な行い、とはどのような?」

「しらばっくれるつもりか!? 『品位がない』『知性がない』『感性が疑われる』とことあるごとにセイラを罵倒したそうではないか!」

「『王宮内ではお静かになさってください、品位がないと思われますわよ』『そのような話し方では知性がないと思われてしまいますわ』『お化粧や身に付けるものは御自身にあったものをお選びになって。感性が疑われますわ』とは申し上げましたわ」

「同じことではないか!」

「そぉなんですぅ〜、ロザリーナさまはああやっていつも私には冷たくあたるんですよぉ〜!」

「おお、セイラ! たった一人でこの世界に墜ちてきたそなたになんという心ない言葉をかけるのか。あのような女がやがて王太子妃となり、王妃となるなどやはり我慢ならん!」


 なにこの小説と全く違う出来の悪い学芸会。

 たしかこのシーンは王宮で行われる舞踏会だったはず。

 それになにより聖女セイラ、話し方も態度にも品位も知性も感じられない。これはロザリーナ様に賛同するわ。


 私も去年まで滔々と言われ続けたわぁ〜。


『ディアナ様、背筋はもっとビシッと伸ばして』

『今の発言は貴族令嬢としてありえません』

『こちらの茶葉にお砂糖は不要です。お客様をお迎えになる前に下げるよう指示すべきです』


 マナー教育、厳しかった。本を頭の上に載せてまっすぐ歩く訓練とかモデルさんのやることかと思ってたけど、あれ貴族令嬢みんな避けて通れないんだって。


 ビジネスマナーとか接客研修とかも受けてたし、なんとかなるわっ! とか思ってた今世の6歳の自分、あなた甘いわ! って叱りつけてすぐさま教本を読ませたいレベル。

 ついでに歴史の本もね。言語関係はほとんど各国変わりないから問題ないけど、


 なんでそんなことが、必要かって?


 国民の身になってみましょう。


 国の偉い人たちがヘッポコだったらその国に住み続けたいと思う?


 例えば、他国のマナーを知らない外務官を輸出入の交渉に向かわせられる?


 階級社会だって国民あっての国なんだよ。


 そして、この世界では王族は国主でなく代行でしかない。


 国は神のもの。

 王族は神が指名して民を治め導く代行者で、間違ったことをすれば神罰が下ってすぐに別の貴族が王位に就くだけと伝えられている。


 このロゼスティリアは女神ルーエの、隣国リリエントは女神ライラの守護国。

 ちなみに聖女セイラは異世界人だけど召喚されたわけではなく、異世界からの迷子。ここ、ファンタジーな世界だけど、異世界から何かを召喚できるような技術も魔術もないし。


 セイラ・イソハラが聖女と認定されたのは彼女が歌った「歌」のせいらしい。

 最初は珍妙な格好をした意味不明なことばかり話す娘、だったらしいけど「歌」に力があるってわかったんだそうな。浄化と治癒の効能が認められて聖女認定を受けたんだって。


 すべて伝聞なのは宰相補佐の父から聞いた話だけで、私が見聞きしたものではないから。宰相補佐って、実は何してるのかよく知らないけど、私が知らないのは単純に教えてもらえないから。


 ディアナ・ウィンティック、こうみえて14歳なんですの。


 この国の成人は男女とも15歳だからギリギリ未成年なんだよね。


 王太子の婚約者が公爵令嬢の私でなく伯爵令嬢のロザリーナ様になったのはこの年齢差も一因。私が生まれる前に決まってしまったというワケね。

私にとっては幸いだったわ。


 だって、他所様のパーティーで婚約破棄の断罪劇繰り広げるようなアホ王子の婚約者にならずに済んだもの。


 そう、この場は我がウィンティック公爵家主催のガーデンパーティー。


 ウチのパーティーで見事やってくれちゃったわけですよ、このアホ王太子は!


 なんでそんなの招待したかって?

 招いてないよ。招いたのはあくまでもロザリーナ様。婚約者だからあのアホがついてくるのはしかたないと思ってたけど、なにやら理由つけて聖女同伴で来やがった。


 はじめからここでやるつもりだったんだろうなー、婚約破棄〜。


「殿下、これ以上は場所を移してお話いたしましょう」

「フン、貴様の性悪さを大勢の前で曝されたことを恥ずかしく思ったか?」


 いや、どちらかというと自国の王太子のアホさ加減を他国からの賓客に曝してしまったことを恥じていますけど。


「この際だ、王太子の名の下に貴様を国外追放にしてやる!」


……はぁ?


 王太子にそんな権限あった?


 しかも国外追放って、どんな重罪人でも裁判や調査もなしに下されるものじゃなかったよね?


「殿下、あまり身勝手な振る舞いをされますと、そろそろ女神ルーエのお怒りが」

「なにが女神か! セイラをこの地に招きながら何の沙汰もなく、貴様からの非道な行いからも守らずに放置しつづけておるではないか! そもそも女神ルーエなどおらんのではないか?!」


「あ」


「は?」


 マジか、とうとう言っちゃったよあのアホ。


『ごめんね〜ディ』


 声が聞こえたと同時に小さな光球が目の前に現れた。


 これは…女神ライラ?


『ルーエ、もぅちょー怒ってて〜、もう抑えきれなかった〜。テヘ』


 私に話しかけているのは何を隠そう女神様。ただしこの国のではなく隣国の守護女神ライラ。


 ちなみにこの会話は思念で、口調は私の頭なのか心なのかが変換しているイメージのようなものなので、女神ライラはこんな天然丸出しな方ではないはず。うん、はず。


『もう無理〜。依り代に降臨して自分の手で裁くんだーって』


 女神、降臨…いや、実はすでにここに女神ライラ来てるけど。

 あれ? 女神ルーエの依り代って、誰?


『あー、ディは知らなかったか〜。あそこにいるよ〜』


 女神ライラの意識をたどると、聖女セイラがいた。


 え、あれ? りあるに?


『あはは、まさか〜。あんなんにルーエが降りたら、あれ爆散しちゃう。その横横〜』


その横には、俯き気味のロザリーナ様。


「      」


響き渡ったのは短いけど美しい旋律。

これは、この世界の古い言葉で女神をその身に降ろす召喚歌だ。


“我が元へ来たれ”


『そ、彼女こそ当代の依り代兼聖女なんだよ〜』


 びっくりだよね〜、と女神ライラが笑う。

 まって、いまなにかまた違う爆弾投げられた気がしたけど。


兼、聖女?


 召喚歌が終わった瞬間、熱を伴わない紅い光の柱がロザリーナ様を中心に天へ立ち昇った。光が収まったのち、その場で立っていられたのはロザリーナ様と、私だけ。


「愚かな王子よ。遥か昔に吾がこの地を治めるよう任じた血筋の裔よ。吾への暴言はしかと耳にしたぞ」


 真紅の光が今もゆらりとロザリーナ様を取り巻いている。揺らめく炎のようだ。

 ロザリーナ様がゆっくりと顔を上げる。その瞳も、真紅。

 あれが、女神ルーエ降臨の証。


「そなたたち王家の家名がなぜロゼスティリアではないのか、考えたことはないか?」


 真紅の瞳が腰が抜けてへたり込んでいるアホ王太子をひたとみすえる。


「な、そんな、こと…」

「そなた、王族を名乗りながらこの国の興りすら知らぬとは、情けないにもほどがある!」

「き、貴様! たかが伯爵令嬢の身分で王太子である俺を侮辱したな! 不敬罪だぞ!」

「まだわからぬか! 今の吾はロザリーナではない! 吾が名はルーエ! たかが王太子ごときが、片腹痛いわ!!」


 神威を込めて放たれた怒声に居合わせた人々は悲鳴を上げることすらできず只管ひれ伏すのみ。


 これぞ断罪劇だわ。

 女神自身で一人の人間を裁くとか。過去あった?


『ないねぇ〜。これはもう王家交代か、最悪この国がなくなるかなぁ〜』


 うわぁ、それはどっちもなんとか避けたい!


『うん、リーナも同じことを思ってるみたいだけど、今のルーエがきいてくれるかどうか。私の話も聞こうとしないし』


 姉である女神ライラすらガン無視?


 この世界があのリリアンローゼの世界とは似て非なることは、知ってた。


 聖女が倒すべき魔王はいない、だから世界を救う必要がない。


 なのにいま、異世界から来た聖女だけがいる。だけど、その聖女は、女神の依り代ではない。


『ディ、聖女と依り代は本来別だよ〜。だからアナタは私の依代だけど聖女じゃないでしょ?』


 うん、知ってる。私は知ってるけど。

 基本、知らない人のほうが大多数で、それは彼女も同じだった。


「待ちなさいよ! あたしが聖女なのに、女神は聖女の呼び掛けに応じてあらわれるのでしょ!?」


 聖女セイラが立ち上がって批難しだす。

 眉間にシワがより、眦が吊り上がっている。どう考えてもこっちが地だ。猫被ってたわけだ。


「どうして私じゃなくてそこの悪役令嬢のところにくるのよ! おかしいじゃない!!」


 ロザリーナ様、否、女神ルーエは何も言わない。アホ王子へ断罪していたときとは打って変わった静かな眼差しで聖女セイラを見つめている。


「この国を守って王子と結ばれるのはあたしなのよ!」


 たしかにそれは「リリアンローゼ」のストーリーだ。やっぱり彼女は「リリアンローゼ」を知ってる転移者だったか。

 だからストーリー通りに動こうとしていた。

 でもここは、この世界は違うのに。


 聖女に女神は降臨しない。

 依り代は歌で誰も癒せない

 悪役令嬢は聖女をいじめない。

 王子はただのアホ。

 魔王は、いない。


 なのに。


「『何から、この国を守るというのですか?』」


 私の口から私のものではない声がこぼれ落ちた。

視界が妙に俯瞰的になる。ドローン映像みたいな気分だ。

 これが、女神ライラの降臨?


『意識が同調したせいで召喚歌なしで現界できちゃったか〜』


 ああ、同じことを考えたから。


「聖女セイラ、でしたね? あなたは2つ間違っています。一つ、女神は聖女の呼びかけには応えない。妾ら神が人の身へ降りるのは妾らの声を伝える必要があるときのみ。そして、それは聖女ではない」


「な、にを」


「二つ、聖女はただ我らへ祈り、人々を歌で癒やすのみ。この国を守るは聖女ではない」


「何言ってんのよ! 歌で人を癒やして女神を喚び出して魔王を倒すのよ! 私と王子で!」


「魔王とは、何者か? この世界にはそのように称するものは存在しない」


「さっきからわかんないことばっかり! あなた、一体誰よ!?」


「妾の名はライラ」


 あら?

 あの真正面にいる男の人は、たしか隣国の貴族だっけ? うわ、イケメンの顔が蒼白になってる。女神ルーエに続いて女神ライラの降臨だもんね。驚くよね、そりゃ。


「吾らが現世へ降り立つときは依り代となる娘の身へ降りる。依り代と聖女は本来異なるものだが、この娘ロザリーナは聖女であり依り代である類稀なる存在。そなたのような紛い物には到底及ぶものではないわ」


 紛い物? セイラ・イソハラは聖女ではないの?

 彼女の歌には癒やしの力があったって聞いたけど。


『アレはね〜、歌声にじゃなくて歌自体に力があったんだよね〜。だからリーナがあの歌を歌ったら瀕死の人間も飛び起きるよ〜』


 女神ライラが思念で教えてくれる。

 聖女セイラが歌った歌。それはやっぱりアニメの主題歌だった。

 力ある歌って、すごいね「リリアンローゼ」。人気が出る理由がここにもあったのか。もしかして、人気になったから、なのか?


「ま、紛い物? 私が紛い物ってそんな、い、い、いやぁぁぁー!!」


 聖女セイラは絶叫してその場に崩れ落ちた。

 まるで操り手を離れた人形のように、涙で濡れた顔で天を仰いだ状態で。


「そこの迷い子については後で沙汰するが、まずはこの愚か者から」


 真紅の瞳に気圧された王太子はヒィィと情けない悲鳴を上げて後退る。自業自得だって。


「さて、よくもまぁ、吾に仕える王族でありながらああも吾のことを言えたものよな。そのようなものらに吾の国を任せてはおけぬ」


「ルーエ、では久方ぶりに王家が替わるのか?」


「ああ。古き世には血筋が絶えてやむなく替えたことはあったが、このような仕儀は初めてのことだがな。さて、他にこの国を治めるのに似つかわしいのはどの血筋か?」


 こちらを見られた気がする。え、嫌な予感とともに、なぜか視界がぼやけてきた。


「ルーエ、そろそろ…」

「わかっておるよ、ライラ。沙汰は城にて下す。逃げられぬよう」


 耳鳴りのようなキィンという音とともに私の意識はあたたかな闇に溶けていった。


◆◆◆


 次に気がついたのは、やはり寝台の上だった。ちなみに、あの断罪劇からは2日経っていてすべてが決着していた。


 アホ王子とロザリーナ様の婚約は破棄でなく解消という形になった。

 現王家も条件付きだが存続、ただしアホ王子は廃嫡の上平民となったらしい。しかも王家が立て替えたロザリーナ様への慰謝料を稼ぐために漁業または農業に従事するんだとか。


 ロザリーナ様は、なんと第二王子と婚約し直すのだそうな。第二王子が新たに立太子した暁にはそのまま御成婚の運びとなるらしい。

 女神ルーエの怒りはすさまじかったが、第二王子のトーマス殿下との問答でどうやら殿下を次期国王とするなら、という条件で王家の存続を認めたそうだ。

 殿下は私と同い年だけど、割と目端が利いてソツがない方。いまはロザリーナ様と年齢差や体格差があるけれど、二年もすればそれも気にならないレベルになるはず。


 そして、聖女セイラ。

 彼女は元の世界へ帰還した。

 正しくは強制送還。

 このままでは幽閉か処刑かどちらかにしかならない。こちらでの行いはよろしくないが、さすがにただの迷い子を処刑してしまうのは哀れにすぎる。

 

 と、いうことにして女神ルーエと女神ライラが力を合わせて記憶をデリートして還したんだそうな。


 そうして二柱の女神が混乱と遺恨を残さないようにして天へ還っていったのは今朝方だそうだ。


 伝聞なのは(以下略)。

 この幼い身体が憎い!

 私が意識を飛ばした理由はどうやら肉体が未成熟なため、長時間の女神降臨に耐えられなかったらしい。

 めったにないことだから全部見届けたかった。


 さて、その私はというと。


「ウィンティック公爵令嬢! ぜひ私の婚約者になってください!!」


 10も年上の男に求婚されています。

 この方の御名はサイラス・ドナルド・アロン。隣国リリエントの王弟殿下だ。

 あのガーデンパーティーで女神ライラの降臨に驚いていた顔面蒼白イケメンだ。ウチのバカ従兄にくっついて来たらしい。もちろん身分を隠して。

 コイツもコイツで厄介なことをしてくれたものだ。

 王弟、といっても隣国の国王陛下は即位したてで、まだ20代だったはず。この王弟殿下も20代前半だったと記憶している。

 とはいえこちとら未成年! 前世でいえば社会人なりたてか大学生が女子中学生に結婚をせまってるようなもの。ありえない、ありえない!


「女神ライラの依り代たるわたくしを貴国へ招くためだけに婚約を、とおっしゃいます?」

「いいえ! それはもちろん、我が国リリエントは女神ライラが治める国。逆に考えればなぜロゼスティリアで貴女がお生まれになったのか疑問ではありますが、私が貴女に求婚する一番の理由は」


 なぜロゼスティリアで、にはぎくりとしたがそれはまた別の話。次の言葉に私は心底殴ってやりたくなった。


「あなたの愛らしさに惚れたからです!」


 このロリコン! 鼻息荒く迫るんじゃない!


 名もなきモブキャラのはずなのに、なんでこうなったー!?

読んでいただきありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 楽しく読ませていただきました。 結構、沸点の低い女神様達なのに、キツいざまあをせずに円満解決したところが良いですね。 作者様のお人柄でしょうか。優しい。 [気になる点] 王弟殿下 お国の…
[一言] 王弟とくっつかないなら、続きが読みたいなー ロリコンに屈しないで欲しい。 自国で数歳の年齢差で、王子の婚約者を逃れたのだから、10歳上は無いね。。
[良い点]  むちゃくちゃ面白かったです。 続編があったら読みたいです。  ラストの隣国の王弟殿下のプロポーズには笑いました。  女神様達も怖いけど、お茶目で話のわかる所があって良かったです。
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