表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

−「笠木 結」の物語 2 −

「結ー、ここじゃない?」

「かな?チラシのマークは確かにここみたいだけど…」

「なんか、ボロいビルだね。」

「そうだね。」

「行く?」

「うん。怖いけど、行ってみよう。」



「あ、多分ここだ。扉に晴れる屋って書いてある。

 結、ほんとに平気?」

「私は大丈夫。希こそ、帰ってもいいんだよ?」

「ここで結を一人にはできないって。

 ま、もし襲われそうになったら二人で叫びましょ。」

「ありがと、希。それじゃ、行こう。」


…コンコン…


…コンコン…


「あれ、留守かな?」

「あたしに任せてみ?うりゃ!」


ゴンゴンゴンゴンゴン!


ガチャ!


「うるせー…ぐはっ!」


ドカドカ!


「あ、やば…勢いのまま殴っちゃった…ニヘヘ。」

「ニヘヘじゃねぇだろ!この小娘が!」

「小娘じゃないですー!女子高生ですー。」

「立派な小娘じゃねぇか!」

「あのー、大丈夫ですか?」

「どう見ても大丈夫じゃねぇだろ!

 こちとら鼻血も出てんだわ!」

「ごめんなさい、私の友達が…

 悪気は…多分無いんです。」

「多分かい!

 普通初めてのとこはしっとり来るだろうが。

 それに、何で呼び鈴使わねえんだよ…」

「あ、全然見てなかった。めんごっすー。」

「このクソガキッ…

 で、なんだ、冷やかしなら帰んな。」

「冷やかしでは…朝、チラシ配ってましたよね?

 それを見て、ここまで来たんです。」

「そうか、そういや今日の朝変なガキが…

 下の方からニヤニヤしながら顔を覗き込んで…」


ニヤニヤ


「おめえじゃねぇか!」

「当ったりー!あたし、希ちゃんでーす!」

「あぁぁ…なんで俺はこんなガキにチラシを…」

「鼻血が出てなきゃイケメンだったのになー。

 ざんねーん。」

「誰のせいだと思ってんだ!

 ったく…で、そっちの大人しい嬢ちゃんは?」

「あ、はい、私は笠木結と言います。

 あなたのチラシを見て、どうしても来てみたくなって。」

「ほう。ワケ有りか。

 まぁ、いい、入んな。」

「何するの、ケダモノー!!」

「話しが進まねぇんだよ!お前は帰れよ!」

「あたしは結の保護者なので帰りませーん!」

「すげぇうぜぇ…まぁいい、近所迷惑だから早く入れ。」

「はーい。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ