隣り合わせの背中合わせ。
対面するざわめきとやすらぎ。
間をゆらゆら、錆びて色の剥がれたブランコ。
吹かない風に頬杖。
もったいつける歩みに松葉杖。
殺風景にもほどがある、少年期の夕暮れ時。
あらゆる影が焦りに傾き、秘匿の群集は口だけ傾け余裕で笑う。
背中合わせのときめきとわななき。
間でぬるぬる、剰って色の変わったシーソー。
弾まない雨に腕組み。
出し惜しみする生死にわるだくみ。
蜃気楼でも目に余る、老年期の夕暮れ前。
あらゆる影絵が夜へと独走し、自失の群衆は眼だけ歪めて真相語る。
ぎい、ぎい、冷ややかな摩擦で火傷する。
ぎい、ぎい、生々しい摩擦で大火傷する。
ぎし、ぎし、刺々しい摩擦で疲弊する。
ぎし、ぎし、生易しい摩擦で憔悴する。
終わりを待ちきれない帰路はどこに向かう。
始まりを待ちきれない帰結はどこから向かう。
よろこびとかなしみは滑り台の淵で手を結ぶ。
ぎい、ぎい、冷ややかな摩擦で傷つきたい。
ぎし、ぎし、生々しい摩擦で窶れたい。