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どんな悩みも水無月くんにお任せ!!  作者: たかべー
新・相談部始動編!!
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失敗は成長に欠かせない!!  

 失敗という言葉を聞いた時、どんな感情を抱くだろうか。失敗は嫌なことで、恥ずべきことだから、決して失敗してはいけないと思っているだろうか。それとも、人間は完璧ではないから、必ず失敗する。失敗は必然であり、学びや成長には欠かせないものと思っているだろうか。俺は、多くの人が後者の考えであってほしいと思っている。たしかに失敗は嫌な気分や恥ずかしい気持ちを抱くかもしれない。俺も今までたくさんの失敗をしてきたから、その気持ちは分かる。それに。人間は本能的にも失敗を恐れるように進化しているので、失敗が悪いことだと思い込んでしまう。巷では、「失敗を恐れるな!」というキャッチフレーズやスローガンを見たり聞いたりすることがあるが、それはとても難しいことだと思う。人間誰でも失敗は怖いものだし、できれば失敗はしたくないと思うだろう。よって、「失敗を恐れるな!」ということが実際にできる人は、ごく一部の人のみだろう。俺は、「失敗を恐れるな!」とは言わない。失敗を恐れてもいい。それは人間が本能的に抱く感情なので、無理やり抑え込む必要はない。

 だが、もう一つ声を大にして言いたいことがある。失敗を恐れても構わないが、そのせいで、挑戦を諦めるようなことはしないでほしい。なぜなら、多くの人が失敗を恐れて、本当にやりたいことや挑戦したいと思っていることを諦めているからだ。新しいことを始めようと思った時、人は必ず失敗するかもしれないというリスクを考える。そしてそれを過剰に恐れ、恥をかきたくない、バカにされたくないなど気持ちから、結局何もしないという選択をしてしまうのだ。しかし、この考え方はナンセンスだ。

 何度も言うが、人は失敗する生き物だ。失敗しない人なんてこの世には存在しないと、はっきり自信を持って言うことができる。現在、客観的に見て成功しているような人も、その人が歩んできた人生を知ると、たくさんの失敗をしていることが分かる。それはビジネスやスポーツなどジャンルは問わず、すべてのことに言えることだ。たとえば、アメリカの偉大なバスケットボール選手であり、バスケの神様と呼ばれているマイケル・ジョーダン選手が、なぜこれほどまで偉大になれたのか。それは失敗から学習し、常に成長していたからだ。彼は、他のどの選手よりも多くのシュートを打ち、そして多くの失敗をし、学習した。そして愚直に練習を続けた結果として、偉大な選手になれたのだ。

 勉強もそうだ。毎日新しい知識を学び、それをテストで確認する。そしてミスしたところを振り返り、今度は間違えないようにする。何も難しいことではない。単純なことだ。

大切なのは失敗しないことではない。失敗した時に、それとしっかり向き合い、認め、分析し、二度と同じ失敗を繰り返さないようにすることだ。つまり、大切なのは失敗から学び、自身の成長に繋げることなのだ。失敗は、決して恥ずかしいことではないし、悪いことでもない。失敗を認めることは苦しくて、屈辱を感じると思うかもしれないが、そんなことは決してない。むしろ、俺はそのような人を尊敬する。もし、失敗を笑うような人や失敗したことがないと嘘をつく人が身近にいるのなら、その人とは縁を切った方が自分のためになるだろう。無理して付き合う必要はない。それよりも、「失敗は成長に欠かせない!」と考えている人と一緒に過ごそう。マイケル・ジョーダン選手のような偉大な選手は、失敗を恐れていないのではない。失敗を恥じていないのだ。自身の成長に失敗は欠かせないというマインドを持っているので、失敗を当然と考えている。なので、もし、新しいことややりたいことに挑戦しようと思っていながら、失敗が怖くて、なかなか一歩が踏み出せないでいる人は、失敗ありきで計画を立ててみよう。そうすれば、少しは失敗に対する恐れも減るかもしれない。

 しかし、注意しておくこともある。失敗が成長に欠かせないからと言って、なんでもかんでも手当たり次第に挑戦すればいいと言っているわけではない。ギャンブルのような挑戦しても意味のないものもあるし、リスクが大き過ぎるものもある。大切なのは、しっかりリスクを考えて、もし最悪の結果になったとしても、乗り越えることができると思うのなら、挑戦してもいいのかもしれない。


 2月14日は俺にとって大切な日である。なぜなら、その日は牡丹さんの誕生日だからだ。牡丹さんには日頃から世話になっているし、いろんなものを貰ってきたので、感謝の気持ちを込めて、お返しをしようと思っている。では、牡丹さんはどんなプレゼントを渡せば喜んでくれるのだろうか。プレゼント選びについてはいつも言っているが、自分があげたい物ではなく、相手が欲しいと思っているものをあげると、満足度が高いということが分かっている。なので、俺もそこは抜かりなく早めに調査を始めていた。あからさまに尋ねると、牡丹さんのことだから遠慮するかもしれないので、誕生日プレゼントの調査だと気づかれないように、会話の流れで自然に聞くように気をつけた。

 最初に尋ねたのは12月の中旬頃だった。クリスマス会のプレゼント選びについて話している時に、自然な流れで、「牡丹さんは何か欲しいものってあるのか?」と俺は尋ねた。その時の牡丹さんの答えは「みんなとの楽しい思い出…かな!」だった。ということで、1回目の調査は失敗に終わった。

そして、2回目のチャンスは年が明けた元日、牡丹やベルさんと初詣に行ったり、遊んだりしていた時だ。参拝を終えて屋台を見て回っていた時、近くにいた一般客が「私、欲しいものが手に入りますように、ってお願いしたの!」という会話をしているのが聴こえたので、その流れで俺は「牡丹さんは何かが欲しいってお願いしたりすることあるのか?」と尋ねた。その質問に対して牡丹さんは「うん! あるよ!」と答えたので、俺はチャンスと思い、さらに「へぇー、そっか! ちなみに、今何か欲しいものってあるのか?」と尋ねてみた。その質問に対する牡丹さんの回答は「今? そうだなぁ…。今は…たこ焼きが欲しいかな!」だった。俺の言葉のチョイスが悪かったせいで、またしても失敗してしまった。

 3回目のチャンスは、牡丹さん、霞さんとアート鑑賞をした時だった。

「翔くんってこういうアート作品好きなの?」牡丹さんが尋ねてきた。

「ん! まぁそうだな!」

「そういえば、家にも何枚か飾ってたよね! あれは翔くんが選んだの?」

「いや、あれは松…、父が買ってきたものだ! 俺は自分では買ったことない」

「そうなんだ! 買いたいと思ったことある?」

「そうだな…思ったことはあるけど、まだ買うほどハマってはいない感じだな! 観るのは好きだけど…」

「そうなんだぁ!」

「牡丹さんは、こういうアート作品欲しいと思うのか?」

「え!? そうだなぁ…私は、まだよく分からないなぁ」

「そっか! ちなみに、何か欲しいものってあるのか?」

「欲しいもの?」

「あぁ。たとえば、コスメが欲しいとか、オシャレな雑貨が欲しいとか…」

「そうだなぁ……特に欲しいものは……あ! 一つあった!」

「なっ、なんだ?」この時、俺は期待を抱いていた。

「絵心が欲しい!」牡丹さんが真面目に答えた。

「そっか! まぁそうだよな…(そのためにアート鑑賞してるからな)」俺は落胆した。

ということで、3回目のチャンスも失敗に終わった。それ以外でもいくつか小さなチャンスはあったが、どれも失敗に終わった。このままではまずいと思った俺は、別の作戦に切り替えることにした。

 ある日の休み時間、俺は2年C組を訪れ、芙蓉さんを探した。そう、新たな作戦とは、友達に聞く、だ。牡丹さんと仲の良い芙蓉さんなら、何か知っているかもしれないし、同じ女子なら何が欲しいのか、いいアドバイスが貰えるかもしれないと考えた。

「え? 牡丹の欲しいもの? さあ? なんだろう?」芙蓉さんの答えを聞いて、俺は何も言えず、その場で固まってしまった。

そのまましばらく固まっていると、「え? なに? 水無月くん、もしかして牡丹の誕生日プレゼントを考えてるの?」と芙蓉さんが尋ねてきた声が聴こえたので、俺は我に返ることができた。

「え! あ、あぁ、そうなんだけど、本人に何が欲しいのか尋ねても、無形のものばかり答えるから、何がいいのか分からなくて…」

「無形のもの?」

「あぁ、楽しい時間とか、絵心とか…」

「そっかぁ。牡丹らしいね!」芙蓉さんは少し笑いながら言った。

「芙蓉さんは何かプレゼントあげないのか?」

「あたし? もちろんあげるよ!」

「な、なにをあげるんだ?」

「それは……ひ・み・つ!」

「え!? なんで?」

「だって、牡丹を驚かせたいんだもん!」

「驚かせることと俺に教えることは関係ないんじゃ…」

「いや、ある! 水無月くんは毎日牡丹と一緒だから、どこかで情報を漏らすかもしれないでしょ!」

「いや、そんなことは、絶対……多分……おそらく……きっと……ない!」

「だんだん自信がなくなっているんだけど…」

「どうしても教えてくれないのか?」

「そうだね。プレゼント選びは大変だけど、その葛藤も面白さの一つじゃん! まぁでも、牡丹なら水無月くんに何貰っても喜んでくれると思うよ!」

 ということがあり、芙蓉さんから有益な情報を聞き出すことができなかったので、次なる作戦に切り替えることにした。

 俺が考えた次なる作戦とは、紫苑に聞いてもらうということだ。なぜ紫苑を選んだかというと、単純な思考の持ち主だからだ。おそらく紫苑は、牡丹さんが時雨のことを好きだということに気づいていないだろうし、牡丹さんの誕生日も知らないだろう。そして紫苑と牡丹さんは、お互いをただの友達だと認識しているだろうから、変な気を遣うこともないだろうと推測できる。だから、単刀直入に聞くことができるはずだ、と考えた。もし、時雨にお願いして聞いてもらうと、牡丹さんは時雨からプレゼントを貰えるかもしれないと思うだろう。時雨から貰えるかもしれないと期待している牡丹さんに、俺がそのプレゼントを渡してしまうと、落胆させてしまい、最悪絶交なんてこともあるかもしれない。それだけは絶対に嫌なので、慎重に行動しなければならない。

 休み時間、俺は再び2年C組を訪れ、紫苑を呼び出した。

「は? 如月さんに今何か欲しいものがないか聞いて欲しいだって?」紫苑が俺の頼み事を繰り返した。

「あぁ、大事なことなんだ!」

「自分で聞けばいいじゃん!」

「俺も何度か聞いたけど、プレゼントできるものじゃなかったから、結局分からなかったんだ!」

「ん? プレゼント? 翔、もしかして如月さんの誕生日プレゼント選びに困ってんの?」

「え!? あ、あぁ、そうだけど…。紫苑、牡丹さんの誕生日がいつか知ってんのか?」

「2月14日だろ?」

「……! 知ってたんだな!」

「当たり前だろ! 俺は大切な人の誕生日は全員覚えているからな!」

「そうだったのか!」

「あぁ! 如月さんが2月14日だろ。ベルさんが4月25日、時雨が11月11日、二宮ちゃんが2月22日、長月ちゃんが9月1日、文月ちゃんが7月20日、そして翔が6月15日!」紫苑は一本ずつ指を折りながら、相談部みんなの誕生日を言った。さらに「初御空会長が1月1日で、一ノ瀬さんが1月8日、芙蓉さんが8月8日で、雛月さんが3月3日、そして藤さんが5月5日だ!」と俺たちと親交の深い人の誕生日もスラスラと言った。

そういえば、紫苑も結構情報通な奴だったということをすっかり忘れていた。おそらく、皐月さんのインパクトが大きかったので、紫苑の記憶が頭の端に追いやられていたのだろう。

「ス、スゲーな!」素直に感心してしまった。

「当然だろ! 誕生日はその人にとって大切な日だからな! 笑顔でいて欲しいじゃん!」

「そうだな。ってことは、紫苑も牡丹さんに何かプレゼントするのか?」

「あぁ、もちろん!」

「な、なにをあげるんだ?」

「ん? 俺はこれだ。〇ディバのチョコレート!」紫苑はそう言いながらスマホの画面を見せてきた。

「チョコレートか…」

「その日はバランタインだろ! だからちょうどいいと思って」

「そうだな…」紫苑にそう言われて、俺の視野は少し広くなった。俺は、無意識のうちにプレゼントは雑貨や実用的なものと限定して探していたから迷っていたが、お菓子でもいいな、ということに気づいた。しかし、チョコレートは紫苑がプレゼントするし、バレンタインだから他の人もチョコレートをあげるだろうと推測できる。同じお菓子だとしても、せっかくならみんなと違うものをプレゼントしたいという欲が出てきた。

「ど、どうしたんだ? 急に黙り込むなよ!」

「サンキュー、紫苑! 何か上手くいきそうな気がしてきた!」

「そ、そうか!」紫苑は照れた様子で言った。


 紫苑のおかげでお菓子という選択肢が増えたので、俺は放課後部活を休んで、一人街を散策していた。いろんな店を見て回りお菓子を探したが、選択の幅が多すぎて、また迷い始めてしまった。お菓子といってもいろんな種類がある。チョコ、クッキー、マカロンなどの洋菓子から、もなか、どら焼き、カステラなどの和菓子まで、たくさんのオシャレなお菓子があった。牡丹さんの好みが分からなかったので、その日は下調べだけして帰った。

 翌日の休み時間、俺は牡丹さんに好みのお菓子を聞くことにした。

「牡丹さんって、お菓子作り好きだけど、食べるのも好きだったりするのか?」俺はなるべく自然に話しかけた。

「うん! 好きだよ!」

「そっか! どんなお菓子が好きなんだ?」

「そうだなぁ~。基本なんでも好きだよ!」

「特に好きなお菓子はないのか? たとえば、マカロンとか、どら焼きとか…」

「マカロンもどら焼きも好きだよ! 洋菓子も和菓子も好き!」牡丹さんが屈託のない笑顔で答えたので、俺は聞き出すのを諦めた。

 それから毎日学校帰りに店に寄ったりネットで調べたりしたが、段々何がいいのか分からなくなり、ゲシュタルト崩壊してきた。そしてあっという間に日が経ち、気が付いたら2月13日の朝になっていた。俺はプレゼント選びに迷い過ぎて、結局何も決まらないまま、前日を迎えてしまった。このままではまずい、早く何とかしないと、と内心焦っていた。俺がそんな風な葛藤を抱いていることを知らない時雨と紫苑は、昼休み、のんきな会話をしていた。

「今年のバレンタイン、今度こそ勝つからな!」紫苑が時雨に宣戦布告していた。どうやら貰えるチョコの数を競うようだった。

「まぁ、頑張れ」時雨は面倒そうな態度で返事をしていた。

「ふん! その余裕がいつまで続くか見ものだな!」

「そうだな…」

 話を聞いている限り、時雨は余裕というよりかは、勝負に興味がないのだろうと感じた。いつもの紫苑の一方的な勝負だろうと思った。

「今年は翔もいるからな! 油断できないぜ!」紫苑が俺を見ながら言った。

「は? 俺もその勝負に参加してんのか?」

「当たり前だろ! 俺のライバルなんだから!」紫苑は堂々と言った。

「いや、俺じゃ勝負にならないだろ! 今までほとんどチョコ貰ったことねぇのに…」

「そんな嘘に俺が騙されるとでも?」紫苑は信じてくれなかった。

「いや、嘘じゃねぇんだけど…」

 そう。俺は今までチョコを貰ったことがほとんどない。というより、家族以外でチョコを貰ったのは、昨年のバレンタインに皐月さんに貰ったのが初めてだった。バレンタインには、つゆりが毎年チョコをくれるので、必ず一つは貰えていたし、それで十分満足していた。それが昨年は皐月さんもくれたので、ものすごく驚いたのを覚えている。当時は友チョコだろうと思いながら、ありがたく受け取り、8個入りのチョコを一日一個ずつ深く味わいながら食べていたのを覚えている。

 一昔前は、バレンタインというと、女性が好きな男性にチョコを渡すという、本命チョコや仲の良い異性の友達に義理として渡す、義理チョコが一般的だったらしいが、今では様々な概念が存在しているようだ。同性同士の友達の間で交換し合う友チョコ、男性が好きな女性に渡す逆チョコ、自分のご褒美として買うマイチョコ、家族に送るファミチョコなどがあるらしい。このくくりで言うと、俺はつゆりからファミチョコを貰っていたことになる。それに近年は、友チョコやマイチョコなどが増え、以前よりもチョコを渡すハードルが下がったような気がするので、俺も運が良ければ、今年はチョコを貰えるかもしれないと少し期待してしまった。

 放課後、牡丹さんとベルさんは用事があるということで、せわしない様子で帰って行った。そして、一年ズも用事があるということで帰った。おそらく明日のバレンタインのための材料を買いに行ったり、作ったりするのだろうと思った。俺も今日中に牡丹さんへのプレゼントを買わなければならないので、時雨と紫苑に用事があると告げ、速足で街に向かった。それから俺は、血眼になりながらいろんなお店を見て回り、ようやく一つ気になるものが見つかった。これなら日常で使えるし、名前を入れれば自分だけのものという特別感もあるし、以前俺も貰ったものだから、お返しとしてはいいかもしれない、と思った。それに、以前ベルさんとの会話で、牡丹さんが日記を書いていると言っていた気がするので、使い道はあるだろうと思った。名前を入れるのは30分程でできるということだったので、俺はまず商品を選び、なんとなく牡丹さんのイメージに合いそうなカラーを選んだ。それから名前を筆記体で入れてもらい、ラッピングしてもらった。とりあえずプレゼント選びが終わったので、一安心と思ったが、今度は牡丹さんがこれを喜んでくれるのか、という不安が募ってきた。しかし、もう後戻りするわけにはいかないので、後はみこに任せることにした。俺は家に帰り、家事を終えた後、あるものを作る準備をして早めに就寝した。そして、早朝4時に起きて、作業を開始した。


 2月14日、朝、登校中に時雨と一緒になった。

「おはよう! 翔!」後ろから時雨の声が聴こえ、振り向く前に時雨が隣に来た。

「おはよう」返事をした後、時雨を見ると、左手には大きな紙袋を持っており、その中からチョコらしきものが溢れていた。気になったので「それ、もしかして、チョコか?」と尋ねてみた。

「ん? これか! あぁ、チョコだよ!」時雨はあっさり答えた。

「もうそんなに貰ったのか!? すごいな! 家の前で待ち伏せでもされたのか?」

「いや、さすがに家の前にはいなかったけど、通学途中で会った人がどんどんくれるから、気づいたらこんなになってた!」

「そ、そうか…」

「まぁもう慣れたけどな……。それよりも、翔も何か持っているようだけど、それってチョコか?」時雨は俺が右手で持っていた袋を見ながら尋ねてきた。

「あぁ、これはチョコだけど…」と言いかけたところで、数人の女子が近づいて来て「霜月先輩! チョコ、受け取ってください!」と言って時雨にチョコをあげていた。途中で会話を遮られたが、そんなことどうでもよく、さすが暦学園人気ナンバー1だなと思っていた。そのまま結局、まともに話すことができないまま、学校に到着した。

学校に到着すると、時雨の靴箱にはたくさんのチョコと手紙が入っており、開けた瞬間溢れ出てきた。時雨はそれを準備していた大きめの紙袋に落ち着いた様子で入れ始めた。例年ことらしく、慣れているようだった。その姿を横目に見ながら、自分の靴箱を開けると、一つのチョコと一枚の手紙が入っていた。俺は誰かの靴箱と間違えたと思い、一度閉めて名前を確認すると、靴箱には水無月翔と書かれていた。それなら見間違いだろうと思い、深呼吸をしてもう一度開けると、先程と同じチョコと手紙が視界に入った。どうやら見間違いではなさそうだった。この時、一瞬だけ驚きと興奮の感情が湧き起ったが、すぐに冷静になった。なぜなら、これを自分のものだと判断するにはまだ早いと思ったからだ。もしかしたら、差出人は誰かの靴箱と間違えて入れしまったという可能性も十分あり得る。そのため、まずは手紙を確認することにした。その手紙にはこう書かれていた。

水無月様へ。

バレンタインということなので、僭越ながらチョコレートを送らせていただきます。甘いものは苦手だとお聞きしましたので、ビターなチョコレートにしました。お手数をおかけしますが、受け取っていただけると、とても嬉しく思います。

 一条かるたより

 という内容の手紙だった。どうやら、一条さんからのバレンタインチョコのようだ。手紙付きなので、さすがに俺へのチョコだと思い、ありがたく受け取った。それから俺は教室に行く前に調理室に行く用事があったので、時雨と別れて職員室に鍵を取りに行った。職員室で調理室の鍵を借り、調理室の鍵を開け、冷蔵庫に持っていたものを入れてから、鍵を閉め、職員室に鍵を返しに行った。料理室の冷蔵庫を借りることは、事前に鬼門コンビに許可を貰っていた。そして職員室から教室に向かっている途中の廊下で、睦月会長と出くわした。

「あら! 水無月くん。おはよう!」睦月会長は凛とした姿であいさつをしてくれた。

「おはようございます。睦月会長!」

「ここで会うってことは、先生に呼び出されたのかしら?」

「いえ、調理室に用事があったので、その鍵を借りていたんです」

「調理室に? 何か料理でもするの?」

「いえ、作ったものを冷蔵庫で保管しただけです」

「作ったもの…? あぁ、そういえば、今日はバレンタインだったわね!」

「そうですね」

「バレンタインは、女の子が男の子にチョコレートをあげる文化だと聞いていたのだけれど、あなたがあげるのね!」

「そうですね。まぁ、バレンタインというより、誕生日プレゼントですけど…」

「誕生日…? あぁ、牡丹ちゃんの誕生日ね!」

「睦月会長も知っているんですね!」

「当たり前でしょ! 友達の誕生日はみんな覚えているわ!」

「そうなんですね!」この発言を聞いてデジャブだと思った。

「当然、あなたの誕生日も覚えているわよ! 水無月くん」

「ど、どうも……。それよりも、睦月会長のその手に持っているものは、ひょっとしてチョコレートですか?」俺は睦月会長が右手で持っている袋の中に大量のチョコレートが入っているのが見えたので、尋ねてみた。

「え! えぇ、貰ったの!」

「睦月会長も人のこと言えないじゃないですか!」

「こ、これは全部女の子から貰ったものだから…」

 俺はジト目で睦月会長を見つめた。

「そんなことよりも、はい、これ! 私からのチョコ! 水無月くんにあげる!」睦月会長はそう言って、スカートのポケットから小さなチョコレートを取り出し、渡してきた。

「え!? 貰っていいんですか?」

「まぁ、一応今日はバレンタインだから…ありがたく受け取っておきなさい!」

「ありがとうございます!」俺はテンション高めで感謝した。

「じゃあ、そろそろ行くわね!」

「生徒会の仕事ですか?」

「いいえ、皐月がお願いしたいことがあるらしくて呼び出されたの!」

「そうなんですね! あれ? でも、2年B組の教室はこっちじゃ…」

「教室じゃ話しにくいらしいから、生徒会室で会うの!」

「それってもしかして!」

「そんなはずないでしょ! 皐月の好きな人はみんな知っているんだから!」

「そ、そうですね」

「じゃあ、またね! 水無月くん!」

「はい!」

 朝の時点で早くも2個のチョコレートを貰い、予想外の展開に驚きつつも、とても嬉しかったので、もう十分幸せな気分だった。

 それから、2年C組の教室前の廊下を通りかかった時、弥生さんが多くの女子に囲まれて、チョコ交換をしていた。俺はその集団を避けて、A組に行こうとした時、弥生さんに声を掛けられた。

「あ! 翔くん! チャオチャオ!」女子集団に囲まれながらも、弥生さんは俺に気づいて、あいさつをしてきた。

「あぁ、チャオチャオ」俺は邪魔してはいけないと思い、返事だけしてそのまま歩き続けた。

「ちょっと翔くん! 待って!」弥生さんは女子集団の中から飛び出して、俺に近づいてきた。

「ん? なんだ?」俺は立ち止まり、振り返った。

「翔くんがこの時間にいるのって、なんだか珍しいね!」

「まぁ、今日は大事な日だから…」

「大事な日…? もしかしてバレンタインのこと?」

「いや、そうじゃなくて、今日は牡丹さんの誕生日なんだ!」

「あ! そ、そうだね! 2月14日は牡丹ちゃんの誕生日だったね!」

「あぁ! だからちょっと早めに来たんだ!」

「へ、へぇー、そうなんだ…」弥生さんは少し気まずそうな顔をしているように見えた。

 そして少し沈黙が流れた。この時、弥生さんの後ろの女子たちから睨まれているのに気づいたので、俺は早々にこの場から立ち去ろうと思った。

「じゃ、じゃあ、俺はそろそろ…」

「翔くん! ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」

「ん? なんだ?」

「私の誕生日っていつか知ってる?」

「弥生さんの誕生日? 3月3日だろ!」

「………! 翔くん、知ってたんだ!」

「まぁ、そうだな。大切な人の誕生日は覚えていたいからな!」俺は誰かからの受け売りのセリフを言った。

「……! 翔くんにとって、私って…大切な人…なの…?」

「ん? そうだけど」俺は当然のように答えた。

「……!」弥生さんは驚いた顔のまま何も言わずに立ち尽くしていた。

「ん? 弥生さん!? どうした?」俺は弥生さんの顔の前で手を振って、反応があるか確かめた。

「え!? あ! ごめん。驚きすぎて固まっちゃった!」

「大丈夫か? どこか具合が悪いんじゃ?」

「そ、そんなことないよ! 全然元気だから!」弥生さんはそう言って、腕をグルグル回したり、その場で飛び跳ねたりして、元気アピールをした。

「そうか…それならいいんだけど」

「それよりも、これ!」と弥生さんは言いながら、肩にかけていた鞄を漁り、何かを取り出して俺に渡そうとした瞬間、突然俺たちの間に皐月さんが入り込んできた。

「翔くん! おはよう! 今日はバレンタインだから、はい、これ! 翔くんへのチョコレートだよ!」皐月さんはそう言いながら、自身の身長と同じくらいの大きさの巨大チョコレートを俺に差し出してきた。

「え!? これ、チョコレートなのか!?」

「はい! 業者に頼んで特別に作ってもらいました!」

「す、すごいな! こんな大きいチョコを見たのは初めてだ!」

「ビックリした?」

「え? あ、あぁ、ビックリした!」

「ちょっと皐月! さすがにこれは大きすぎるでしょ!」弥生さんが驚きながら正論を言った。

「これが私の翔くんへの想いの大きさだから! それに比べて、弥生は随分コンパクトなんだね!」皐月さんは弥生さんが手に持っていた通常サイズのチョコレートを見ながら、手を口で覆い、上品にバカにした態度で言った。

「チョコの大きさと想いの大きさは関係ないから! それに、こんな大きいチョコだと、逆に迷惑になるでしょ!」弥生さんが反論した。

「あれ? それって負け惜しみじゃないの?」

「そんなはずないでしょ! ほら、翔くんが困っているでしょ?」

 弥生さんと皐月さんが同時に俺の方を向いた。

「そうだなぁ…。貰えるのは嬉しいけど、さすがに一人では食べきれないから、誰かと分けたりしたらダメかな?」

「いいよ! 翔くんならそう言うだろうと思ったから、元々これは大人数で食べるように作ったんだ! そして本命はこっち!」皐月さんはそう言って、通常サイズのチョコをポケットから取り出し、俺に渡してきた。

「あ、そうだったのか! ありがとう」俺は皐月さんから差し出された通常サイズのチョコを受け取った。

「だったら最初からそっちを渡せば良かったのに!」弥生さんが正論を言った。

「私はインパクトを与えたかったの! これで翔くんは今後も今日のことを忘れないだろうから!」皐月さんはしてやったりといった顔で言った。

「そう言われればそうか…」弥生さんが珍しく皐月さんの意見に納得しかけていた。

「いや、サプライズはあまり得意じゃないから、ほどほどがいいんだけど…」俺の言葉は二人には届いていないようだった。

「ま、いっか! とりあえず、はい、これ! 私からのチョコレートだよ!」弥生さんが俺にチョコ差し出してきた。

「貰ってもいいのか?」

「うん! 私のチョコの受け取りは、強制だよ!」弥生さんは冗談を言うように、満面の笑みで言った。

「あ、ありがとう」俺は内心ドキドキしながら、お礼を言った。

 すると、始業時間のチャイムが鳴った。

「あ! もう時間か! じゃあまたね! 翔くん!」弥生さんはそう言って、待っていた女子集団とC組の教室に入って行った。

「もう少し一緒に、いや、ずっと一緒にいたかったんだけど、仕方ないからしばしのお別れだね! じゃあまたあとで!」皐月さんはそう言って、等身大サイズのチョコレートをゆっくり運びながらB組の教室に入ろうとしていた。

「あ! そういえば、睦月会長が皐月さんに呼び出されたって言って、生徒会室で待っていたけど…」

「あ! そうだった! すっかり忘れてたよ! ありがとう、翔くん! 教えてくれて」そう言いながら、皐月さんは生徒会室に行く素振りを見せず、そのままB組の教室に入って行った。

 二人を見送った後、俺はA組の教室に向かった。


 それからは、さすが人気ナンバー1の霜月時雨といった感じだった。休み時間の度に、A組の教室には学年問わず、たくさんの女子が詰めかけ、時雨にチョコを渡していた。多い時は廊下まで列ができるほどだった。時雨は昼休みの時点ですでに50個以上貰っていた。さらに、時雨にチョコを渡していた多くの女子が、牡丹さんとベルさんにもチョコを渡していたので、教室は人で溢れかえっていた。昼休みの間も途切れることなく女子がやってくるので、時雨は弁当を食べる暇がないほどだった。俺は時雨に同情しながら横目に見ていると、「翔先輩!」という声が聴こえた。声がした方に視線を送ると、ひまわりさんが目の前に立っていた。

「あれ! ひまわりさん! どうしたんだ? 珍しいな!」

「そうですね! 先輩の教室に来るのは初めてだと思います」

「ハッ! もしかして、ひまわりさんもバレンタインだから(時雨に)チョコを渡しに!?」

「え!? そ、そうですけど、何か変ですか?」

「いや、変じゃないけど…その…睦月会長には渡したのか?」

「当然です!」

「そっか!」

「な、なので、そのついでに先輩にもあげます!」そう言って、ひまわりさんはチョコを差し出してきた。

「え!? 俺にも!? 貰っていいのか?」

「はい。あくまで、ついで、ですけど…」ひまわりさんは、ついで、という部分を強調して言った。

「ありがとう! 嬉しいよ!」俺は感謝しながらありがたく受け取った。

「じゃあ、失礼します!」ひまわりさんはそう言って帰って行った。その時の表情が笑顔に見えたので、何か嬉しいことがあったのかもしれない、と思った。

 

その5分後、今度は桔梗さんがA組の教室にやって来た。

「なっ、なんだ! この行列は!?」桔梗さんが時雨の前にできている行列を見て、驚きながら言った。

「さあ? 俺もよく分からん!」

「まさか! 彼奴ら、何か力を得ようとしているのではないのか?」

「それなら仲間が増えるかもしれないな!」

「いや、敵が増えるかもしれぬぞ!」

「それなら時雨がボスになるな!」

「……! 今のうちになんとかしなければ…」桔梗さんが本気そうな目をして、小さな声で呟いた。

「ところで、桔梗さんは何しに来たんだ?」俺は咄嗟に話題を変えた。

「ん? あぁ、そうだった! 汝に渡すものがあってな! ん!」桔梗さんはそう言いながら持っていたチョコレートを渡してきた。

「え!? 俺が貰ってもいいのか?」

「当然だ! 汝の他に誰にやるというのだ?」

「いや、てっきり時雨にやるものだと…」

「彼奴はもうたくさん貰っているから、我があげる必要はないだろう。それに、我が同胞は汝だ!」

「そっか! ありがとう!」そう言って、俺はありがたく受け取った。

「フン! よく味わって食べるんだぞ! じゃあまた放課後でな!」桔梗さんからは、少し笑みがこぼれていた。

そしてまた5分後、ドアからカスミンが顔を覗かせ、A組の教室を見回していた。カスミンで見回しても、中は分からないんじゃないか、と思っていると、その後すぐに霞さんが顔を覗かせていた。そして、俺に気づいてからカスミンが「来い、来い!」とジェスチャーをしてきたので、俺は霞さんのいるところまで行った。霞さんが待っているところに着くと、霞さんはしゃがんで丸くなっていた。

「こんなところで何してるんだ?」

「ニャ、ニャんでこんニャに人がいるんだニャ!?」

「あぁ、これは時雨のファン…と牡丹さんとベルさんのファンだな!」

「そ、そうニャのか…。じゃあ、あっちの列は?」カスミンがそう言いながら手を伸ばした先に視線を送ると、2年C組の教室前の廊下にも行列ができているのが見えた。

「あれは…おそらく、紫苑と弥生さんと睦月会長の行列じゃないかな?」

「この学校のバレンタインは、毎年こんニャに盛り上がるのかニャ? 予想以上でビックリしたニャ!」

「学校のおかげで盛り上がっているというよりは、個人のおかげで盛り上がっている気がするけどな」

「そう言われれば、1年生の教室じゃ、ここまで盛り上がってニャいニャ!」

「か、翔さんは…慣れている…ようですね!」霞さんが小さな声で言った。

「まぁ、時雨と一緒だと毎年こんな感じだからな! だけど、ここまで人が多いのは初めてだ!」

「そ、そうなん…ですね!」

「牡丹ちゃんをベルちゃんもすごい人気だニャ!」

「そうだな。前に紫苑が言ってたけど、文化祭の時のバンドで一気にファンが増えたらしい!」

「へぇー、そうだったんだニャー」

「ところで、霞さんたちは何しに来たんだ?」

「あ! そうだったニャ! 翔くんにチョコを渡しに来たんだったニャ!」

「え!? 俺に?」

「ハイ、これ! カスミンからニャ!」カスミンが持っているチョコを渡してきた。

「こここ、これは…わわ、私から…です」霞さんがカスミンじゃない方の手に持っていたチョコを渡してきた。

「二つもいいのか!?」

「もちろんだニャ! 一つはカスミンからで、もう一つは霞ちゃんからだからニャ!」とカスミンが言い、霞さんが頷いた。

「そっか! ありがとう!」

「喜んでもらえて良かったニャ! じゃ、また放課後ニャー」カスミンがそう言って、霞さんは速足で帰って行った。

 

 昼休みの時点ですでに8個のチョコを貰った。この展開に俺は驚愕していた。予想外のことなので、もしかしたら人生の運を今日で全部使ってしまうんじゃないかと疑ってしまうほどだった。そんな風に浮かれていると、昼休みの終わりを告げるチャイムが聴こえたので、我に返ることができた。そして、俺は部室でやることがあったので、ようやく落ち着くことのできていた時雨に、「ちょっと部室を飾り付けするから、俺、昼から早退するわ!」と伝え、一人で部室に向かった。その途中で一ノ瀬さんから〇ロルチョコ、七海さんからブラック〇ンダーを貰った。

 部室に到着し、俺は折り紙で輪飾り、星、花などを作って、申し訳程度の飾りつけをした。どんな風に飾れば見栄えが良くなるのか全く分からなかったので、SNSで調べながら、飾りつけをした。あまりこういった作業は得意じゃなかったので、時間は掛かったが、放課後になる30分前には終えることができた。確認するため、一度入り口に立ち、全体を見回した。うん、悪くないな、と自画自賛した。それから少し時間があったので、俺は定位置に座り、みんなが来るまで読書をして待つことにした。そのうち、段々と睡魔が襲ってきた。今日はいつもより早く起きたり、慣れないことをしたりしたことで、疲れが溜まったのかもしれない。俺はそのまま眠ってしまった。

 そして周りがザワザワしていたので、俺は目を覚ました。目を開くと、すでにみんな集まっていた。いや、牡丹さんだけいないようだった。さらに、相談部以外にも、弥生さん、皐月さん、睦月会長、一ノ瀬さん、芙蓉さん、七海さんの姿も見えた。みんなで何かしらの準備をしているようだった。

「ハッ! 今何時だ!?」俺は咄嗟に起き上がって、声を出した。

「あ! 翔サン! 目を覚ましましたか!」ベルさんが机や椅子を並べながら言った。

「チッ! 今から顔に落書きしようと思ってたのに!」紫苑が右手にペンを持ったまま悔しがっていた。

「惜しかったね! 紫苑くん!」芙蓉さんも紫苑に乗り気だったようで、ペンを持っていた。

「疲れているのなら、もう少し休んだ方がいいよ!」皐月さんが俺の身体を気遣って言ってくれていた。

「皐月は翔くんの寝顔が見たいだけじゃないの? たしかに可愛かったけど!」弥生さんが言った。

「それにしても、結構派手に飾り付けしたんだな!」時雨が天井を見ながら言った。

「飾り付けをするのはいいけど、授業をサボってするなんて、ほんと水無月くんは変わらないわね」睦月会長が少し呆れた様子で言った。

「それでこそ、水無月くんだよ!」一ノ瀬さんが親指を立てたグットを俺に向けながらウインクした。

「でも、先輩がこんな風に催し物を準備するのは意外でした!」ひまわりさんが言った。

「翔先輩ってそんなキャラには見えないもんね!」七海さんが笑いながら言った。

「我の影響を受けて、翔も変わり始めたのだろう!」桔梗さんが自信満々で言った。

「いやいや、翔くんはカスミンの影響でカッコよくなっているんだニャ!」カスミンも自信満々に言った。

「い、今はまだ、4時20分なので、大丈夫…ですよ」霞さんが唯一俺の質問に答えてくれた。

「牡丹さんは?」俺は霞さんならまともに答えてくれるだろうと思ったので、尋ねた。

「牡丹さんは、ケーキを取りに行っているそうです」

「ケーキ?」

「はい。昨日牡丹さんとベルさんで一緒に作ったそうです」

「そっか…。あ! そういえば俺も!」俺は自分が作ってきたケーキを調理室の冷蔵庫に保管していることを思い出した。

「どうしたんですか?」霞さんが尋ねてきた。

「俺もケーキ作って調理室に保管しているから、ちょっと取ってくる!」そう言って、俺は調理室に向かった。

 調理室の前に着くと、九鬼さんと九門さんが慌ただしい様子で立っていた。

「あれ? 九鬼さん、九門さん。こんなところで何してるんだ?」

「あ! みみみ、水無月くん! や、やあ! ごきげんよう!」九鬼さんが焦っている様子で言った。

「あ、あぁ、ごきげんよう」

「今日は天気が良くて、気持ちの良い一日だったな!」九鬼さんが急に天気の話を始めた。

「そ、そうだな! 気分が良いと、料理も楽しくて、より一層美味しく作ることができるな!」九門さんも話しに乗っていた。

「そうだな」一応同意したが、あまり時間がなかったので、九鬼さん、九門さんには申し訳ないが、先を急ごうと調理室に入ろうとした。

「ちょちょ、ちょっと待ってくれないか?」九鬼さんが両手を広げて、調理室に入れないように立ち塞がった。

「もう少しここで話をしないか?」九門さんも同じように立ち塞がった。

「ごめん。今日はちょっと急いでて、また今度にしないか?」

「………」九鬼さんは視線を泳がせながら俺に対して気まずそうな感じで、九門さんも似た様子だった。

「どうしたんだ? 二人とも何かあったのか?」俺は心配になって尋ねた。

「そ、それは……」二人は何か言おうとしながらも躊躇っているようだった。

「九鬼さん、九門さんも食べないんですか? このチョコレートケーキ絶品ですよ!」突然、鬼門コンビの後ろから、八ツ橋がチョコレートケーキを食べながら現れた。

その姿を見て俺は唖然とした。八ツ橋が食べているチョコレートケーキが俺の作ったケーキと似ていたからである。まさかと思い、急いで冷蔵庫の中を確認すると、俺の作ったケーキがなく、机に開封され、切り分けられた俺のケーキがあった。そしてそのケーキを八ツ橋と七草さんが食べていた。

「すまない。私がみんなに言ってなかったから」九鬼さんが頭を下げて謝ってきた。

「いや、私が一番に調理室に来なかったから悪いんだ。部長は何も悪くない。本当にすまない」九門さんも頭を下げて謝ってきた。

「ん? どうしたんだ? 何かあったのか?」八ツ橋は状況を理解しないまま、俺の作ったケーキを食べ続けていた。

 どうやら、事情を知らない八ツ橋が一番に調理室に来て、冷蔵庫を開けると、見慣れないチョコレートケーキが入っていたので、誰かが自分のために作ったのだろうと勘違いし、食べたらしい。これは俺のミスだから、九鬼さん、九門さんは何も悪くない。俺は一度深く息を吸って、長めに吐いてから、落ち着くようにした。

「二人は悪くないから、気にしなくていい。俺が張り紙でもしておけば、防げたことができたんだから」

「し、しかし…」九鬼さんと九門さんは顔を上げたが、申し訳なさそうな表情だった。

「まぁ、起こってしまったことは仕方ない! せっかくなら二人も食べて感想を聞かせてくれ!」

「そ、それは…」九鬼さん、九門さんの気まずそうな態度は簡単には晴れそうになかった。

「じゃあ、逆チョコってのはどうだ?」

「逆チョコ?」九門さんが頭を傾けながら言った。

「あぁ、今日はバレンタインだろ! バレンタインでは、男性から女性にチョコをあげることを逆チョコって言うらしいんだ!」

「へぇー、そんな言い方もあるんだな!」九鬼さんが頷きながら言った。

「だから、このケーキは俺から二人への逆チョコってことで! 何回も世話になったからな!」

「し、しかし…」二人はなかなか納得しなかった。

「じゃあ、ホワイトデーのお返しを楽しみにしているよ! それならいいかな?」

「え!? なに? このケーキ、水無月くんが作ったの?」八ツ橋が驚きながら言った。

「お前も食べたんだから、お返ししろよな! 3倍で!」俺は八ツ橋に強く言った。

「フフ、分かった! このケーキは私たちがありがたくいただく。そしてホワイトデーに何倍にもして返すことを約束しよう!」九鬼さんが力強く言った。

「私も約束する!」九門さんが力強く言った。

「先輩、ケーキもこんなに美味しく作れるんですね! 驚きです!」七草さんがモグモグしながら感想を言ってくれた。

「そ、そうか! ありがとう」俺は褒められて少し照れてしまった。

「私もホワイトデーにお返ししますね!」七草さんが言った。

「え!? あ、ありがとう!」

 とりあえず話がまとまってきたところで、料理研究会顧問の栗山先生がやって来たので、俺は部室に戻った。戻ると、一通りの準備を終えており、後は牡丹さんが来るのを待つだけだった。

「あれ? 翔、ケーキはどうしたんだ?」時雨が尋ねてきた。

「あぁ~、ちょっと手違いがあって、他の人にあげた!」

「は? なんだよ、それ?」紫苑が言った。

「誰にあげたの?」皐月さんが険相で身を乗り出して尋ねてきた。

「いや、それはちょっと…」と俺が言い淀んでいると、部室のドアが開いて、牡丹さんが入ってきた。

「ごめんね。遅くなちゃって…」牡丹さんはケーキが入った箱を2つ持っており、それをゆっくり机に置いた。中身を慎重に取り出すと、ザッハトルテとオペラケーキだった。牡丹さんとベルさんの二人で作ったらしい。

 これですべての準備が整ったので、牡丹さんの誕生日パーティーを開催した。弥生さんが作詞作曲したハッピーバースデイの歌をみんなで歌ったり、いろんな会話をしたり、ケーキを食べたりして、笑顔で楽しそうだった。部室で誕生日会をするのは、俺の時以来なので、懐かしさを感じながらみんなを眺めていた。そして、あの時よりも随分と人数が増えたことに改めて気づいた。そんな風に眺めていると、紫苑が突然、バレンタインチョコをいくつ貰ったかを確認し、結果発表を始めた。その結果、第一位、霜月時雨、111個。第二位、雛月弥生、99個。第三位、神無月紫苑、88個。第四位、初御空睦月、64個。第五位、文月ひまわり、56個。第六位、ブルーベル・エイプリル、42個。第七位、如月牡丹、36個。同率第八位、二宮霞、長月桔梗、25個。という結果だったらしい。カスミンが、1年はあまり盛り上がっていない、みたいなことを言っていた気がしたが、そんなこともないようだった。俺はお茶を飲みながら、悔しがっている紫苑を眺めていると、隣から「ハッハッハッ! 青春だネ!」という声が聴こえたので視線を送ると、学園長が俺の隣に座ってケーキを食べながら、笑顔でみんなを眺めていた。

「学園長! いつの間に!?」俺はビックリしてつい大きな声を出してしまった。その声を聞いたみんなも一瞬静まり返り、学園長に注目した。

「が、がが、学園長! こ、これは…」ひまわりさんは、まるでいけないことが見つかった子どもみたいに焦っているようだった。

「あら! 学園長も遊びに来られたのですか?」睦月会長はいつも通り凛とした様子で接していた。さすが我が校の生徒会長といった感じだった。

「チャオチャオ! 学園長!」弥生さんが普段通りのテンションであいさつをした。

「チャオチャオ! 雛月くん! 元気そうだネ!」学園長はノリノリで返事をし、続けて「そして、ヤホヤホ! 藤くん! ご無沙汰だネ!」と皐月さんに五月さつきのあいさつしていた。

「そのあいさつはやめてください。不愉快です。セクハラで訴えますよ」皐月さんは蔑むような眼で学園長を見ながら、早口で言った。

「これは、これは…気をつけないといけないネ…」学園長は余裕そうな感じで言った。

「ところで学園長は何の用でここに来られたのですか?」睦月会長が尋ねた。

「あぁ、そうだった、そうだった!」学園長はそう言って、食べかけていたケーキを一口で食べ、しばらくモグモグして飲み込んでから、ジュースを飲み、「水無月くんに用事があって来たんだヨ!」と言った。

「俺に? 何の用ですか?」

「ここだとちょっとアレだから、外で話さないかネ?」

「はぁ、分かりました」

俺と学園長は廊下に出た。

「いや~、随分楽しそうだったネ! 私も青春を思い出したヨ!」

「雑談は結構ですので、本題に入ってください!」

「そ、そうだネ! デハ、水無月くん! キミに折り入ってお願いがある!」学園長は、いつになく真面目な顔になった。

「はぁ。なんですか?」

「おそらく、明日の放課後に悩みを抱えた一人の女の子が相談に来ると思う。どうかその子の力になって欲しい!」

「どうして学園長がそんなお願いをするんですか? てか、どうして女の子が相談に来るって分かるんですか?」

「それは…明日になれば分かるだろう」

「まぁ、来ても来なくてもどっちでもいいですけど、その子が助けを求めているのなら、協力はしますよ! そういう部活なんで!」

「ソウカ! それなら良かった! デハ、あとは頼んだヨ! あ! あと、羽目を外し過ぎないようにネ!」そう言って学園長は去っていった。

 部室に戻ると、みんなから「なんの話だったのか?」という質問攻めにあったので、明日、悩みを抱えた誰かが相談に来るかもしれないと言われた、ということを説明した。みんな「何それ? どういうこと?」といった感じの顔をしていたが、俺自身もよく分からなかったので、これ以上は説明しようがなかった。まだ誕生日パーティーの途中だったので、仕切り直して再会した。

 そして最後には、各々用意したプレゼントを牡丹さんに渡し始めた。幸い、俺のプレゼントと被った人はいなかったので、俺も渡そうと思いながら鞄の中身を確認したが、プレゼントが見当たらなかった。そんなはずはないと思い、何度も鞄の中を確認したり、中身をすべて出したりしたが、どこにもなかった。どうやら家に忘れてしまったようだった。

「ごめん、牡丹さん。プレゼント用意してたんだけど、家に忘れてしまったようで…。明日でもいいかな?」

「全然、気にしなくていいよ! 用意してくれたんだね! ありがとう! 楽しみにしておくね!」牡丹さんは笑顔で俺の失敗を許してくれたが、こんな大事な日に、失敗ばかりしてしまい、さすがに落ち込んだ。

 それからみんなで片づけを始めた。その最中にベルさんが声を掛けてきた。

「あ! そういえば、翔サンにまだ渡してなかったデスね!」

「ん?」

「ハイ、ハッピーバレンタイン! 翔サンへのチョコレートデス!」

「え!? いいのか?」

「ハイ! 渾身の手作りデスよ!」

「そ、そうか…」

「牡丹にも手伝ってもらったので、味は大丈夫デス!」

「そっか! ありがとう!」

「ア! 今明らかに安心しまシタね。牡丹が手伝ったって聞いて…」

「え!? いや、そんなことは…」

「フフフ、冗談デスよ!」

「冗談かぁ…。良かったぁ…」

 

 片づけを終え、みんなと別れた後、一人で帰っていると、後ろから牡丹さんの声が聴こえたので、振り返ると、牡丹さんが走って近づいて来ていた。

「ハァ、ハァ、良かった! ハァ、ハァ、間に合って!」

「牡丹さん!? どうしたんだ?」

「あの! ハァ、ハァ、渡すの! ハァ、ハァ、すっかり忘れていたから、ハァ、急いで追いかけて来たの!」

「渡すの?」

「うん! ハイ、これ!」

「え!? これって!」

「ハッピーバレンタイン! 翔くん!」

「いや、今日は牡丹さんの誕生日だから、牡丹さんが受け取る側じゃ…」

「誕生日とバレンタインは別だよ! 誕生日は、みんなにいろんなプレゼントを貰ったから、バレンタインではお返しをしようと思って!」

「そうなのか…。でも俺…まだ何もプレゼントしてないのに…」

「私は、いつも翔くんからたくさんのものを貰ってるよ!」

「え!?」

「『みんなとの楽しい思い出が欲しい』って言ったら、翔くんはクリスマス会を開いてくれた! 『たこ焼きが欲しい』って言ったら、買ってくれた! 『絵心が欲しい』って言ったら、私の絵を褒めてくれた! 私は、いつも翔くんに貰っているんだよ!」

「いや、それは…」予想外の発言になんて言えばいいのか、分からなかった。

「私はいつも、翔くんにものばかりあげているけど、翔くんは、それよりも大切な思い出や経験を私にくれるの! だから、今日の誕生日会もすごく嬉しかった!」

「いや、それはみんなが協力してくれたからで…。それに牡丹さんがくれるものも、すごく使いやすくて、ありがたいというか、なんというか…」

「そっか! 良かった!」牡丹さんは満面の笑みを浮かべて言った。そして「じゃあ、渡したいものも渡せたから帰るね! また明日ね! バイバイ!」と言って帰って行った。

俺は牡丹さんの姿が見えなくなるまで見送ってから、帰り始めた。帰り着いてから玄関の靴箱の上に、牡丹さんへのプレゼントが置いてあるのが目に入った。その瞬間、俺は荷物をその場に置いて、プレゼントを手に持ち、自転車に乗って猛スピードで牡丹さんを追いかけることにした。やっと追いついた頃には、牡丹さんの家の近くの公園まで来ていた。

「牡丹さん!」

「え!? 翔くん!? どうしたの?」

「これ! 誕生日プレゼント! やっぱり今日中に渡したくて!」そう言いながら、手渡すと、牡丹さんは受け取った。

「開けてもいい?」

「あぁ!」

 牡丹さんはラッピングを丁寧にはがしてから中身を確認した。

「あ! 名前入りのボールペンだ!」

「牡丹さんが、何を欲しがっているのか分からなかったから、これなら使えるかなと思って選んだんだけど…どうかな?」

「すっごく嬉しい! ありがとう! 大切に使うよ!」牡丹さんが満面の笑みで言ってくれたので、俺も嬉しくなった。

「じゃ、じゃあ、また明日な!」

「うん! ありがとう!」

 帰り道、俺は気分爽快だった。今日一日でいろんな失敗をしてしまったが、最終的に牡丹さんに喜んでもらえたようで良かった。終わりよければ全てよし! ということだ。二度目の帰宅をすると、玄関に置いていた荷物がなくなっていた。おそらく、つゆりが運んでくれたのだろうと思い、リビングに向かうと、つゆりと弥涼ちゃんが俺の荷物を物色していた。

「あれ! 弥涼ちゃん! 来てたのか! いらっしゃい!」

「翔兄…これってどういうこと?」弥涼ちゃんが険しい顔で尋ねてきた。

「ん? なにが?」

「このチョコレート…誰から貰ったの?」弥涼ちゃんが貰ったチョコを手に持ち、尋ねてきた。

「あぁ、これは部活のみんなから…」

「まさかこんなに早く気づかれるなんて…」つゆりが俺の発言を遮って、真面目な顔で言った。

「え!? なに? どういうこと?」弥涼ちゃんがつゆりに尋ねた。

「周りのみんながお兄ちゃんの魅力に気づき始めたってこと!」つゆりが真面目なトーンで言った。

「なっ! なんだってー!」俺は棒読みで、弥涼ちゃんは本当に驚いた様子で、声を揃えて言った。

「私が入学する前にこんなことになるなんて、さすがお兄ちゃん! 嬉しいけど…」つゆりは複雑な気持ちを抱えているような顔をしていた。

「ウチの知らない人たちが翔兄を狙っているなんて!」

「油断し過ぎたか! こうなったら少し早いけど、あの作戦を実行するしか…」つゆりが何か怪しい企てをしているような顔をしていた。

「やっぱりつゆりちゃんに翔兄は任せられないってことだね! 4月からはウチと一緒に暮らそう! 翔兄!」

「弥涼と一緒だとお兄ちゃんの負担が増えるでしょ! それは絶対ダメ!」

「そんなことないから! つゆりちゃんより私の方が翔兄をサポートできるから!」

「まともに料理もできないのに、どうやってお兄ちゃんをサポートするの?」

「フッフッフ! それはもう昔のウチだから! 今のウチは何でも作ることができる料理上手になったのだ!」弥涼ちゃんが自信満々に言った。

「それでも、私よりは下手でしょ!」つゆりが煽った。

「そんなことないから! つゆりちゃんよりウチの方が美味しい料理作れるから!」弥涼ちゃんも反論した。

「だったら今から勝負しない?」つゆりが煽るように提案した。

「オーケー! 受けて立つ! ウチの実力を見せてやるから!」弥涼ちゃんもノリノリだった。

 ということで、今日の晩御飯はつゆりと弥涼ちゃんが作ってくれることになったので、俺は少し楽になった。俺が自分の荷物を部屋に持って行こうとした時、キッチンからつゆりが声を掛けてきた。

「あ! お兄ちゃん! そこの机に置いてあるチョコ、それ私からだから!」つゆりがそう言ったので、机に視線を送ると、可愛くラッピングされたチョコレートが置かれていた。

「いつもありがとう!」

「翔兄! これはウチから! 頑張って作ったんだよ!」弥涼ちゃんが手渡ししてきた。

「手作りなのか! ありがとう!」そう言って弥涼ちゃんの頭をやさしく撫でると、嬉しそうな顔をしているように見えた。

「あ! 弥涼! ズルい!」つゆりはそう言いながら、近づいて来て頭を差し出してきた。どうやら頭を撫でて欲しかったようなので、軽くポンポンと手を当てた。


 今年のバレンタインは今まで経験したことのないことばかりだった。たくさん失敗をしたが、良いこと、楽しいこともたくさんあった。失敗とはしっかりと向き合って、今後同じ失敗をしないように努めようと思う。そして、今年のバレンタインは、最終的にチョコレートを13個貰うことができた。おそらく最初で最後の経験だろうが、とても満足している。このことは今後も忘れることはないだろう。



読んでいただき、ありがとうございます。

次回もお楽しみに。

感想もお待ちしております。

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