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どんな悩みも水無月くんにお任せ!!  作者: たかべー
相談部始動編!!
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フェイクに惑わされない思考法とは!?

俺は占いを信じない。なぜなら、科学的に証明されていないからだ。つまり、占いはインチキだということだ。しかし、占いを信じている人は結構多く、世界的に人気があるようだ。

占いの方法は様々なものがあり、星占い、タロット占い、四柱推命、手相占い、水晶玉占い、霊能力などがある。これらを使い、人の心の内や運勢や未来など、直接観察することのできないものについて判断、予言するらしい。占いの起源を辿ると、遥か昔の紀元前まで遡るらしい。そんな昔から、今日に至るまで、占いは続いている。科学技術が進歩した現代でも、占いは生き続けている。

では、なぜ俺は占いを信じないのかというと、先程も言ったが、占いは科学的に証明されていないのだ。占い師や霊能力者の言ったことが、当たったことがあると言う人もいるかもしれないが、それは錯覚だ。よく聞いてみると、的外れなこともたくさん言っていて、偶然当たったことを覚えているに過ぎない。人間は、より印象的だったことを強く覚えるからだ。もし、信じられないなら許可をもらって録音し、帰ってからもう一度聴いてみるといい。もっとも、占い師が録音を許してくれるならだが…。

それに、占い師は言い当てているのではなく、相手に質問して、自分から話すように導いているのである。言い換えると尋問のようなものだ。占い師は、偶然言い当てた時、それに乗じて相談者が次々と自分のことを話してくれることから情報を得ている。それから、予想していたことを絞っていき、関連のあることをあたかもわかっていたかのように言っているのだ。つまり、占い師は口が上手いだけだ。

中には、占いは統計という人もいるらしいが、それも甚だ勘違いだ。因果関係や母集団などしっかりと計測していないことが多いものを統計とは言わない。おそらく統計のとの字も理解していない人の発言だろう。

メンタリストや占い師、霊能力者が昔から利用しているトリックの一つに、コールド・リーディングというものがある。これは、単純に相談者のしぐさや動作、衣服、年齢、話し方などを観察して得たその人物に関する情報を、あたかも霊的な知識のように断言する方法のことだ。これを鍛えた人ならば、この種の推測は当たっていることが多い。そして、もし当たれば、能力者はそれに飛びつき、当たらなかった推測を覆い隠すのである。

さらに、レインボールースと呼ばれる技を使って、当たる確率を上げることができるらしい。これは、相談者に対立する二つの決まり文句を同時に投げかける技だ。たとえば、「あなたは、普段はいつも元気で、ポジティブに考えることが多いですが、時々とても悲しくなる時がありますね」などだ。このように聞かれたら、ほとんどの人は同意するだろう。また、最もよく広まっている技として、ショットガンというものがある。これは、たくさんのあやふやな情報を次々にまくし立て、相手に反応する隙を与えずに圧倒する技だ。

自己実現的予言という技もある。これは、相談者の気分や人格のいろいろな側面に関係している内容の予言だ。たとえば、「あなたは、もっと前向きになり友好的に振舞うようになります。そのおかげで他人とも良い関係を築ける姿勢が身につき、交友関係が広くなるでしょう」という感じだ。多くの場合、この予言は自己実現的になる。なぜなら、自分はもっと人に好かれるようになると確信して帰った相談者は、気分が良くなっているから、前より社交的になるからだ。社交力が高まれば、交友関係も広がるだろう。これには、無数のバリュエーションがある。自信がついてくる、新たなスタートを切る、問題を解決するなどだ。どの場合も、相談者が言葉を信じさえすれば、予言は自己実現的になる。

これらの技は実際にFBIなども使用しているらしく、正直憧れるところもある。また、エンターテインメントとして、人々を楽しませる分には別に構わないと思っている。しかし、中には悪用する人もいるだろう。真剣に悩んでいる人を餌にして儲けようとしているような奴らだ。そんな人に騙されないためには、冷静さを保ち、常に合理的であること、質問に答えないこと、フィードバックを与えないことなどがある。俺自身、悩んだ時には科学に頼っている。ふと悩んでいるなと気づいた時は、本を手に取り確認している。科学はしっかりと統計されているものが多いので、信頼をおける。ただし、中には根拠に乏しいエセ科学も混じっているので、本物を見極める力が必要だろう。


ある金曜日の放課後、俺は中庭の自販機で水を買い、ベンチで休憩してから部室に向かった。ドアを開けると、長月妹の周りがなんだか盛り上がっているようだった。何をしているのか覗いてみると、長月妹が水晶玉を使って占いをしていた。自称よく当たる人気占い師らしく、友達ができないで悩んでいる同級生に、すぐに友達ができるという予言を当てたり、自信がないことで悩んでいた人に、すぐに自信がつくようになるという予言を当てたりしたらしい。まさしく自己実現的予言だと思った。まぁ結果的に相談者に良い影響があるのなら、問題ないのかもしれない。中には不快に思うようなことを言って、相談者を怯えさせる占い師もいるが、長月妹はそうではないようだ。

相談部のみんなも占ってもらったらしい。ベルさんは今度の休日に良いことがあるだろうと言われたらしく、とても楽しみにしていた。すごく抽象的だなと思ったが、言わないでおくことにした。如月さんは、もうすぐ無くしたと思っていた大切なものが見つかるらしい。如月さんは、大切なものってなんだろうと考えていた。二宮さんとカスミンは、今度の休日にピンチになる瞬間があるが、それを救ってくれるヒーローに出会えるらしい。ピンチとはなんだろうかと二宮さんとカスミンは、コソコソと話し合いをしていた。

長月妹は、相談者の名前と誕生日を聞き、それを水晶玉に言うと、中から相談者の未来の映像が見えるらしい。そんな力があるなら、世界を救うことができるかもしれないな、と心の中で思っていると、長月妹に「汝も占ってあげよう」と誘われた。俺は信じていないことを伝えたが、それでもいいと言われた。少し面白そうだと思ったし、せっかくなので占ってもらうことにした。

長月妹の向かいに座り、名前と誕生日を言うと、長月妹は、水晶玉に手をかざして、俺の名前と誕生日を繰り返した。それから少しして「オォ! フムフム、そうか、そうか!」と長月妹は呟いた。何か見えたのかと尋ねると、長月妹は、「見えた!」とまるで何かを確信したような大きな声で言った。詳しく尋ねると、長月妹は見えたことを説明し始めた。

長月妹曰く、俺は今度の休日あまりよくないことが起こるらしい。特に水難に注意するようにと言われた。場所や時間など、もっと具体的に聞いたが、これ以上はわからないと言われた。良いことは起こらないのかと尋ねると、起こらないとあっさり言われた。なんで俺だけネガティブなことなんだろうと思ったが、それで占いは終わった。これを信じて自己実現してしまうといけないので、俺はあまり気にしないようにした。


翌日の土曜日の朝、起きた時には占いのことはすっかり忘れていたが、いつものルーティーンをしていた時に机の脚に自分の足の小指をぶつけてしまい、それを痛がっている時に、つい思い出してしまった。このままではマズいと思い、机に小指をぶつけたのは、ただの不注意で占いとは何も関係がないということを改めて自分に言い聞かせた。

着替えている時には、ジャージに大きな穴が空いているのを見つけた。これもたまたま見つけたのが今日だっただけで、占いとは何も関係がない。逆に今日見つけることができたのだから、良かったと思うことにした。

それから、運動を終えて、洗濯をしようとしたら、洗濯機がなぜかぶっ壊れた。ボタンを押しても反応しないし、コンセントを抜き差ししても全く動かなかった。もう随分長く使っていたので、寿命が来て故障したのだろうと思った。これも占いとは何も関係がない。一瞬、水難とはこのことだったのかもしれないという考えが頭を過ったが、たまたま今日故障しただけだ、とすぐに冷静に判断した。不運は重なるとよく聞くが、こういうことなんだろうと思った。つゆりに事情を説明すると、「早く新しいのを買ってきてね!」とあっさり言われた。

というわけで、俺は近くの大型家電量販店に洗濯機を買いに行った。洗濯機のことはよくわからなかったので、事前に下調べをし、いくつかをピックアップしてから、あとは直接見て確認することにした。特に予算に困っているわけではないので、必要な機能と必要ない機能をしっかりと見極めて、せっかくなら機能性がある洗濯機を選ぶことにした。一度買うと長く使うことになると思うので、ミスはしたくなかった。乾燥機が付いているかどうか、静穏性に優れているか、手入れのしやすさなどを考慮して、即日に設置できるものを選んだ。

店員さんに夕方の午後四時頃に設置に行くと言われたので、それまでゆっくり過ごすことにした。帰りに公園を散歩した後、ベンチに座って目を瞑り小鳥のさえずりに耳を傾けていると、「あれー! もしかして水無月くんかニャー?」と言う聞き覚えのある声が聞こえた。目を開けて声のした方を見ると、二宮さんとカスミンがいた。どうやら二人も散歩していたらしい。何をしているのかと聞かれたので、洗濯機のことから今に至るまでの説明をした。それを聞いたカスミンに、「それって、昨日桔梗ちゃんが言っていた水難じゃニャいのかニャ?」と言われたので、今回のことは偶然であって、占いとは関係がないということを説明した。

それから、二人と一緒に公園を散歩した。噴水の横を歩いている時、突然、虫が二宮さんの近くを飛んできた。それに驚いた二宮さんがカスミンを振り回していたので、落ち着くように声を掛けたが、パニックで聞こえていないようだった。徐々に二宮さんの振り回す力が強くなっていき、カスミンが手からスポッと飛び出した。飛び出したカスミンがそのまま噴水の中に落ちそうだったので、俺は反射的に動いて、カスミンを空中でキャッチし、噴水の中に飛び込んだ。なんとかカスミンは無傷で済んだが、俺はびしょ濡れになってしまった。二宮さんが慌てている様子だったので、「俺は大丈夫だ! カスミンが濡れなくて良かった!」と言って、カスミンを渡した。二宮さんはすぐにカスミンを手にはめてから、「いやー、水無月くん! ありがとう! この恩は忘れニャいニャ!」とカスミンが言った。二宮さんも「ありがとうございます」と小さな声で言った。

俺が噴水から出ている時、カスミンが何かに気づいた様子で「あ! もしかして!」と言ったので、どうしたのかと尋ねた。するとカスミンは、「昨日の桔梗ちゃんの予言が当たってるニャ!」と言った。たしかに、思い返してみると、長月妹は二宮さんとカスミンがピンチになると言っていた。それは、カスミンが噴水の中に落ちることを言っていたのかもしれないと捉えることができる。そして、そのピンチを救ってくれるヒーローがいるとも言っていた。それが俺のことだと考えると、予言は当たっていることになる。さらに、俺は水難に注意するように言われていたが、結果的に全身ずぶ濡れになってしまった。ここまで予言が正確に当たることなどあるのだろうかと思ったが、これも偶然である。テキトーに言ったことが当たると多くの人は、信じてしまいかねないが、俺はそんなことに惑わされない。人間という生き物は、起こったことに意味を見つけようとするが、意味なんてない。ただ起こっただけだ。

今日の出来事を不運だと捉えることもできるだろうが、俺は不運だと思わない。足の小指をぶつけたことで、今後気をつけることができるし、ジャージに穴が空いていたことで、新しいジャージを買うことができる。洗濯機が壊れたことで、さらに機能が充実した洗濯機を買うことができた。それに、公園で二宮さんとカスミンと一緒に散歩をすることができて楽しかった。要は捉え方次第だ。不運に思える日でも、良いことはたくさん起こっているのである。自分は不運だと悲観的に考えて縮こまるよりかは、楽観的に捉えて気分よく過ごしたいと俺は思う。

二宮さんとカスミンとは公園で別れた。家まで送ると言われたが、断った。そして帰っている途中で夕立が降ってきたが、どうせ全身濡れているので、気にせず帰った。濡れていなかったら、どこかで雨宿りして、ついていないなと思ったかもしれないが、それも気にしないでよくなった。

帰り着いた俺を見て、つゆりが驚いていた。「夕立の中帰って来たの?」と聞かれたので、公園での出来事を説明した。それを聞いたつゆりは、「お兄ちゃん、ほんとドジだね。早くシャワー浴びなよ」と少し心配してくれているような感じで言ってくれた。

そしてシャワーを終えると、洗濯機の取り付けに業者が来た。これで洗濯機の件も解決した。新しい洗濯機を使ったつゆり曰く、前のより良いとのことだった。洗濯も前より楽になったので、けっして不運なんかではなかったということだ。


翌日の日曜日、いつも通り俺は朝のルーティーンをしていた。今日は特に痛い思いや何かが故障するようなことはなかった。昨日ジャージを一つ処分したので、新しいジャージを買おうと思い昼頃に外出した。今日は快晴だったが、昨日の夕立でいくつか水溜まりができていた。

スポーツ専門店に向かっている途中に、ゲームセンターの前に立っている長月妹を見つけた。全身黒の服に、左手には白の包帯を巻いており、左目に眼帯をしていのですぐに気づくことができた。何をしているのか気になったので、「よっ! 長月妹!」と声をかけると、一瞬ビクッとしてから、すぐに俺だと気づいて「オォ! 我が同胞よ! 奇遇だな!」といつも通りの反応になった。「こんなところで何をしてるんだ?」と尋ねると、ゲームセンターに悪魔がいるらしいが、結界を張っているらしく、中に入ることができないと答えた。そう言っている長月妹を見ると、中に入りたそうな顔をしていたので、手伝ってやろうかと提案すると、嬉しそうな表情になった。どうやら図星のようだった。

それから、俺は羞恥心を抑えながら店の前で、長月妹と結界を破る攻撃をして、中に入った。長月妹はいろんなゲーム機を眺めて感激しているように見えた。俺自身、ゲームセンターに来るのは久しぶりだった。小さい頃に何度か来たことがあったくらいだ。あまりゲームは上手くないが好きだった。いろんなゲームを見回りながら、少し懐かしさを感じていると、格闘対戦ゲームで勝負をしないか、と長月妹に挑戦状を叩きつけられたので、受けて立つことにした。

正直、ゲームセンターに入るのを躊躇っているような人に負ける気がしなかったが、この考えが甘いことをすぐに痛感した。最初、いい勝負にしようと思って、適当に手を抜いていたら、あっという間に負けてしまった。これで長月妹は結構強いということがわかったので、次は本気でやったが、二戦目もあっさり負けた。「我が同胞よ! その程度なのか!」と長月妹に煽られたので、俺もムキになり、六回勝負したが全敗した。俺が弱いのかもしれないが、長月妹も圧倒的に強かった。それに容赦ない。手加減の手の字も知らないようだった。

さすがに悔しかったので、別のゲームで勝負しようと提案すると、長月妹も乗ってきた。今度はレースゲームをすることにした。このゲームは、俺の得意な分野なので勝てるだろうと思って選んだ。しかし、三戦全敗。

次はシューティングゲームをしたが、それも全敗。音ゲーもしたが全敗。俺は負けに負けを重ねて、意気消沈していたが、長月妹はとても楽しそうにしていた。それも当然だろう。どのゲームでも全勝なのだから。

もう長月妹にはゲームでは勝てないと悟った時、クレーンゲームをしようと誘われた。どうやらウサギのぬいぐるみが欲しかったようだ。長月妹は六回挑戦して、少し動かすことができていたが取ることができなかった。俺は汚名返上のチャンスと思って、六回挑戦した。

しかし、俺もクレーンゲームは得意ではなかったので、取ることができなかった。もう諦めようと言っていた長月妹を見ると少し悲しそうな表情をしていたので、俺は諦めずに続けた。いきなり取ろうとするのではなく、少しずつ対象物を動かしていく作戦で、合計二千円を使って、目当てのウサギのぬいぐるみを取ることができた。それを長月妹に渡すと、「え!? いいのか?」と遠慮していたが、貰えるとわかると笑顔になり喜んでいた。

気が付くと、結構時間が経っていたので、俺たちは帰ることにした。当初予定していた買い物は、後日にすることにした。

帰り道、長月妹はウサギのぬいぐるみを大事そうに両手で抱えていた。それを見て、俺も取ることができて良かったと思っていた時、俺たちの横を一台の車が通った。その車が水溜まりの水を弾き、その水が俺たちを襲って来たので、俺は反射的に長月妹を庇うように抱き寄せた。

その結果、俺は全身びしょ濡れになり、長月妹も少し濡れたようだった。長月妹は、心配そうにぬいぐるみが濡れていないか確認し、「よかった! ナイトメアは無事だ!」と呟いた。ウサギのぬいぐるみは無事だったようだ。というより、こんなに可愛らしいウサギのぬいぐるみの名前が『ナイトメア』ということの方が気になった。見た目と名前のギャップが激しいなと思っていると、長月妹は俺の方を見て驚いた。全身びしょ濡れの俺を見て、どうしようかとあたふた焦っている様子だった。長月妹は、ポケットからハンカチを取り出し、俺を拭こうとしてきたが、ハンカチでどうこうできるレベルではなかったので、丁重に断った。長月妹は、「私のせいで…」と俯きながら申し訳なさそうにしていた。一人称を間違える程気にしているようだったので、「これはおそらく悪魔の仕業だ! 俺を弱らせてから攻撃をしようと狙っているかもしれない! 早く家に帰って着替えなければ!」と励ますつもりで言った。それを聞いた長月妹は、「そうだな! 我もその意見に賛成だ!」と答えた。その表情は、先程より明るくなっていた。

ということで、俺たちは早歩きで帰った。別れる時、「また明日な! 長月妹!」と言うと、「長月妹ではない! 我のことは、桔梗と呼べ!」と返された。

長月桔梗に認められた者だけが、名前で呼ぶことができるらしい。長月桔梗に認められし者は、今のところ長月家、親戚などの親族の他、学校では、同じクラスの二宮さん、カスミン、七海さん、ひまわりの4人の友達だけらしい。ひまわりという人以外は俺も知っている人だった。そこに俺が加わることになった。呼び捨ては少し抵抗があったので、『桔梗さん』と呼んでもいいかと提案すると、それでも構わないということだった。せっかくなので、俺のことも名前で呼んでいいぞ、と提案したが、桔梗さんは顔を赤くしながら断った。そして逃げるように去って行った。

二日連続全身びしょ濡れで帰って来た俺を見たつゆりは、唖然として立ち尽くしていた。そして何も言わずに浴室に行き、タオルの準備をしてくれた。俺はすぐにシャワーを浴びて、早速新しく買った洗濯機の性能を確かめることができた。服についていた泥の汚れが、見事にきれいさっぱり落ちていた。


月曜日の放課後、女子たちは、占いの結果がどうだったのかを話していた。二宮さんとカスミンの件は俺も知っていたので俺も補足しながら説明した。ベルさんは何か良いことが起こるという漠然とした予言だったので、当たったのかと尋ねると、当たっていると答えた。

どうやらベルさんは休みの日に、クジ引きで空気清浄機が当たったらしい。運が良いと思っていたので、試しにやってみると当たって驚いたと言っていた。たしかに良いことだろうと思うが、単なる偶然に過ぎない。ベルさんは運が良いと思って、クジを引いたから当たったようだが、もしそのことを知らなくても当たっていただろう。

如月さんは、何か大切なものが見つかると予言されていたので、尋ねてみると、まだ見つかっていないということだった。しかし、如月さんの場合、もうすぐという言い方だったので、今回の休日ということにはならない。まだ、予言が外れたと断言できるわけではないとのことだった。実際この数日後に、無くしていた大切な写真がタンスの裏から出てきたと教えてくれた。これもあくまで偶然に過ぎない。何か大切なものが見つかると言われれば、多くの人は探し始めるだろう。そして自己実現しただけだ。

俺の件も、普段ではあまり起こらないことが、立て続けに起こったため、何か特別な力が働いているような感じになるかもしれないが、ただの偶然だ。俺は今回の休日が不運だったとは思わない。

振り返ると、二宮さんとカスミンとの散歩も桔梗さんとのゲームも楽しい時間だった。たしかに不運なこともあったが、一日の内のごく一部の時間だけだ。冷静に考えれば偶然起こったことでも、人は何か特別な力があると信じたがる。それは遥か昔から変わらず、現代まで続いている。俺は基本信じていないが、そんな超能力的な力があると面白いだろうなと思うこともある。舞空術で空を飛びたいし、ファイアやサンダーなどの魔法も使ってみたい。気を操って〇めはめ波も打ってみたいし、チャクラで忍術も使いたいし、〇解と言ってパワーアップしたいなどと思ったことが多々ある。

しかし、これらはフィクションの話であり、科学的に証明されていない。こんなあからさまな技ができると思っている人はあまりいないと思うが、気を操ったり、チャクラをコントロールしたりといったことを信じている人は結構いる。害がなければいいが、悪いことに利用しようと考える人はいるだろう。

このように現代の情報化社会で騙されないためには、何が真実で何がフェイクなのかを自分でしっかりと見極める能力が必要だ。盲目的に信じるのではなく、情報源をしっかりと確認して、信ぴょう性のある情報を得るようにした方がいい。時には自分の信念に対しても、厳しい疑いの目を向ける必要がある。その際、自分が間違っているとわかった時には、新しい情報に応じて考えを変えるべきだ。人間は間違える生き物だが、その間違いを正すこともできる。恥ずべきことは、間違うことではなく、過ちを正そうとしないことだ。俺はその信念を大事にしているため、他人だけでなく自分に対しても、批判的思考で考えるよう努力しているつもりだ。




読んでいただき、ありがとうございます。

次回もお楽しみに。

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