誰を好きになるかは自由である!!
人間は一人ひとり違う。身体的にも精神的にも全く同じ人間は、今のところ存在しない。身体的な違いはわかりやすい。男性なのか、女性なのか。背が高いのか、低いのか。ガタイがいいのか、スレンダーなのかなど、見たら誰でもすぐにわかる。一卵性双生児はすごく似ているが身体的特徴も必ずどこかに違いはある。
しかし、精神的な違いはわかりにくい。メンタルが強靭なのか、繊細なのか、思っていることを言うタイプなのか、内に秘めるタイプなのかなど、目には見えないからだ。何度か付き合いを重ね、発言や行動を見るとわかってくるが、それが本物なのかはわからない。
また、知覚も一人ひとり異なる。同じものを食べたとしても、違う味を感じたり、同じ出来事に遭遇しても、ポジティブに捉える人とネガティブに捉える人がいたりする。みんな違うということを当たり前に知っているはずなのに、自分の考えや意見が正しいと思って、相手に押し付けている人が多いのではないだろうか。我が子のことを思って、子どものやることにいちいち口出しをする親。子どもの将来を思って、ただ知識を詰め込むだけの教師、国民を思って、非論理的な政策を打ち出す政治家。自分は良かれと思ってやっていることが、相手にとって良いことだとは限らない。その考えが偏見や差別に繋がってしまう恐れもある。
学校で教わることは、明確な答えがあるが、社会の中で暮らして行くには、明確な答えのない問題の方が多い。正しい生き方や正しい恋愛なんてものはない。人それぞれに生き方があって、恋愛も人それぞれだ。なのに、一般的にはこうだ、と世間で勝手に思い込んでいるルールに縛られ、苦しんでしまうのはなぜなのか。様々な要因が考えられるが、個人的には、メディアや学校教育に大きな問題があるのではないかと思っている。
だから俺は、科学を学んでいる。科学は、生物学や神経科学、遺伝学、脳科学、心理学など、人間が生きるのに必要な知識を得るには、最も信じられる情報だと思う。人間は一人ひとり違うが、本能的なところではほとんどの人が似た行動をする。それを科学は教えてくれるのだ。
しかし、科学は決して完璧ではないとも思っている。今現在証明されていることでも、技術の進歩によって、将来否定される結果になるかもしれないからだ。そのため、俺はもしかしたら自分は間違っているのかもしれないと常に考えている。自分の意見が正しいと思ったこともない。ただ、自分が信じていることをやったり、意見したりしているだけだ。その時に、科学を参考にしているに過ぎない。
つまり俺は、自分のやりたいようにやっている。赤の他人にどう思われようが、批判されようが関係ない。一度きりの人生を世間の常識とかいう非常識なもので縛られたくないだけだ。もちろん、なんでも自由にしていいと言っているわけではない。法律は守るし、自分ができないことを他人と協力することもあるだろう。そんな中でも、自分の思いは、自分が一番大切にするべきだ。自分自身を偽って社会で暮らすのは苦しいと思うから。
生徒会長の審査に無事合格した俺は、如月さん、ベルさんと一緒に相談を聞くことになった。正直、俺は少し興味を抱いていた。勉強が出来て、運動神経も抜群、容姿も整っていてみんなに人気の生徒会長が、どんな悩みを抱えているのかということを…。
「そっ、相談の…内容なんだけれど……」視線を下に逸らしながら、言いにくそうに生徒会長は話し始めた。「じっ、実は………恋愛…相談なんだけれど…」顔を赤くして恥ずかしそうな顔をして言った。
「ちょっと待ってください!」
俺は思わず遮ってしまった。生徒会長の恋愛相談を俺が聞いていいのか、と思ったからである。隣に座っている二人は顔を輝かせて、ワクワクしているようだった。これは女子二人だけの方がいいのではないかと思って、俺は生徒会長に聞いた。「それって、俺は聞かない方がよくないですか? この二人だけの方が…」
「いいえ。あなたの意見も聞きたいわ。…普段、男子にこんな相談することないけれど、あなたなら何か、私が気づかなかった視点で意見を言ってくれそうと思ったの」
「それなら、霜月や神無月でも…」
「あの二人もいい人だとは思うの。…でも、気を遣って、思ったことをはっきりと言わない気がするの。やさしさからだと思うのだけれど…。その点、あなたは、はっきりと言ってくれそうな気がしたの。私が今聞きたいのは、そういう意見だから。それに私は、人を見る目には自信があるの」
「そうですか」生徒会長にそんな風に思われていることに驚いたが、悪い気はしなかったのでそのまま受け入れることにした。
「それに…私の恋愛は、ちょっと特殊だから…」生徒会長が小さく呟いた。
「すみません。話の途中で遮ってしまって」俺は謝って、如月さんに視線を送った。
「いえ、気にしてないわ」生徒会長は気さくに答えた。
「では、改めて、初御空さんの相談したいことはなんですか?」俺の視線に気づいた如月さんが、本題に戻してくれた。
「そっ、その…私…好きな人がいて……その人に告白しようか迷ってるの」
再び顔を赤くして、恥ずかしそうに話している生徒会長と対比して、如月さんとベルさんは少し楽しそうにしている気がした。
この時、俺は恋愛について考えていた。この相談内容は、恋愛ではよくある悩みだ。好きな人に告白するかどうか、これに悩むということは、様々な結果を予測して、自分でもどれを選べば最善かわからなくなっているのだろう、と推測した。告白して上手くいけば何も問題はない。しかし、振られた場合は、いくつかパターンがある。振られてもそのまま変わらずに接するパターン。振られてから気まずくなり、徐々に疎遠になっていくパターン。振られた直後から関りがなくなるパターンも考えられるだろう。これ以外にもあると思うが、パッと思いついたのはこんな感じだ。
多くの人が、振られた場合のリスクを恐れて、告白するのを躊躇ってしまう。今まで仲の良かった人と気まずくなったり、疎遠になったりするのが嫌なのだろう。それに人間は拒絶を過度に恐れる性質がある。これは進化の過程でそうなったと言われている。
はるか昔、狩猟採集をしていた時代、社会的な人間にとって、集団からの拒絶は死ぬことを意味していた。その時代は、食料も少なく、外敵も多かったので、一人で生きていくことは不可能だった。そのため、いかに上手く集団に属するかということが重要だった。その時にインプットされた拒絶への恐れが、今もなお現代人に残っているのだ。もっとも、生活が安定している現代において、このように拒絶に対して過度に恐れる性質は役に立たないことの方が多いのだが…。
俺自身は好きな人ができたことがないので、同じ気持ちを理解することは難しいが、大切な家族に置き換えると、少しはわかる気がする。他人にどう思われても気にしないが、もし、ゆのさんやつゆりに拒絶されたら、結構辛いと思う。そう考えただけで、胸が苦しくなるのがわかる。生徒会長も似た気持ちなのかもしれない、と俺はなるべく共感するようにした。
「初御空さんは、好きな人にどう告白すればいいのかを相談に来たってことでいいですか?」如月さんが内容の確認のため質問をした。しかし、ニュアンスが少し違っていることに俺は気づいた。
「いえ、そうじゃないわ。どう告白するかではなくて、告白しようかどうかを迷っているの。…それと名字だと長いから睦月でいいわ」生徒会長が相談内容と呼び方を訂正した。
「そっ、そうだったんですね。すみません」如月さんは謝った。
「睦月サンは、どうして告白しようか、しないかを迷っているんデスか?」ベルさんが早速名前呼びになり、率直な質問をした。
「そうね。……告白して振られ時、その後その人と疎遠になってしまうのが怖いの。今はすごく仲が良いから。…この関係を壊したくないって気持ちがあるの。…でも……好きな気持ちもだんだん強くなっていって、どうすればいいのか、自分でもわからなくなってきたの…」
生徒会長は俯き、胸の内を話してくれた。やはり俺の予想通り、生徒会長は好きな人に振られた場合、疎遠になるのが嫌で迷っているようだった。まぁ生徒会長ほどの人は、振られる可能性の方が低いんじゃないかと思ったが、とりあえず心に留めておいた。
「そうデスよね。その気持ちわかりマス」ベルさんがいつもより真面目な様子で共感を示していた。過去に経験したことがあるのだろうか、と思った。
「それに………私の好きな人は…ちょっと……一般的じゃないというか……」
「どういうことデスか?」ベルさんが質問した。
俺も少し前から気になっていたことだ。さっきも生徒会長は自分の恋愛を特殊と言っていた。相談に答えるためには、その意味がどういうことなのか確認する必要がある。
「その………私の…好きな人は……昔からの…親友なんだけど……」生徒会長は今までで一番恥ずかしそうにしながらも、言葉を一つひとつ選んで発言していた。「その……一ノ瀬初雪ちゃんなの!」そう言ったあと、生徒会長は両手で顔を覆い、俯いた。
それを聞いた如月さんとベルさんは驚いた顔をして固まっていた。俺は一ノ瀬初雪さんという人がどんな人か知らないが、生徒会長の発言や二人の反応、名前の響きからして、おそらく女の子だろうと予想した。
「あの、もしよければ一ノ瀬さんがどんな人か教えてくれませんか?」予想の確認をするために、俺は質問した。
「え!? あぁ、そうね。わかったわ」
そして、生徒会長は一ノ瀬さんの説明を始めた。
生徒会長の話によると、一ノ瀬初雪さんは生徒会長と同じクラスの二年C組。おっとりしていてマイペースな性格らしい。幼稚園の頃からの幼馴染で家も隣同士だという。最初は、生徒会長も一ノ瀬さんのことを仲の良い親友だと思っていたらしいが、中学生くらいの頃から徐々に親友というより恋愛的な意味で好きになっていったらしい。特に用がなくても連絡したり、肩や手に触れたりして、好きアピールをしているらしいが、一ノ瀬さんはその気持ちに気づいている様子はないという。というより、この程度なら友達同士でもやっている人はいる気がするが…。
一ノ瀬さんのことを話している時の生徒会長はキャラが変わったように、異常にテンションが高かく早口だった。一ノ瀬さんを好きな気持ちが溢れ出していて、彼女が行うことは、なんでもポジティブに受け取っているようだった。その姿は、まるで付き合いたてのカップルのように見えた。
このようなカップルは、パートナーの良いところしか見ないため最初は幸せらしいが、時が経って嫌ところが見え始めたら、受け入れられずに破局しやすいと聞く。しかし、生徒会長は、一ノ瀬さんの嫌いなところはないと言っていた。幼稚園の頃から幼馴染で、家も隣同士で、よく遊んでいたというので、一ノ瀬さんとは多くの時間を過ごしていたという。それなら一ノ瀬さんの嫌な部分を見ている可能性も高いはずだが…。もしかしたら、生徒会長の脳は、一ノ瀬さんがすることすべてをポジティブに変換して解釈するようになっているのかもしれないと思った。
「せっ、生徒会長、一旦落ち着いてください」このまま放っておいたら生徒会長の話は止まらないと思ったので、俺はたまらず声を掛けた。
「っ! そっ、そうね!」俺の言葉を聞いて、生徒会長は我に返り、落ち着くために深呼吸をした。
「生徒会長が一ノ瀬さんを好きな気持ちはよくわかりました。ここで、いくつか質問をしたいのですが、いいですか?」
今回の相談は、いつもより言葉に気を付けないといけないと思ったので、俺は、もう少し詳しく知る必要があると判断し、質問していいかを尋ねた。
「えぇ、いいわよ」落ち着きを取り戻した生徒会長が、キリっと答えた。
「もし答えたくなかったら、答えなくても大丈夫です」
「えぇ、わかったわ」
質問内容が生徒会長のプライベートな内容になるので、答えたくないことも想定して事前にフォローした。
「まず、生徒会長は自身の性認知はどちらですか?」
この質問を聞いて、女子三人は驚いた顔をしたが、生徒会長はすぐに答え始めた。
「性認知?……私は、女だけど…」
「わかりました。じゃあ次の質問です。」俺がそう言うと生徒会長は、ピシッと姿勢を正して質問を聞く態勢になったので、俺は続けた。「生徒会長は今まで男性を好きになったことはありますか? それとも、男性は恋愛対象に入っていないですか?」
「今まで男性を好きになったことはないわ。初雪ちゃんが初恋だから。……男性が恋愛対象に入っているかどうかはわからない。意識したことがないから。別に嫌いじゃないけれど…。初雪ちゃんしか見てなかったから」生徒会長は一ノ瀬さんの発言になると、赤く染まった頬を両手で覆い、やさしく微笑みながら答えていた。
「生徒会長が一ノ瀬さんのことを好きなのはわかりました。では、その好きがどの程度の好きかを聞きたいのですが…」
「好きの…程度?」
「はい。たとえば、一緒にいるだけで満足なのか。手を繋いだり、軽く触れあったりするだけで満足なのか。それともキスやそれ以上の性的な関係を築きたいくらいに好きなのか。内容が内容なので、無回答でも構いません」
これを聞いた生徒会長の顔は明らかに赤くなっていて、答えにくそうにしているのがわかったが、隣の二人も赤くなっていた。ここに相談に来て、さっきまでの話を聴いた限り、おそらく性的に好きなんだろうと予想しているが、あくまで予想に過ぎないので、本人に聞くのが一番だと判断して聞いた。もしかしたら、羞恥心などで正直に答えてくれない可能性もあるが、聞かなければわからないことは、聞くようにしている。それにこの答えによって、俺の提案も変わるからだ。
生徒会長は30秒程、言いかけてはやめるのを数回繰り返してから、深呼吸をして覚悟を決めた表情になった。
「わっ、私は……初雪ちゃんと…………キッ、キ、キス…したり………したい…です」答えてくれた生徒会長の顔は、真っ赤になっていた。最後の方は声が小さくて聞こえなかったが、なんとなくなんて言ったのかはわかった。
「わかりました。答えてくれてありがとうございます」
生徒会長の話と質問の答えをまとめると、生徒会長は性的マイノリティかもしれないということだ。これはLGBTQと言われることがある。Lはレズビアンのことで、女性が女性を好きになる同性愛者のことをいう。生徒会長は、レズビアンの可能性がある。Gは、ゲイのことで、男性が男性を好きになる同性愛者のことをいう。Bは、バイセクシャルのことで、男女問わず好きになる人のことをいう。生徒会長はこの可能性もあるが、今の段階ではわからない。なぜなら、女性の場合、少数だが無視できない数のレズビアンと自覚している人が、性的、恋愛的な対象が変動する経験をしたと言っているからだ。男子にしか惹かれたことのなかった女性が突然、女性に恋をして性的に惹かれるということがあるらしい。その逆も然りで、これを性的流動性という。つまり、生徒会長は、今は同性が好きなレズビアンだが、将来はどうなるかわからないということだ。はたしてこれをバイセクシャルと言っていいのかは疑問だが、性的思考は不変ではないということが言えるだろう。ちなみに、男性はほとんどの人が、性的思考は幼いころから一貫していると感じているらしい。
Tは、トランスジェンダーのことで、身体的な性別と、精神的な性別の認識が異なっている人のことをいう。たとえば、男性の体をしているが、心は女性だったり、逆に女性の体をしているが、心は男性だったりする人のことだ。最初の質問で生徒会長はこれには当てはまらないことがわかった。Qは、自分の性がわからないというクエスチョニングと性的少数者を表すクィアという意味だ。他にも、さらに細かく分類した表現もあるらしい。それだけ人には多様性があるということだ。
このような人たちは、統計的に数が少ないことから性的マイノリティと言われている。社会では男女交際が一般的とされ、それ以外は偏見や差別が根強く残っているため、生きづらいと聞く。昔に比べて多少マシにはなっているらしいが、まだまだだろう。そのせいか、自分は普通じゃないと思い込んでしまい、苦しんでいる人が多いと聞く。世間の多数派と違う、ありのままの自分を受け入れることができずにいるらしい。生徒会長もそれを気にして、特殊と言っていたのだろう。
また、学生時代や若い年代では、自分自身でもよくわかっていない人が多いと聞く。なんとなく違和感はあるが、自分がLGBTQだとわかるまでに時間が掛かることもあるそうだ。そう考えると、生徒会長はすでに自覚しているようなので早い方かもしれない。
「では、生徒会長……」と俺が言いかけた時に、ピンポンパンポンという放送音が聞こえ、「生徒会長の初御空睦月さんは、至急、生徒会室に来てください。繰り返します。生徒会長の~」という放送が流れた。それを聞いた生徒会長は、「ごめんなさい。呼ばれたから、また後日でいいかしら」と尋ねてきた。俺は「大丈夫です」と答え、隣の二人も頷いた。そして、生徒会長は立ち上がり「今日は話を聴いてくれてありがとう。また、時間を作って来るわ」と言って、部室を出て行った。
その後、俺と如月さんとベルさんは少し話をした。
「フゥー、ちょっとビックリしました! 睦月サンの好きな人が一ノ瀬サンだったなんて」
「そうだね。いつも一緒だから仲が良いのは知っていたけど、恋愛感情で悩んでいるなんて気づかなかったよ!」
「人は誰しも一つや二つ、悩み事を抱えているって言うけど、生徒会長も例外じゃないんだな。客観的に見ると完璧超人に見えるけど、今日の生徒会長は、普通に恋する女の子に見えたな!」
「そうだね」「そうデスね」と二人も同意した。
「恋愛すると判断力が落ちるって言うけど、まさにそんな感じだったな」
「え!? そうなの?」如月さんがビックリした顔で聞いてきた。
「あぁ。恋は盲目って言うだろ。あれって科学的にも正しくて、人は恋愛するとチンパンジー並みに判断力が低下するって言われているんだ! つまり……恋をするとアホになるってこと!」
「そうなんだ! 私も気をつけなきゃ」如月さんは小さく呟いた。俺から見れば、如月さんが霜月のことを好きなのはバレバレだが、そこはあえて言わずに見守ろうと思った。
「それにしても、水無月くんが睦月さんに質問した時もビックリしたよ! どうしてあの質問をしたの?」如月さんが聞いてきたので、俺は知っている範囲のLGBTQについて説明して、質問の意図も伝えた。
「そうだったんだ! 私もなんとなくは聞いたことがあったけど、詳しく知らなかったよ」
「ワタシも会ったのは初めてデス!」
「俺もこうやって相談されるのは、初めてだな! 前にLGBTQの本を読んで調べたことがあったから、最低限のことは知ってたけど、正直なんて言えばいいか迷ってたんだ。後日改めて来てもらおうかと考えていたら、ちょうど放送がなって助かった」
「そうだったんデスね! ワタシもあのままだとテキトーなこと言っていたかもしれないので、考える時間が出来て良かったデス!」
「私もしっかり勉強しないといけない」如月さんは体の前で両手をグーにして、頑張るぞというようなポーズをしていた。
「そういえば、二人は一ノ瀬初雪さんがどんな人なのか知ってるのか?」
「ワタシは、顔と名前を知っているくらいデス。どんな人なのかはわかりまセン」
「ベルさんはまだ来たばかりだからな。知ってる方がすごいと思う! 俺なんか一年以上同じ学年でも知らないからな」
「それは水無月サンが特殊なだけデス」一応ベルさんをフォローしたつもりだったが、逆にツッコまれてしまった。
「私も同じクラスになったことないからあまり知らないなぁ。知ってることは、睦月さんと仲が良いってことくらいかな」
「そっか。わかった。一ノ瀬さんがどんな人かは俺も自分で見て、確認してみる」
「情報収集だね! 私も友達に聞いてみるよ! あと勉強もする!」如月さんがいつもよりやる気に満ちているように見えた。
今日は調べることがあるため、俺たちはいつもより早めに帰ることにした。
読んでいただき、ありがとうございます。
次回もお楽しみに。




