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眠らずの獅子と目覚めのハーブ  作者: 煎茶
第一章
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プロローグ

セトカは気が付くと、森の中にいた。

「え?」

都会の交差点にいた筈のセトカは、360度を緑に囲まれた森の中に立っていた。

思わずへたり込むと、視界がハーブで埋まった。あれ?私もうドイツに来たんだっけ?

ハーブの勉強でドイツ本社に移動するコトになって居たが、行くのは来週だった筈…?

そうよ。さっきまで会社前の歩道に立っていたのだ。

私、車事故に巻き込まれて死を覚悟したのに…。

6年付き合った彼との別れ話に、彼の二股相手の後輩がしゃしゃり出て、大騒ぎした挙げ句、私は気付けば自動車事故に巻き込まれて命を落とした。

と思ったが、これは何事?


思わずその場にへたり込んだセトカの視界一杯に爽やかなハーブが飛び込んできた。

「わぁ!カモミールに、矢車草、チェリーセージにブラックベリー、エトエカスに、ニゲラね。

やっぱり死んじゃったのね…でも流石、天国だわ。とっても素敵な場所。」

落ち込むべき処なのだろうが、セトカの理想を具現した様な絶景に笑顔が零れた。

手近な何本かを手折り、小さなブーケを作る。

仏花を自分で作るのはおかしいかしら?でも、同じキク科なら自分の好きなカモミールの方が嬉しいわ。

折角だから、ピンクも赤も入れて華やかなものに仕上げる。

その小さな花束を手に草原に横たわったセトカは、柔らかなハーブの香りを感じながらゆっくりと息を吸い込んだ。

お気に入りのセルリアンブルーのマキシ丈ワンピースと大事に仕舞っていた7センチヒールのサンダル。

好きな物に囲まれて天国に来たら、その後はどうなるのかしら?

そんな事を考えつつ、セトカは心地よい風に吹かれて何時しか眠り込んでいた。





初投稿です。宜しくお願いします。

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