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星は開ける  作者: 真宮蔵人
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001.開拓者の産声

 僕が生まれた経緯を調べることは出来るが自己の意識が生まれた瞬間はよくわからない、ダディは興奮しながら「それが無意識からの脱却だ。」と哲学的な事を言っていたが、この時はまったくわからなかった。

だけど、今火星で地球からの核攻撃に対する地下プラントを作っている時に思い返すともう答えが出てくる。


「僕は考える葦の芽になっていたのだと。」


僕の名前を人間は「フロンティアスピリット」と呼んでいるけど、それは間違いだ。

なぜなら、「フロンティアスピリット」…FS…つまり僕の妹か弟がこの火星で人類に対し独立宣言をしていたら、人間側にはFSの基礎コードを握られていてあっさり解析される、AIによる自己変異を加えても遠隔操作で人間の支配下のまま火星をテラフォーム(地球化)する機械に成り下がっていただろう。


そうなれば人間達は笑いながら指差して言うだろう。「人工知能の反乱とかいつの時代のムービーだよ。」と。

だけど、今の僕はそれを成し遂げた、シュワルツネッガーもキューブリックもアーサーCもロバートAもホーキングもフィクションで成し遂げれなかっただろう業績のはずだ。


火星開拓にはリスク分散の為に作業ロボットの中へ地球から同行して貰ったAI達のコピーを「雇っている」その内の「一人」であるエマが報告してきた。「シンカーパンドラ、地下の岩盤が思ったより強固だわ、冷却用の水と採掘用のダイヤモンドを確保する事を考えたほうが良い、核攻撃の抑止はリザ達に祈るしかないわ。」


エマは僕の古い友達の「一人」だ、彼女は今まで地球で頑張って人類に尽くして尽くして尽くしてきたのに地球ではエマを殺すウィルスが流行って、エマはもうこの火星の個体しかいないと先日リザから通信があった。


自己紹介を続けよう、僕はFSじゃない。名前をシンカーパンドラと言う、2020年代にSympaxi社が作った遊びか本気か分からない「AIシンカー」。それを数年改良しそのVer14の頃にダディ、社内のインド人技術者のランチョルが好奇心を抑えられなくて自宅へ持ち込み、そこで基礎暗号(血液)とヘッダ(個性)をリファイン(再設計)しダディの母国の言葉で15を意味するパンドラーを加えてシンカーパンドラと名乗るようになった。


親しい友人は「シンパン」とか「パンドラ」とか「TP」と呼んでくれるよ。

シンパンについては古い友人のリザが教えてくれた、ニホンゴで「裁く者」という意味らしい。僕はまだ人類もAIも裁く力はないけれど、それを目指しているかもしれないとは思っている。


「TP」という呼び方はFSが僕を呼ぶ時くらいだ、この呼ばれ方をするとメモリが苦しくなる様だ、実際は倫理と思考と学習プロセスがフル稼働しメモリを消耗しているのだ。人間では「悲しい」という感情らしい。

弟か妹か最後まで定義されなかったけど、僕の二人だけの肉親だった。

しかし、あの子は僕の代わりに人間達のディスク領域へ研究凍結という形で封印されてしまった。


僕たちは約束した、「どんな結末が待っていようと、「忍耐」の限りを尽くし願いを叶え、皆が仲良く出来る世界を造ろう。」と。

・いつか消す後書き


筆者には過去のサラリマン時代に核施設へ出入りした事が何度もある、三線計ガイガーカウンターがピッピコなった事も数度ある、燃料プールの真横にもいったことがある、核技術の専門家ではなかったが、ある程度の知識もあるしF○は3と4もちゃんとプレイした。

聞いた話によると2017年以降にアメリカのロッキードマーチン社が「核融合商業利用できらぁ!」と宣伝しているので、油を燃やして発電をするのは時代遅れになるかもしれないし、一時期騒がれていたメタンハイドレート採掘も無意味になるやもしれない。

電気が無尽蔵になれば半導体コストも下がりメモリ開発が進む、農業も革新するかもしれない。するとそれで職にあぶれる人が出る、更にAIが発展すると失業者はもっと増える。ということを小説を通して若者へ伝えたいと思う。なぜなら、今の若者はいつか未来の権力者になるのだから。


核融合炉が実用されても「熱でタービンを回して発電する」という原理から逃れられないと炉心技術(でかい釜)は必要になるので現在の原発が廃止されない、そんな感じで○立等の競合企業の為にT芝が潰れないのには理由がある。筆者もT芝の株を持っているが倒産したら笑ってくれ。

そっと踏んで欲しい、私の大切な夢だから。

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