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「笑っている」  作者: シーエヌ
3/5

その3

上下関係も苦しんだ。

小学生の頃はそんなものなかったのに、どうして中学上がった途端、厳しくなるのだろう

野球部においても、小学生の頃は優しかった先輩も僕だけキツく扱いてきた。

「ノブ、お前顔と態度がムカつくんだよ。」

先輩は僕の顔や態度が気に食わなかったようで、僕にボールを当ててくるようになった。


野球部ではないが、他の先輩からも僕は良く思われていなかったようで、

本田先輩には会うたびに殴られていた。

その当時はそれをイジメと認識していなかったが、今思えばそれはイジメだったのだろう。

当人がイジメと認識していなかったからイジメではないのかもしれないが・・・。


本田先輩がとにかく嫌だった。

会えばすぐに殴られるから、とにかく会わないよう会わないよう逃げながら校内を移動していた。

2Fのトイレで出くわしてしまった日のことは未だに忘れられない。

2Fは上位生以外が使用してはいけない暗黙のルールがあったが、僕はあまりにもお腹が痛くてすぐ近くの2Fトイレに駆け込んだ。

たとえ先輩の声が聞こえたとしても、個室から出なければ問題ない。問題ないはず。

静まり返ったことを確認し、個室から出た瞬間、入ってきたのが本田先輩だった。

僕を見るなり獲物を見つけたような目で襲いかかる。

元々ギラギラしてる目だけに余計に怖い。

柔道で鍛えた餃子耳が視界に入る。

気付けば僕の学ランのボタンは全てなくなっていた。

そして泣いていた。


親にバレることだけは絶対にあってはいけない。

親に知られるとどれだけ気まずいことか、どれだけ恥ずかしいことか、どれだけ情けないことか。

僕はすぐに購買部に行き、ボタン5つ、新品を購入し取り付けた。

小遣いのなく、正月に貰えるお年玉で一年の費用を捻出している僕には痛手であったが、親にバレるより遥かに良い。

同級生にも見られていた為、同情の目が痛かったが、特に好きな女子からの同情がもっともキツかった。

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