第六十九話 散策
次の日の朝、俺達は宿の一階にある食堂で、朝飯を食べていた。
「フレアちゃんとレーナちゃん眠そうだけど、昨日寝れなかった?」
「いや、大丈夫だ、気にしないでくれ」
「大丈夫です」
サーラがフレアとレーナにそう聞くと2人はそう答えた。リアナは何でもない様にその隣で朝食を食べている。昨日部屋に帰ってからなんかあったのか?怖いから聞かないが。
「ふーん、まあいいや、それで?今日はどうする?」
「俺はメイカーを散策したいな」
俺はそう提案した。
「いいんじゃないかい、いい魔道具が見つかるかもしれないしね」
「私もそれでいいわよ」
俺の提案に、リオンとリアナがそう言った。他の者もそれに賛成の様で、今日はメイカーを探索する事に決まった。
「って言っても何処から行くかな」
「東の通りには、魔道具の店が密集しているから、そっちに行くのがいいかもよ」
悩んでいると、サーラがそう言ってきた。
「じゃあそこに行ってみるか」
俺達は東の通りに向かった。
東の通りには、道の両サイドに沢山の魔道具の店が並んでいた。
俺達は、何軒かの店を巡り、次の店に入った。そこはアクセサリーの様な、小物の魔道具を取り扱っている店だった。
「これ綺麗ね」
リアナは氷の結晶の形をした、ブローチを手にとりながらそう言った。
「これも、魔道具なのか?」
「そうだぞ、それはライフコネクションって言う魔道具で、それは2つ以上で1セットの魔道具なんだ、身につけるブローチに自分の事を登録して、その後他の奴が持ってるブローチ同士も登録する、そして登録してある人間が死ぬとブローチは砕け散る、すると登録してある、他の者が持っているブローチも砕け散る様になってるんだ」
俺の声が聞こえた様で、この店の男が説明をしてくれた。
「なんだか、物騒な魔道具だな」
「元々は戦争中とかの諜報員に持たせてた物らしい、そうすれば諜報員が死んだ時に分かるからな、だけど今じゃ、そこにある物みたいに綺麗なデザインにして、贈り物なんかによく買われているぞ、夫婦やカップルで一緒につけたりするらしい、そこにあるのなら他のデザインのやつ同士でも登録出来るぞ」
男はそう言った。
「なるほどな、さっき2つ以上で1セットって言ってたが、何個まで登録出来るんだ?」
「特に制限は無いぞ」
俺はブローチを眺めている、リアナを見た。
「リアナそれ買ってやるよ」
「えっ、いいの?」
リアナは俺に聞き返して来た。
「ああ、リアナに似合いそうだしな」
「あ、ありがとう」
リアナは顔を赤くしながらお礼を言ってきた。
「レン、リアナだけずるいぞ」
すると、いつの間に近くにいた、フレアがそう言ってきた。
「じゃあ、フレアも選んでいいぞ買ってやるから」
すると、レーナもリアナが持っている、ブローチをチラチラ見ている。
「レーナも好きなのを選んでくれ、一緒に買うから」
「あ、あの、ありがとうございます」
レーナは欲しがっていたのがバレたのが恥ずかしいのか、照れながらも礼を言って、フレアと一緒にブローチを選び始めた。
「なになに?みんなそれ買うの?」
「パーティーで私だけ仲間外れか?」
すると、他の棚を見ていた、サーラとリオンも近づいてきた。
「もう、3個も4個も変わらないから、2人も好きなの選んでいいぞ」
「ふふっ、ありがと、レン君」
「悪いね、有り難く選ばせて貰うよ」
2人もブローチを選び始めた。横を見るとリアナがジト目で俺の事を見ていた。
「ん?どうかしたリアナ」
「はぁ〜、何でもないわ……喜んでた私が馬鹿みたいじゃない」
リアナはため息をつきながらそう言った、最後の方は声が小さくて聞き取れなかったが、まあ本人も何でもないって言ってるし、問題ないだろう。
「せっかくだし俺も買うか、うーん、なあ、リアナ俺の分を選んでくれないか?こういうのを選ぶの苦手でな」
「そ、そうね、決められないなら、私と同じのにしたら?色違いのやつもあるし」
そう言って、リアナは白い氷の結晶を渡してきた。
「じゃあ、これにするかな」
「お揃いのブローチ……」
リアナが何かを呟いた。
「何か言ったか?」
「ううん、何でもないわ」
リアナは首を横に振りながらそう言った、何だか顔が赤い気がするが、気のせいか?
「レン、決まったぞ」
「ああ、じゃあ買うか」
俺は全員分の会計を済ませて店をでた。それぞれが買ったブローチは、リアナが水色の氷の結晶の形で、レーナは白い十字架、フレアは赤い炎の様なデザイン、リオンは黄色の幾つ物の剣が重なって出来た独特のデザインの物、サーラは緑の木のデザインで、俺はリアナと色違いの白い氷の結晶の形のブローチを買った。
それぞれ自分の事をブローチに登録して、6人全員のブローチ同士も登録をした。俺達はその後も街の散策を続けた。




