第一話 元気な神様
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「あ?ここは何処だ?」
俺は何もない白い空間で目を覚ました。
「う〜ん、何してたっけ?俺ていうかマジで何処だ」
周りを見渡しても見える範囲には誰も居ないし壁なども見えない、俺がこれからどうしようか悩んでいると、そこに場違いな明るいアホそうな声が響き渡った。
「おめでとうございま〜す‼︎貴方は抽選で異世界
転生者に選ばれました〜〜。パチパチパチ〜〜」
突然現れたそいつは、ショートカットの赤髪に、明るい笑顔を浮かべてこちらを見ていた。
歳は16か17歳ぐらいで顔は幼さの残る感じだが、今まで漫画やアニメでしか見たことがないような美少女だった。
「え〜と異世界転生者ってなに?ていうかここは何処で貴方は誰?」
「あははっ!記憶喪失した人みたいなこと言いますね。え〜と質問に答えると此処はあたしが創り出した空間で、あたしは神様で、異世界転生者って言うのは、そのままの意味で貴方には異世界に転生して貰いま〜す」
赤髪の女の子は本当に楽しそうな笑顔を浮かべて答えてきた。だけど説明を聞いても意味がわからん。
「神?お前が?」
俺のその質問に赤髪は頬を膨らませながら、答えてきた。
「あー‼︎その顔は信じてませんね‼︎」
「うん、だってなんかアホそうだし」
「なっ‼︎アホって何処がですか‼︎こんな可愛い美少女に向かって」
「いや、なんか喋り方とか雰囲気が、それにアホかどうかに顔関係ないだろ」
「ふんっそこまで言うならいいでしょう、貴方に神の力見せてあげますよ」
そう言って赤髪の自称神がしゃがんで地面に片手をついた。すると地震のように地面が揺れ始め周りに白い神殿や家が突然地面からはえてきた、
「はっはっはっ〜‼︎どうだ見たか‼︎これが神の力だ‼︎」
すごいドヤ顔でこちらを見ていた。
「まあ、確かにすごいな、お前が神だっていうのは一応信じよう。それで、俺がなんで此処にいるのかとかもっと詳しく説明してくれ」
「まだ一応なんですね。まあいいでしょう。え〜とこちらにある資料によると貴方の名前は高梨 蓮さん17歳の高校生で、顔は中の上あたり、彼女はなし、趣味は漫画やラノベ、アニメ鑑賞にサッカー、家も一般家庭で父と母の3人家族、学校でも良好な友人関係を築いていて充実した毎日を過ごしていた。まぁどこにでもいる普通の青年ですね〜、あたしをバカにするところは頂けませんが、まあいいや〜、それじゃあ詳しく説明しますね〜」
赤髪はそう言って俺が此処にいるわけと、異世界転生について説明を始めた。
赤髪の説明を、分かりやすくまとめるとこうだ。
・俺は実は事故ですでに死んでいる。
・俺が此処にいる理由はあの世にいくはずの魂を赤髪がここに連れてきたから
・なぜ連れてきたかとゆうと赤髪のした異世界に行く魂を選ぶ抽選で俺が選ばれたから
・異世界転生とは言っているが体は今のままで行って貰うので本当は転移が正しい、だけど1回死んで体は1回無くなっているので転生と呼んでいる
・異世界に転生する場合1つだけ抽選で選ばれ能力を持って行くことができる。
・転生する世界は剣と魔法の世界で冒険者や魔物も存在する
・ 異世界に行くのを拒否することはできる。しかしその場合はあの世に行って貰う。
「ふぅ〜、こんなとこですかね、ご理解頂けましたか〜」
赤髪は額のかいてもいない汗を拭うフリをしながら聞いてきた
だけど俺は若干パニクッていた。
「えっ!俺ってもう死んでるの‼︎」
「はい‼︎死んでます‼︎」
「そんな笑顔で元気よく答えるんじゃねえよ‼︎」
「だけどそろそろ思い出してる頃じゃないですか?死んでから時間も経ちましたし。分かるはずですけど?」
そう言われて思い出そうとしてみたら学校帰りに突っ込んできた乗用車に轢かれたことを思い出した。
「あー、確かに死んだっぽいな」
「結構あっさりしてますね。もっと落ち込んだりないんですか〜?」
「そりゃ多少は落ち込んでるわ、でもそこまでやりたかったこともないしな、家族や友達に会えないのは寂しけど、俺的には異世界転生って言うのに結構テンション上がってる、アニメやラノベでも異世界物は好きだったしな」
「おっ!じゃあ転生するってことでいいんですね。じゃあ抽選でさっさと能力決めちゃいましょう。」
「能力はどんなのがあるんだ?あとなんで抽選なんかやってるのかと俺意外に異世界に行く奴っているの?」
「う〜ん、まぁやってる理由はイベントみたいな物なんで深く考えなくていいですよ〜、べつに魔王を倒して世界を救えとかそんなことをお願いしたりはしないので自由に生きて貰って大丈夫です、あと大分昔に転生した人はいますけど蓮さんと一緒に転生とかはないです。能力はたくさんありますよ〜。例えば全属性魔法適性とか不死身の体とかですかね。まあ全部が全部そんな強いわけじゃないですけど」
俺はそれを聞いて高鳴る鼓動を抑えられ無くなっていた。そりゃそうだろ趣味がラノベやアニメ鑑賞なんだ、転生とかバトルや魔法には憧れがある。
「じゃあ、始めましょう、それではこのボタンを押してください‼︎」
いつの間にか目の前に巨大なガチャガチャが出現していた。中の玉の大きさは変わらないが、機械がクソでかいそして回す部分は無くかわりに、俺の前にスイッチのついた台が置いてあった。
「これを押せばいいのか?」
「はい‼︎やっちゃってください‼︎
「よし、強いカッコいい能力出てこい‼︎」
俺は気合いをいれてボタンを押した
すると箱の中の大量の玉のが回ってシャッフルされて、そしてひとつの玉が出てきて空中で割れたそこから出てきた金色の光が俺の中に入ってきた。
「うおっ!今ので能力が使えるようになったのか?」
「はい‼︎もうバッチリです」
「そうか、それで俺はどんな能力が使えるようになったんだ?」
俺は期待を込めながら赤髪に聞いた。
だが返ってきた答えは予想外の物だった。
「え〜と、蓮さんが使えるようになった能力は収納魔法ですね!」
ちょっと待ってくれ……収納魔法? それって結構デフォルトである能力じゃないか‼︎もっとこうなんか力が100倍になるとか、強い攻撃魔法とかじゃないのか‼︎いや、待て俺が知ってる収納魔法とは違う凄い魔法なのかも知れない、そうだな、きっとそうだ!
「え〜と、収納魔法ってどんな魔法なんだ?」
「はい‼︎収納魔法は蓮さんの世界のゲームなどでよくあるアイテムボックスみたいなものです。別空間に物などをしまっておける魔法で、中の時間は進まないので食べ物なんかも入れとけますよ?あっ、でも人や動物などの生きてる物は入れられません、あとスケルトン系の死んでる魔物でも活動してる状態の場合は入れられませんね。
転生の特典なので容量は無限ですよ〜」
俺の知ってる収納魔法だったーー‼︎
「もう1回引き直しとかは…」
「無理ですね1回きりで〜す」
「いや、でも魔物とかいるんだろ収納魔法でどうしろと‼︎」
「そこはまあ工夫でどうにか頑張って下さい。それと向こうでは色々な事があると思うので日本生まれ日本育ちの蓮さんにはきついと思うので精神力は強くしといてあげました。あとは自分でいろいろ試して下さいね。あっ‼︎そろそろ時間ですね」
すると、俺の足元がひかり始めた。
「ちょっと待て本当に収納魔法だけかよ、ていうかどこに飛ばされるんだ!」
「安心して下さい、服は向こうの旅人の服にしときますし、向こうの世界の旅人の道具1式と保存食を1週間分一緒に送りますので、向こうに着いたら収納魔法に仕舞えば全部運べますから、あとどこに飛ばされるかはランダムなので分かりません。じゃあ、頑張って下さいね〜。」
そう言って笑顔で手を振る姿が光に埋め尽くされ見えなくなった。