第三十九話 武闘大会予選①
あれから俺達は武闘大会まで、依頼を受けたり訓練をしたりしながら過ごした。俺は訓練の時間に武器屋に行ったりもした。そして、今日は、武闘大会の予選がある為俺達は闘技場に向かっていた。
「魔法の部門に予選はないから、予選があるのはフレアだけか」
予選があるのは、格闘だけで魔法の部門には予選がない、理由は、武闘大会には賞金がでるがそれが目的の者は少なく、それよりも自分の名を売る絶好の機会なんだとか、だから格闘に出る者は、冒険者としての自分の名を広める為や、観戦しに来る貴族や王族に自分の力をアピールしたりする為に出場してる者が多いらしい、毎年大会で優秀な成績を収めると大会後に貴族などからのスカウトがあるんだとか。それで何故ウィザードに予選がないかと言うと、もともとウィザードの数は少ないのでわざわざ大会でアピールしなくとも優秀なウィザードならいくらでも就職のあてはある為、武闘大会に出ようとする者が少ないのだ。
「でも魔法の部門は予選をしないでも強い人達が集まるらしいですよ」
「どうしてだ?」
そう言ったレーナに質問すると、魔法の部門にはさっきの理由で出場する選手が少ない事は広まっていて、弱いウィザードでも申し込めば出れるが、それをして恥をかいて貴族達に悪い印象を与えるよりも自分で力をつけた方が確実の為、弱い者は大会には出ないらしい、ではどんな者達が出るかとゆうと、自分の魔法の威力を試したい者、強いウィザードと戦いたい者、あとは直接戦って相手の強さを確かめてからパーティーに勧誘したりする者もいるらしい、今あげた理由などで出場する者達は、ほとんどの者が一定以上の強さを持っている為予選をやらなくても問題ないのだ。まあ、対したこと無いウィザードでも出場してるのはいると思うが。
「それでは、行ってくる」
「ああ、観客席から応援してるから頑張れよ」
「頑張ってね」
「頑張って下さい」
闘技場についた俺達は予選に出るフレアと別れて観客席に向かった。予選は20人ずつぐらいの人が一度に戦い生き残った者が本選に出場になる、それを16回行い、最終的に16人の人間が本選出場になる。
「フレアさん、大丈夫でしょうか?」
「フレアなら問題無いだろ、それに負けても魔道具のおかげで死なないんだから心配しなくて大丈夫だぞ」
レーナは心配そうにしているがフレアなら負ける事は無いだろ、むしろ他の出場者が可哀想な気がするが。
暫く話していると選手達が出てきた、闘技場は俺達の世界にあったコロッセオのような構造で選手が闘う場所を観客席がぐるっと囲む形で配置されている。今日の予選には貴族などは来ていないが街の住民や他所から来た人や冒険者などで客席は全て埋まっている。俺達は運良く席に座ることができた。予選は自由に観戦出来るが、本選を見る為には闘技場の受付で売っているチケットが必要になる、まあ本選出場者とその連れの人はチケットが優先的に買えるらしいので問題無いだろう。
選手は2つある出入り口から出てきて間合いをとって広がった、フレアは3グループ目なのでまだいない。
「ねえ、あれってダンクとか言う、リオンに絡んでた奴じゃない?」
リアナに言われた場所を見ると確かにダンクがデカイ斧を構えていた。
やがてマイクの様なものを持った男が開始を宣言した。
「それでは、武闘大会予選を開始します。第1グループ予選始め‼︎」
すると選手達は自分の近くにいる他の選手に攻撃を開始した。戦闘の様子はデカイモニターの様なものにも映し出されていて遠くからでもよく見ることが出来る。
「おらっ‼︎かかって来いやああぁあ‼︎」
ダンクは怒鳴りながら向かってくる他の選手を斧でなぎ倒していく。
「他に目立った奴もいないし、このグループはあいつになりそうだな」
「言うだけはあるみたいね、まあ戦っとしても負ける気はしないけど」
そりゃあ、魔法使ったら勝てるだろ。
「てゆうか、出血とか怪我はするんだな、痛みもあるみたいだし」
選手達は怪我をして血を流している、斬られて顔を歪めたり、叫んだりしている選手もいる為痛みもあるのだろう、だが死んだ選手はその場で光の粒になり消えている。
「死ぬまでは普通の体と同じってことか」
「そうみたいね」
「結構迫力ありますね」
その後暫く戦いは続いたが、このグループの勝者はダンクになり終わった。
次のグループは双剣使いの男が勝ち、いよいよフレアのグループの順番になった。続々と出てくる選手の中にフレアを発見した、大人の男の中に1人少女が混じっていて非常に目立っている。
「予選第3グループ始め‼︎」
アナウンスの号令で選手達が動き始めた。だが誰もフレアには向かって行かず、近くにいた者も他の選手を倒しに行った。なんでだ?
「まあ、そりゃいきなり少女を斬りに行く奴はいないわよね」
ああ、そうゆう事か、俺達はフレアの正体が火龍だと知っているが、周りからみたフレアはまだ幼い、戦う力などない普通の幼じ『ギロッ』………少女に見えるのだろう。
何故か心の中で幼女と言おうとしたら試合場にいるフレアに睨まれた。
フレアを放置したまま、第3グループの予選は進み、残っているのは1度も戦闘をしていないフレアと、銀色の鎧を来た1人の青年だけだ。
「僕も幼い少女を斬りたくはないから棄権してくれると助かるんだけど?」
鎧の青年がフレアに微笑みながら声をかける。
この闘技場には魔道具が色々と設置されていて、試合場で話している選手の声が観客にも聞こえる様になっていて、アナウンスの声と同じように観客全員に青年の声が聞こえた。
「何を言っている、誰も挑んで来ないから暇だったんだ、かかってこい」
「言って分からないならしょうがないね、大丈夫痛いのは一瞬だ‼︎」
言い終わると同時に青年はフレアとの間合いを一瞬で詰めると、フレアの首めがけて剣を水平に薙いだ。
攻撃をした青年と俺達を除いた観客の全員がフレアの首が飛んだと思ったがそうはならなかった。
「どうした?一瞬たりとも痛くはないぞ?」
フレアは右からきた剣をガントレットをはめた左手で刃の腹を指でつかんで止めていた。
まあもし当たったとしても無傷でピンピンしてそうだが。
「なっ‼︎どうやっ」
青年が何かを言おうとしたがフレアが顔面を殴った為に途中で中断された。手加減したのかダンジョンの時のように壁まで吹っ飛ぶ事はなく、青年は山形に飛んで行くと地面に激突した、落下した青年の首はおかしな方向に曲がっていて、すぐに光の粒になり消えた。
観客達は唖然としており、予想外の出来事に言葉を失っている様子だ。
「やっぱり問題無かったわね」
「フレアさん、凄いです」
リアナもレーナも笑顔でとても嬉しそうだ。




