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異世界で収納魔法しか使えないけど頑張る‼︎  作者: トキ
第一章 収納魔法

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第七話 旅路

 


  翌朝俺は寝ぼけ眼を擦りながらテントから外に出た。


  「おはよう、よく眠れたみたいね」



  リアナは既に朝食の準備をしているらしい、と言っても干し肉と湯を沸かしてスープの素を溶かすだけなんだが。


  「おはようリアナ、俺はしっかり休めたよリアナは体調とか大丈夫?」


  「ええ、私も大丈夫よ。もう出来上がるから朝食にしましょう。」



  リアナから朝食を貰って食べ始めた。



  「今日も昨日に引き続き街を探さなきゃな」


  「そうね、とりあえず話しの通じる人に会えれば街の場所とか聞けるのにね」


  「そうだな、まあそのうち会えるさ朝食を食べたらすぐ出発しようと思うんだが大丈夫か?」


  「大丈夫よ」


 

  その後朝食を食べ終わった俺とリアナは街を探して歩いていた。暫く歩いていると道がしっかりとしてきた、恐らく馬車や人が何度も行き来している内に地面が締め固まって出来た道だろう。


 

  「この道沿いに行けば人がいるところに行けそうね」


  「そうだな、この道の感じだと人の行き来がそれなりにあるみたいだし」



 



  その後道沿いに進んで行った、道からはいくつもの森が見えていたのでこの辺りには小規模な森や林が多いようだ。そのまま歩いていると近くの森から4人組の人が出て道の方へ向かってきた。



  「ん?」


  向こうも俺たちに気づいたみたいだ。



  「聞きたいことがあるんだけど少しいいか?」


 

  俺は4人組に声をかけた、リアナは俺に任せるのか後ろで傍観の体制だ。すると4人組の1人が代表して答えてきた。



  「ああ、別にいいがあんたらも冒険者か?」



  答えてきた男は茶髪の20代前半ぐらいの男だった。腰に剣をさしていて軽そうな鎧を着ているから恐らく剣士だろう。



  「いや、俺たちはまだ冒険者じゃないんだ、それで街か村を探してたんだがこの近くにあるか?知ってるなら場所を教えてほしいんだが」


 

  するとその男は訝しげにこちらを見てきた。


  「街ならこの道を進んで行けばカルダムって言う街があるがそんな事も知らないなんてあんたら何処から来たんだ?ここら辺の街はカルダム以外にないぞ?」



  俺はその言葉に答えるのに少し詰まってしまった。転移して帝国から来たなんて言えるはずがない、まあ言っても信じて貰えないと思うが。俺が答えに困っていると男の仲間の女性が助け舟を出してくれた。



  「ベイル、相手にも答えにくい事とかあるんだろうからいいじゃない」



  その女性も歳はベイルと呼ばれた男と同じぐらいで赤茶色の髪をした明るそうな女性だった。ダガーの様な物と短剣を装備している。



  「ああ、そうだな、悪かったな答えにくい事聞いて」



  男もそう言われて悪いと思ったのか謝って来た。



  「いや、気を使わせて悪いな、少し事情があってな。教えてくれて助かった、俺はレンって言うんだが、これから冒険者になろうと思ってる、で後ろにいるのはパーティを組む予定のリアナ」



  リアナは名前を呼ばれた時に後ろで軽く頭を下げていた。俺の自己紹介に続いて向こうも名乗ってきた。



  「俺はベイルだ、でこいつがセリア、後ろの盾持ちがブラム、でローブ着てるのがノアだ。俺たちは冒険者でパーティを組んでる」



  「よろしくね後輩くん」



  最初に答えた男ベイルに続いてセリアと言われたさっき助け舟を出してくれた女性も挨拶してきた。盾と剣を装備した大柄だが優しそうな顔をした男と、ローブを着て杖を持っている穏やかな笑顔を顔に浮かべている女性は、リアナと同じように軽く頭を下げていた。恐らく全員同じぐらいの歳だろう。



  「じゃあ俺たちは依頼の途中だからもう行くな。ここからなら昼過ぎには街につけると思う。途中魔物が出るかもしれないから気おつけていけよ」


  「じゃあね〜」



  そう言ってセリアは手を振りながらブラムとノアは軽くお辞儀をして街とは逆方向に進んで行った恐らく他の森に行くのだろう。


  「本当に助かった、そっちも気をつけて」



  「おう‼︎」



  4人と別れて俺とリアナは街の方向へ進み始めた。

 






  「途中どっかで昼をとった方がいいのかね?」


  「どうでしょう、でもどうせなら携帯食料じゃなくて美味しい物を食べたいわね」


  「そうだな、じゃあ街まで我慢して美味いもの食うか」


  「そうね、そうしましょうか」



 

  リアナと喋りながら進んでいると近くの林から何かがこっちに向かって向かってきているのに気づいた。


  そいつらは人の形をしているが醜い顔に低めの身長、手には無骨な棍棒をもっている、ゲームや小説で定番の魔物ゴブリンだった。


 

  「ゴブリンね、こっちが2人だけだから勝てると思って出てきたみたいね」




  リアナは林から出てきた6体のゴブリンを見ながら冷静に解説していていた。


  「悪いがリアナ俺にはあいつらを倒す手段がないから、任せても大丈夫か?」


  「そっかレンは収納魔法以外は使えないのよね。大丈夫よゴブリンぐらいならすぐに終わるわ」



  そう言うとリアナはこっちに向かってくるゴブリンに向かって片手を突き出して掌を向けた。




  「フロスト・アロー‼︎」


  するとリアナの前に10本ほどの氷の弓が出現してゴブリンに飛来した、氷の矢はそのままゴブリン達を貫きゴブリン達は何もできずに絶命した。



  「ありがとうリアナ、でも俺も早く攻撃手段を手に入れないとな街に行ったら剣とか買わなきゃな」



  「これぐらいどおって事無いわよ、でもそうね街に着いたら武器屋にいきましょ」



  俺達はまた街を目指して進み始めた。









  「ゴブリンはあのままでよかったのか?」


  「ゴブリンはどこも素材にならないし、あの位置なら他の魔物の餌にでもなるから大丈夫でしょ」


 

  道を進みながら話しているとリアナがなにかを閃いたのか俺の方を向いて言ってきた。



  「そうだ、なにかあった時の為に私の魔法を何個か収納しておいたらいいんじゃない?」



  なるほど、収納魔法で魔法を入れておけるんだからリアナに魔法を打って貰えばいいのか。



  「そうだな、確かにやっておいた方がいいな、リアナお願いできるか?」


  「了解、まかせて」



  リアナからさっきゴブリン相手につかったフロスト・アローとフロスト・アローより威力の高いフロスト・ランスを何発か打って貰って収納していった。

 



  その後は魔物と遭遇する事も無く進む事が出来た冒険者もちらほら見かけるようなり俺達と同じで街の方に向かっている者もいる。



  「あっ、街が見えたわよ」


 

  道の先に高い塀が見えるあれがベイル達が言っていた街だろう。まだ距離はあるが俺達はやっと街に着く事ができた。


 



 


 

 


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