第百五話 城壁破壊
<ジーグルト視点>
ドラゴンは城壁の上から飛び立ち、俺に向かって魔法を撃とうとしている。俺は周りを見回して状況を確認した。さっきのドラゴンからの攻撃は、大半はウィザード達が空中で撃ち落とせたようで、それ程の被害は出ていない。上を見上げるとドラゴンが魔法を撃ってきた。
「なめんじゃねえぞおおおぉぉぉぉ‼︎」
俺は地面に刺していた、大剣を2本ともさらに深く地面に突き刺した。そして俺は、大剣で地面を掬い上げるように振り上げた。めくられた地面は、空中に飛んでいき、ドラゴンからの攻撃はその残骸に当たった。攻撃は俺達よりも大分手前でまくりあげた地面にあったので、被害は出ていない。だがこのままではすぐに被害が出るだろう、今回は運が良かっただけだ。
「リーダー‼︎門に近付こうとするとドラゴンだけでなく、他の生物兵器も反応してきて近づけません‼︎」
「お前らは壁から離れろ‼︎俺がぶっ壊す‼︎巻き込まれるなよ‼︎」
それを聞いた仲間は急いで壁から離れ始めた。俺は大剣の柄をしっかりと握り直して、門では無く普通の壁の所に向かって、走り始めた。
「この程度の壁ぶっ壊してやるよっ‼︎」
俺は身体能力強化を全力で使って、城壁に剣を叩き助けた。
ドガアアアアアアァァァァン‼︎
すると、凄まじい音を立てて城壁の一部が吹き飛ばされた。俺が攻撃したところは大きく崩れており、そこから中に入る事が出来る。
「お前らはさっさと城内に入れ‼︎ドラゴン共も城の中までは入って行かないはずだ‼︎」
「リーダーはどうするんですか⁉︎」
「俺はこいつらを倒していく‼︎お前らがいたら全力で戦えねえんだよ‼︎」
俺の言葉を聞いた、革命軍の奴らは仲間にもこの事を伝えて、移動を開始した。
「ルミ、セシィー、頼んだぞ」
「はい‼︎リーダーも気をつけてね‼︎」
「私も頑張るよ‼︎」
俺は近くにいたルミとセシィーにそう声をかけた。2人も俺に返事をすると他の奴らと一緒に城の中に向かう、だが生物兵器達がそれを黙って見ている訳がなく攻撃をしてくるが、革命軍の奴らは防ぎながら何とか城の中を目指している。俺も攻撃をして、その後暫くして何とか中に送り出す事ができた。生物兵器達はここを守るように命令されているのか、壁の中に入ってある程度進んでしまえば追っては行かない様だ。だが王を殺してもこいつらが止まる可能性は低いので、仕留めておく必要がある。
「ふぅ、全員行ったみたいだな」
人がいなくなった為、生物兵器の標的は俺1人に集中している。
「さて、仲間も全員いなくなったし、俺の全力で相手してやるよ」
俺は2本の大剣を構えて生物兵器を睨みつけた。
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<レン視点>
「しかしここの地下は広いな、まだ階段が続いてるのか、さっきのスカルキングの部屋も結構な広さだったぞ」
「多分屋敷よりも地下の方が全然広いわね」
「なんでわざわざ地下に作ってるんだか、我には分からんな」
俺達3人は話しながらどんどんと地下に進んでいく。レーナに任せてきた部屋の扉から次に進むと、地下に続く階段がすぐにあったのだ。もうかなりな深さ地下に潜っているが一向に次の目的地につかない。
「おっ、あれが次の扉だな」
また扉が出てきたので俺はドアをそっと開けて、中の様子を伺ってから、中に入った。
「ここは天井が高いな」
「そうですね、地下だとは思えません」
そこの部屋は天井がとても高く、広さもかなり広い。
すると、スカルキングが出てきたときと同じ様に天井が開くと、そこから4体の竜が出てきた。竜は単体でSランクの依頼になる程の力を持っている。
「竜……だと、一体どうやって」
「あれは我が相手をしよう、お前らは先に行け」
フレアは竜を見上げながらそう言った。
「フレアなら問題は無いだろうけど、気をつけろよ」
「安心しろ、本当に危なくなったら人化の術を解いて、もとの姿に戻って戦うからな。しかしさっきから同じ様な敵の出方をしてるな、もしかしたら敵の目的は我達の人数を減らす事なのかもしれないな」
俺はフレアの言葉に納得した、確かに迎撃用にしては緩い構造をしている気がするな。
「まあ、とりあえずさっさと次の部屋にいって、クラウスの事をぶん殴ってこい」
フレアは俺達に先に行く様に促した。




