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おもい

一縷

作者: 誰彼小路


呆気ないほど簡単に、


千切れるものがあるのなら


歯ぎしりするほど頑丈に、


繋がるものもあるだろうか


笑えるくらい狡猾に、


張り巡らされた策よりも


驚くくらい単純に、


紡がれた言葉を愛したい



微温湯の中でいつまでも


絶望の数を論うばかりが


煮え湯のような世界の中を


泳ぐ術ではないのだと



砂浜から


一粒の欠片を拾い上げて


森の中から


一枚の木の葉を見つけ出して


瞳を閉じた時が最後なら


ずっと瞬きの中に


彼方の光を保ち続けて


過ぎ去った風の中を


恍惚と思い返すことがないように



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