表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/30

騒動9 メイドど根性!!&勇者登場!!

こんばんは。眠いですね…皆様、夜がお強いようで…。

メイドのミタリーでございます。


私…前回、「チェック、チェック」というセリフを「チャック、チャック」と…。

なんて卑猥な…なんて如何わしい…えっ?何がって!?

知らなければ、幸せということもございます。ただし私、欲求不満じゃありません。それはこれを書い…うぉほんっ。

訂正させていただきました。本当に申し訳ございません。

えっ?これだけじゃない…?



9回目ですね。嬉しゅうございます。では、どうぞっ!!

いつもの倍量っ!!お詫び更新…ってこれは独り言ということで。

 こちら――南門前のメイドのミタリーでございます!!

 


 只今、城南門前はすでに化け物が――おおっ!!数十体もっ!!

 騎士たちはおろか、『綺晶魔導師』たちでさえ苦戦している模様です!!

 


 私只今、頭を保護するためにお鍋を被り、右手には倒れた騎士から奪った盾を頼り

命懸けの実況をいたしております!!



 と、ここでリデル様とユアナ様――そしてぇ――リデル様の護衛役アキュリス様の登場だぞっ!!この方は城のメイド仲間たちでも大人気の、5本の指に入る美形で有名な方なんですっ。



「ミタリー…鍋なんか被って…なんでお前はここにいるっ、ミタリーっ!!邪魔だっ!!城の中へ入っていろっ!!でないと、今ここで首にしてやるっ!!」



 なんてことをリデル様っ!!それではパワハラですっ!!



「早くしろっ!!首になりたいかぁっ!!」

「は…はいぃっ!!」



 皆様っ大変申し訳ございませんっ!!

 詳しい実況は城の中から行いますっ!!メイドを首になっては、このお話が終わってしまいますのでっ!!あしからず――っで、ございます!!



◆◆◆




 ミタリー――信じられん――。どこまで覗き根性丸出しなんだ。命も惜しくないとは。



「ほっときましょう…あの者は……」

 アキュリスの言葉。こいつも被害に合っている口らしい。どこまで出没するんだ、あいつは――。



「あいつらは?」

 ユアナの質問で我に返る。

「…人間の屍に、『ブルゾス』という…「死霊」の一種が憑依した化け物だ。それを「悪霊デナモス」と呼んでいる。 

 今日は一段を多いな…その上…四足の「ディアボロス」まで。野犬でも食らったか…」

 どうして街中に――いくら人が集まる場所に出没しやすいと言っても、この出現間隔では『不浄地』と然程変わらんぞ。



「あいつらをやっつければいいの?」

 そう――ユアナは俺に再度聞いてきた。どちらかというと「確認」のような問い方だ。

「お前は見てろ。あいつらとの戦い方もわからないだろう。腕に覚えがあるようだが、あれは普通の化け物とは意味が違う」

 ユアナは俺をまっすぐに見つめる。

「大丈夫……なんだかわからないけど、ボクはあいつらと戦える気がするんだ」

 ユアナの話を聞いて俺は、まさか――と思う。

「お前…今「水晶」を持っているか?」

「?どうしてそんなことを今訊くの?」

 ユアナが首を傾げた。

「いいから…持っているか?お守り、アクセサリー…とにかくなんでもいい」

「…持ってないよ、そんなの」

「そうか…ならいい。お前では太刀打ちできない…我慢して見てろ」

「やだよっ!!」

 ユアナはすがる様に俺の右手を両手で掴んだ。

 本当に小さい手だ。16歳の少女というのが嘘なぐらいに。

「見てろ…すぐ終わる」

 俺は――どうしてそうしたのか。ユアナの額に軽いキスをする。



「皇子っ!!」

「今行くっ!!」

 アキュリスに促され、俺はすぐに返事をした。



「ここでいい子で待ってろ。いいな?」

 笑顔で――呆然としているユアナに言い聞かせると、化け物の方へ向き直った。



 俺は特殊な能力を持つ。

 この世界には、今俺たちの前にいる――このような化け物が溢れている。

 それはお祈りや何かの呪文で退治出来る連中じゃない。

 その化け物――『ブルゾス(青銅の民)』を退治出来る唯一無二の存在。それが俺のようなこの『ブルゾス』を『浄化』出来る能力を持つ『アトスポロス(使者)』という存在だ。



『綺晶魔導師』は――「メイスン」もしくは「石使い」などと呼ばれる。

それはこの世界――魔導術を行使するために、『神杯ネクトル』という特殊な力を持つ「水晶」が必要となる。

 


 それを自分の能力の源として使う。それが『綺晶魔導師』だが、本来の目的はこの『ブルゾス』退治のための能力であって、『綺晶魔導師』の中でも、強力な能力を保有する者たちが『アトスポロス』と呼ばれる。



 そして各『アトスポロス』の能力は皆それぞれに違う。

 特に俺のように持っている『神杯ネクトル』の力が強力だと、その能力を表す『名前』がつく。それが『名持ち神杯ネクトル』と呼ばれる。

 俺の『神杯ネクトル』の名前は『クリオネ(祝福)』。

 どういう能力かって?まぁ、見てろ。



◆◆◆



「騎士団、一時下がれっ!!皇子がお力を振るわれるっ!!」

 アキュリスの叫びに応じ、騎士連中が「悪霊デナモス」との戦闘から一時離脱する。



 俺の能力――『クリオネ(祝福)』は、俺の望みに応じて、様々な能力を具現化する。

 そして今は――敵の「腐食」を念じた。

 「消滅」など、あまり直接な攻撃の能力はない。それが俺の悩みではあるのだが――。

 騎士団の連中の腕を信じて、『浄化能力』を持たない連中でも、『ブルゾス』を倒せるレベルまでやつらを弱らせる。



 序々にやつらの動きが弱まり、アキュリスの号令のもと、騎士たちが一斉に「悪霊デナモス」に攻撃を仕掛けた。



 だが俺のもうひとつの弱点は、広範囲、長時間ということになると、能力の効き目が極端に落ちるということ。

 その代わり、一点、短時間ならばどんな強力な『ブルゾス』――生き物でさえ、絶大な効力を発揮出来る。



 今は広範囲――しかも量が多い。

 でもそんなことを言っていられない。騎士たちの命に関わることなのだから――。

 が、「悪霊デナモス」に効果は現れたが――。一番厄介な「魔獣ディアボロス」への効き目が薄いっ!!



 「魔獣ディアボロス」とは、「悪霊デナモス」が力をつけ、人や動物の屍――もしくは生きたまま――食らってその能力を奪い取った化け物のこと。

 生きたまま食らったやつらの能力は――俺がそいつに集中しない限り『浄化』は無理だ。

 これだけの数の「悪霊デナモス」を相手にしたまま、この四足の化け物の動きすら止められるのか?



 案の定、騎士たちの数名がその毒牙にかかる。



「くそぉぉっ!!」

「皇子っ!!無理はされないでくださいっ!!あの「ディアボロス」は我々でなんとかっ!!」

 アキュリスが俺を心配して声をかけるが、そんなことを言っていられる状況ではないっ。



 そのときだ。

 幾筋かの閃光が「魔獣ディアボロス」の体に走ったかと思うと、断末魔を上げ、突如消滅した。

 相手になっていた騎士たちも、刹那の出来事に、ただ呆然としている。



 それは純白の光。その光が動きを止めたとき――俺の目にその正体が飛び込んだ。



 ユアナだ。

 神々しい光に包まれ、鞘から抜いた「ビャッコ」を手にしている。

俺の視線に気がつくと、嬉しそうに手を振った。



「……あいつも『アトスポロス』なの…か?」

 「魔獣ディアボロス」を倒したあいつは、再び高速の移動を開始し、その軌跡は光の線となって、何十体という「悪霊デナモス」たちの間をすり抜けていく。否。斬りさき次々に消滅させていく。

 


 ユアナを包む光が消え――。その姿が俺の前に現れた。

 それはここ2日間で見慣れたユアナの笑顔で――。

「どう。だからボク強いでしょ?」

 と宣い――笑顔のまま、俺に手を差し伸べ――前かがみに倒れていく。

「ユアナっ!!」



 よく見たら、体中傷だらけじゃないかっ!!

「馬鹿かっ!!こんなに傷をつくってっ!!」

「でも…騎士の人たちは助かるでしょ?」

 痛みを我慢し、笑顔を無理やりつくって強がる。どこまで馬鹿なんだ――。



 だが気がつくと、騎士たちが歓声を上げている。

「皇子っ!!そのお方は…やはり正真正銘の「勇者」様なのですねっ!?」

 アキュリスが嬉しそうに駆け寄ってくる。



「アキュリス。申し訳ないがあとを頼む。その勇者様が怪我をされたのでな。

 治療をしてくる」

「はい、そうですね。勇者様、本当にありがとうございますっ!!」

 頭を下げるアキュリスに――ユアナはにっこりと微笑んで

「ボクの名前は千歳優愛菜だよ。優愛菜って呼んでね」

「はい、ユアナ様っ」

 そう答えたアキュリスの瞳が――歓喜で輝いていた。


 



 俺はユアナを抱き上げ、急いで部屋へと運んでいく。

「ボク、歩けるよ」

「うるさい…言いつけを破りやがって……」

「化け物全部やっつけたのに…」

 不貞腐れた様子のユアナに、俺は苦笑いを浮かべた。

「とにかく今は黙ってろ。部屋まで運んでやるから」

「うん…わかった」

 素直に応じるこいつが――今、一番可愛いと思う。



 どうかしてるな、俺は――困ったものだ。





◆◆◆



 なんか知らない間に――終わってしまいました。

 一体何だったのでしょう?ユアナ様が活躍された――のでしょうか?!



 はっ!!気がつくとリデル様とユアナ様のお姿がありませんっ!!

 まさかお部屋に戻られたのかも――ちょっと確認してまいりますっ!!



 またまた移動のお時間をくださいませっ!!しばしお待ちをっ!!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ