騒動4 今日から2人!?
お久しゅうございます。覚えてくださってますか?
メイドのミタリーでございます。
ようやく皆様にお会い出来ました!!
では4回目のお話でございます。
あら――あらあららららっ?
失礼いたしました。毎度――4度目、メイドのミタリーでございます。
なんと。なんとなんとっ。皇子とユアナ様がご一緒に、こちらに向かってくるではありませんかっ!?
一大事でございます!!ドキドキ、ラブラブなので――しょうか?
なんとユアナ様は、リデル様のマントを身につけられ――あっらぁ――。
リデル様ってば、ちょっと誇らしげのような?
◆◆◆
〈リデルサイド〉
「ミタリー。お前、俺の部屋の前で何をしている?」
「はい。お茶のご用意を…と思ったのですが、あいにく茶葉を切らしておりまして。
他の茶葉でよろしいかお伺いに……」
「ああ。別に構わん」
俺の部屋の扉の前で――ミタリーが待っていた。
はぁ――この女だけはなんとかしたい。
「お茶って…紅茶のこと?」
ユアナが俺の後ろからひょいと顔を出す。
大きめのマントにくるまれたって感じで――なに気に可愛い――な。
「そうでございます」
「ボク、コーヒーがいいな。ある?」
「コーヒーでございますか?確かあったかと……」
「じゃ、それがいい」
ユアナがミタリーにそう言いつけて――俺の顔を見上げた。
「じゃ、用意してくれ」
「リデル皇子は…どのように?」
「俺もコーヒーでいい」
早くこの女を――ミタリー――を排除出来れば、なんでもいい。
「ではミルクはご用意いたしますか?」
「ボクはブラックでいい」
「リデル皇子は?」
「俺もブラックでいい。あ…一応ミルクと砂糖は用意してくれ」
「はい、かしこまりました」
ようやく排除出来る。
「それでリデル皇子……」
「今度はなんだっ!?」
なかなかミタリーが俺の部屋の前から離れない。
「その…「女性」は…どなたでございます?」
そうだった――ユアナのことを忘れていた。
「名はユアナ・チトセ殿。少々わけありでな。俺の客人だ。粗相のないようにな」
「はい、かしこまりましたリデル皇子……それで」
「もういいだろうっ!!」
◆◆◆
ユアナ様の今後のことをお聞きしようと思っていたのですが――。
早く2人きりでラブラブしたいからって――確かに胸はある方でございますから。
皇子も早速今日から――とお考えの様子。がっつきすぎると、女性には嫌われてしまいますよ。本当に――困ったやんちゃなリデル様でございます。はい。
「どうしたの、リデル?」
「ん――っ?ちょっとな」
リデル――呼びつけか。まぁ、いいか。
「わぁ、さすが皇子だねっ!!ベッドでかっ!!」
どう見ても子供だよなぁ――ユアナは。
俺のベッドに飛び込んでるし。
「ねぇ、ねぇ。ここなら2人で寝ても大丈夫だよねっ!?」
「あぁ。2人ぐらい余裕って…今なんて言った?」
ベッドから上半身を起こし、ユアナが瞳を輝かせて訊いてきたので、俺は答えかけてって――おい、ちょっと待てっ!?
「うん?だから、今日からボクはここで寝るってこと。
少し寒いからさ、この国。ボク寒いの苦手なんだ。頼むね」
「……はぁぁぁっ!?正気かお前っ!!?俺、男だぞっ!!」
「そうだよ。でもリデルは「皇子」なんでしょ?皇子が悪いこと出来ないよね」
どういう固定観念なんだよ?頭が痛くなってきた。
「お前さぁ…」
「ボクの面倒みてくれるって言ったよね?ちゃんとみてよね」
満面の笑みで微笑むユアナに、俺は目眩を覚えた。
マリーンの野郎――早く、ユアナを元の世界に帰す方法見つけやがれっ!!
◆◆◆
私、考えてみたら――コーヒーを入れるのは初めてでございました。
この豆をどうすればコーヒーになるのでしょう?
少々訊いてまいりますので、しばし、お時間をくださいませ。
失礼いたします。