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騒動21 ミタリー叱られる?

〈アキュリスサイド〉

 最近寝覚めが悪い――原因は――あのミタリーだ。



 皇子が俺に、「ミタリーはどうもお前に気があるようだ。マリーとの仲を勘違いしているかもしれないから気をつけろよ」と言われた。



 何故マリーとの仲を勘違いされないと――その前にどうして俺に気があるってことになるんだ?

 前にお茶に誘われたときに――忙しいから暇になったら俺から声をかける――と言って断ったことがいけなかったのか?



 この1週間――気がつくとミタリーの視線を感じてる。

 よく皇子たちは平気だったと思うぞ。

 前に部屋のバルコニーまで押しかけたっていうぐらいなのに――。

 これは早急に、メイド長に報告しないといけないな。

 このままじゃ――俺の身が持たない。



◆◆◆



〈リデルサイド〉

「…と、言うわけなんです」

 


 俺の部屋。

 ほとんど当たり前のようになってきた――アキュリスとマリーの存在。

 ユアナが楽しみにしているからいいんだけどな。

 え?ユアナがよければお前はそれでいいのかって?いいに決まっているだろう!!――開き直ったぞ。もう…。

 


 アキュリスがとうとうメイド長に泣きついたらしい。

 どうもマリーも同じ被害に遭っていたと言うし。

 その件はミタリーに直接、「マリーを色々詮索するな」と注意はしておいたのだが。

 直接詮索しない代わりに、こそこそ隅で覗きをしているという――それと合わせてメイド長へ俺からもキツく注意しておいたが――さて。



◆◆◆



 お久しぶりでございます。ミタリーでございます――。



 私――何故かメイド長に大変怒られてしまいました。



 それは…まぁ。リデル様たちの他に――個人的にですよ。

 個人的に興味のある方たちの――まぁ…その。なんですの――。

 本当に――付き合っているのかぁ…なんてことをですね。調べただけなんですよ。



 皆様にもそんな経験ございませんか?



 クラスに可愛い女子がいるなぁ…とか。素敵な男子がいるなぁ的な?

 家まであとをつけてしまったりして――。ドキドキしながら、帰りはどんな店に寄ってたりするんだろうとか――見つからないように、気がついたら家の前までつけていた。

 


 そんな経験でございます!!



 え?ない?好きな子がいてもそんなことしない?それ――犯罪?

 


 ちょっと酷くありませんか!?確かに犯罪はしてはいけないことですわっ!!

 それに私がしたことは確かに――このお話からは――関係ないことですけどね。 

 そうなんですけど――。



 これからはこのお話に関係ない「覗き」――ではなく、調べ物には気をつけます。

 


 でもどうやらあの2人はお付き合いはないようです――これは安心の確実情報ですね。

 それがわかっただけでも、今回は「よし」ということで。



 これで安心してアキュリス様を見ていられる――ではなく、リデル様とユアナ様のお話を皆様にお届け出来ます!!

 乞うご期待!!ですね。



◆◆◆



〈リデルサイド〉

 翌日。



「ミタリーの覗きが止んだって?」

「ええ。今朝からピタリと…。メイド長のお叱りが効いたんですね」

 アキュリスが少し痩けた頬が緩み、嬉しそうな顔で言った。



 どうだかなぁ――と思ったが。



 と言うのも、今朝は――いや「も」だ。

 へこたれずに、俺の部屋の前にいたからな――あいつ。



「マリーも?」

「はい。ミタリーさんの視線を感じなくなっただけで、憑き物が取れた想いというか……」

 ユアナの問いに、マリーも――こちらは恐怖を感じなくなった安堵感が全面に押し出された笑みを称えている。



 あいつは「悪霊化」しとるな。本当に――。



 そんなときだった――。

 俺の部屋の扉をノックする音がした。

 まさかっ!?「噂をすれば…」か?怖いにもほどがある!!



「リデル皇子。ヨハネスです」



 部屋の中にいた全員から――緊張感が抜けた。



「どうされた?」

 アキュリスが対応している。



「はい……前に皇子から以来をお受けした『ブルゾス』発生の件の調査が纏まりましたので、そのご報告に」

「出来ればここではない方が……」

 アキュリスが声を潜め、ボソボソとヨハネスと何かを話している。

 おそらく――『ブルゾス』か協会の件だろうな。

 


 俺が立ち上がりかけると――アキュリスの方から俺に寄ってきた。



「どうした?」

「はい。ヨハネスがここで皇子にご報告したいと…ユアナ殿や…その周囲の人間にも知っておいてもらいたい事だそうです」



 俺はしばらく考えて――隣のユアナの顔を見た。

 ユアナは俺に頷いてみせる。

 こいつ――俺の知らないところで、それなりに事態を考えていたのか?



「わかった。通せ」

「はい」



「では、私はこれで……」

 マリーが頭を下げて部屋を出ていこうとする。



「お待ちを。マリー殿にも知っておいてもらいたいのです。

 というより、味方は多い方がいい」

 部屋に入ってきたヨハネスは――そんな意味深なことをマリーに言った。



 マリーは困った顔をしたが――その場に留まり、座っていた椅子に戻った。



「リデル皇子…ご報告なのですが……」

 


 俺たちはヨハネスの報告に耳を傾けた。



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