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汐洛高校男子寮にて

「お届けものでーす♪」

せわしなく、10回ほど連続でチャイムが鳴った。


「はいはーーい」

この鳴らし方は決まって、あいつが来たという合図となっている。


「はかせとフウ君こんにちはー♪」

「あー、やっぱり時野さんじゃないですか。今はかせ呼んできますね。」

足音が聞こえる。すたすたと、急ぐことなく落ち着いて俺のそばにより…


「部長!部ーーちょーー!起きてくださいよ!」

「ううん…ふにゃふにゃ、わさびをそんなに入れたらいくらなんでも危険だろ!」

「何逆切れしてるんですか?起きてください!」

こいつはおれの後輩の風月ふうげつだ。いつも俺の精神統一の邪魔をしてくる。


「なんだなんだ?地震か?雷か?火事か?おやじか?」

「そんなことどうでもいいです。」

「なんだ、風月か。ちょっとは笑えよ。」

「なんだじゃないですよはかせ。こないだホビー会社に送った食べれるシャボン玉が採用されるかされないかの通知が届いたんです。」

「はかせと呼ぶな!ボスと呼べ!あと、あいつが来ているのは知っている!」

そう言って俺は風月を見下してやった。


「いやいや別になんかの組織ってわけでもないですし…。それより時野さん待ってますよ早く出てきてくださいよー。」

「そう焦るな。どうせあいつも暇だ、いつもここに上がり込んでくるぐらいだからな!」

だが、さすがにこんな男子寮の前に女がいるところをあいつもあまり見られたくないだろう。

そう思い俺は少し急いで玄関へと足を運んだ。


「やっほー、今日も通知が届いたぞ!せっかく持ってきてあげたのに遅いよ、はかせはーー」

そういうとそいつはかぶっていたヘルメットをとった。


「はかせと呼ぶな! 博士ハクシだ!」

そう、おれの名前は「はかせ」ではない。「大門寺博士はくし」だ!そこのところ覚えていただこう。

そしてこの女、肩ぐらいまである若干色のぬけてきた茶髪。急いでいたのか、汗で落ちたのか分からないぐちゃぐちゃな化粧。まだ幼さが残る顔立ち。

こいつ、「時野 空美ときのそらみ」は俺の幼馴染で今は俺とは別の高校に通いながらもバイトをしている。

なぜこいつがここにいるかというと、こいつのバイトが郵便局関係の仕事だからだ。だからこいつは今よく見る郵便局のおっちゃんみたいな服装をしている。おかげで、頭部と胴体が全然マッチしていない。


「化粧が落ちてるぞ、みっともない、俺が恥ずかしい。」

「別にいいの♪どうせあんたのとこに配達来るんだからさ。」

いいや、この顔はひどい。妖怪そのものだ。


「風月、ちょっと手鏡持ってこい。」

「りょうかーーい」

10秒もたたないうちに風月は手鏡を持ってきた。俺はその手鏡を空美の真正面になるように押し付けた。


「うっわーー、ひどーーい。この顔はひどいわ。悪いはかせ!洗面所貸してちょうだい。」

「だが断る!」

「えーーーーーなんでーーー?!」

「はかせ!ナイス即答です。時野さんいっつも洗面所貸すと汚く使うんですよー。」

「ちょっとフウ君までひどいよー。はーかーせー、かわいい幼馴染の頼みごとを聞いてくれないの?」

かわいくない!といってやりたいがさすがに機嫌を損ねてしまうだろう。仕方ないか。


「わかったわかった。通知をおいて洗面所使ってさっさと仕事バイトしろ!」

「センキュー☆じゃあここに印鑑押してねー。」

「風月押しといてくれ。」

「はいはーーい」


バシャンバシャン!!ドコドコドコ……ドッカーーン!!


「えーーーっと…風月。なんだこの音は?」

「洗面所ですね~~」

「それはわかっている。何の音だと聞いている。」

「それは、時野さんが化粧してる音ですよ。」

「ですよねーー。」


10分後、


「やっときれいに塗り直せたよー」

空美が何もなかったかのように洗面所から出てきた。


「あれーー?まだ開けてなかったの?」

「お前がうるさくて開けたくなくなったんだ!」

「えーーー?何が?」

「自覚を持て~~~!!風月、洗面所片づけてこい!」

「えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー、わかりま~~~した~~~~。」


30分後


「やっと片付きましたよ。さぁ、はかせ。開けましょうよ!」

こういうときの風月の顔は小学生か幼稚園児みたいにキラキラしている。


「よし!開けるか!というかなぜまだお前がいる?」

「私も開けるとこみたい!!」

「いやだ!」「なんで?」「落ちてたら笑うから。」「笑わない!」「ほんとか?」「ほんと!」

結局いつも空美も結果を見ていくことになった。


「じゃぁ、開けるぞ。」


ゴクリ…

ビリビリビリビリ……

徐々になかの文字が見えてきた。

そこにははっきりと、「不採用」の文字があった


「またかーーーーーーーーー!!」

「残念です!」

「キャハハハハハハ………まただ。24連発で不採用。キャハハハハハハ…」

「笑わないっていっただろ!」

「ごめんごめん、いつものことだから…」


そう、いつものことだ。これが、おれたちの日常だ





ミスターです。小説というものを書き始めてあまり時間がたっておらず、まだまだ未熟ですが、アドバイスなどもたくさん頂けるとありがたいです。


この話は、汐洛高校に通う新ゲーム開発部のメンバーである風月と博士。そして博士の幼馴染で郵便局でバイトしている空美を中心として書いていくつもりです。

投稿は間が空いてしまうこともあると思いますがゆっくり楽しんでください。

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