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泣きもせず、笑いもしない

ちょっと暗めのラブストーリーです。よろしくお願いします。

 

             No.0 「泣きもせず、笑いもしない」 


わたるは部屋の中でテレビを見つめていた。カーテンが閉め切られた部屋の中で電灯も点けずに、彼は青白い光を放つそのテレビ画面の上を見るともなく、ただ、眺めていた。彼の指に挟まれている煙草の煙が薄明かりの中で霧のように漂っていた。やがて、短くなった煙草を床の上に置かれている灰皿に押しつぶすと、腰を下ろしていたベッドに倒れこみ、両腕を頭の後ろに回して天井を仰いだ。電源をつけたままのテレビから波のさざめきのような小さな音が漏れていた。彼はジャージのポケットの中に手を入れ、何かを取り取りだした。ナイフ、それはナイフだった。そして、柄に折りたたまれている刃を引き抜き、それを目の前にかざした。泣きもせず、笑いもしない。鈍い銀色の光を放つナイフの表面は、何の感情も見せない彼の虚ろな瞳を映し出していた。


           

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