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筋肉は裏切らない異世界転生  作者: カジラー


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2/3

転生直後のトラブルは筋肉が原因でした

第2話です。

カイトがいよいよ異世界で最初の一歩を踏み出します。

ラミア(モフモフ)との再会からスタートです。

まぶしい光が一瞬、視界を白く染めた。


次に目を開けたとき、魁人(カイト)は一面に広がる草原の中央に立っていた。

どこまでも続く風の音。


「……ここが、異世界……?」


転生の時とは違い、体はしっかりと地面に立っている。しかし胸の奥には、不安が重く沈んでいた。

自分は戦えるのか。本当に、この世界でやっていけるのか。


ギュッ──。

気合を入れるように拳を握った瞬間、魁人(カイト)はわずかな違和感に眉をひそめた。


(なんだ……?力の入り方が、微妙に噛み合ってない感じがする……?)


考える暇もなく、“それ”はやってきた。


ふわり。


白くて丸くて、マタタビ……いや、猫のぬいぐるみのような生き物が、草原の向こうからふわふわ浮かんでくるのが見えた。


「……なんだあれ?」


次の瞬間──


魁人(カイト)さんっ! 無事ですか!?』


頭の中に直接声が響き、魁人は飛び上がった。


『わ、私です! ラミアです!』


「はっ!? ラミア!? 女神さま!?……いや、その姿は何!?」


白いモフモフは目の前でぴたっと停止し、ちょこんと傾きながら震えていた。


『すみません! 転生の途中で、魁人さんの筋肉密度が想定より高くて……その……途中で反応が乱れたので、不安になって……!変なことになっていないか確認しに来ました!』


「……俺の体、大丈夫なのか?」


『いま詳しく確認中です……!でも命に関わる異常はありません!ただ“想定外の事態”だっただけでして……!』


「逆に心配になる言い方なんだよな……。で、その姿は?」


『はい。この世界の住人に私が“女神”だと知られるわけにはいかないので、しばらくはこのマタタビ形態です。会話は全部、念話で行います!』


「そっか。じゃあ、これからはずっと一緒に?」


『もちろんです!魁人さんがこの世界でちゃんと生きて、そして……世界を救えるよう、女神として全力でサポートします!あ、あと、私のクビのためにも……!』


「最後の理由がオチみたいになってるぞ……」


『大事なんです……! 本当に!』


ラミアとのやり取りをひとまず終えると、白いモフモフは小さく咳払い……いや、咳払いっぽい動きをした。


『では魁人(カイト)さん、とりあえず今は“冒険の準備”をしないといけません! まずは町を探しましょう!』


「町? ……どっちにあるんだ?」


『えっ……』


 ラミアはふわりと上下に揺れた。たぶん、気まずいという感情表現だ。


『その……私、まだ“新米女神”でして……。世界の情報を勝手に読み取る力とか……ないんです……』


「え、女神なのに?」


『はい……。でも、この世界に“危機”が迫っているのは確かです!それに対応できる勇者――つまり魁人(カイト)さん――を送り込むことだけは、ちゃんと分かっています!』


「なるほど……最低限のミッションだけ共有されてる感じか」


『そんな……ニュアンスです……』


 ラミアはしゅんとしながらも、真剣な声色で続けた。


『それに……人々が勇者さんに抱く“感謝の気持ち”を通じて、女神である私は力を得ることができます。

 だから……魁人さんが頑張れば、私も強くなれるんです!』


「人を助けることで、お前も強くなるってことか?」


『はいっ! 完全にその通りです!』


「よし、ならやってやるさ。」


『魁人さん……!』


 小さなモフモフが光でも出しそうなくらい嬉しそうに震えた、そのとき――


 ──きゃああああああっ!!!


 遠くから、甲高い悲鳴が草原を突き抜けて届いた。


「女の悲鳴だ!」


『魁人さん! 初仕事ですよ! 行きましょう!』


 ラミアが警告するより早く、魁人は地面を蹴って駆けだしていた。


 風を切り、草を踏みしめ、悲鳴の元へ一直線に向かう。


 視界の先に見えたのは――


 粗末なローブを身にまとい、杖を握りしめて必死に応戦する少女。そして、その周囲を取り囲む三匹のゴブリン。


「っ……く、来ないでっ……!」


 少女はなんとか杖から魔力を放とうとするが、震えのせいでうまくいっていない。


魁人(カイト)さん、あの子危険です!』


「分かってる!!」


 魁人(カイト)は拳を握りしめ、少女へ向かって走り込む――。


ここまで読んでくださり、ありがとうございます!

カイトとラミアのコンビが、ここからどんな冒険をしていくのか……ぜひ続きも楽しみにしていてください。


もし面白いと思っていただけたら、評価やブックマークで応援していただけると、とても励みになります。

今後ともよろしくお願いします!

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