ニンニクへのフォロー、そして失敗
私の小間使いであったニンニクが、任期途中で帰国することになりました。南米ボリビアでの生活が嫌で、ケツ割って任期半ばで帰国するようでした。
そのニンニクが帰国する数日前、私はニンニクに頼まれました。
「俺は任期短縮をして帰国をするが、帰国前に帰国報告会で発表することになった。その帰国報告会の場に、池面が出席するらしい。そしてその帰国報告会で池面は、俺のことを大々的に批判するらしい。池面から批判されても俺はアホなので、池面に反論できない。だから池面から批判されたら俺を助けてほしい。」
ニンニクは私の唯一の理解者であり、私の手下みたいなものです。私はニンニクの求めどおりに、わざわざ任地から帰国報告会のあるサンタクルス市まで出向き、帰国報告会に参加しました。
帰国報告会の席で、ニンニクは池面からケチョンケチョンにやられていました。ニンニクが池面に言い負かされているのを見て、ニンニクの求めどおりに援護射撃を発したものの、全くの役立たず。私はニンニクのフォローをしましたが、逆に池面に言い負かされてしまいました。私はニンニク同様、すごすごと引き下がるしかありませんでした。
批判されボロカスに言われたのはニンニクですが、私も同様に、ボロカスに言われたようなものです。ニンニクもそうですが、私も悔しかったし、池面を憎らしく思いました。また私は池面のことが許せませんでした。
次の日、池面は2年の任期を終え、他の同期協力隊員と一緒に満面の笑みで帰国しました。同日に別の便で、ニンニクの帰国を見送りましたが、ニンニクの悔しそうな顔は、今でも忘れられません。




