中年童貞喪失ならず
私は日本では全くモテませんでした。いわゆる「中年童貞」です。私は、外国なら少しはモテるのではと期待していました。そして40までには童貞を喪失したいと思っていました。
南米は踊りで有名なところです。私が派遣された国は三大南米祭りであるオルロのカルナバルがあるところ。あらゆるところで踊りを見ることができます。私はその国のダンスチームに入ることにしました。踊りを踊る際には、女性は肌をあらわにした衣装を身に着ける場合も多いです。その女性を見ると、私の性欲も満たされます。
私は現地のダンスチームに入り、民族衣装を着て踊りました。しかし踊りが好きでダンスチームに入ったわけではありません。ただオンナにモテたかったからです。また私はダンスチームに入れば、その女性にモテるのではないかと思ったからです。
ダンスチームの人たちは私を表向き歓迎してくれて、温かく接してくれました。しかし、私はモテませんでしたし、女友達すらできませんでした。女性たちは私と二人きりになるのを警戒していました。どうやら私のことを気持ち悪い、中年なのに結婚できない、ただの日本人のオジンと思ったようです。
オンナもできないのに、嫌なダンスをすることはないと思い、私は次第にダンスチームから遠のき、ダンスをしなくなりました。
また新たな出会いを求めて、南米で有名なウユニ塩湖など、いろいろなところに旅行にも行きました。しかし女性との交際には結びつきませんでした。
青年海外協力隊として派遣された2年間、私には彼女は一切できなかったし、もちろん中年童貞も卒業できませんでした。




