ニンニクの登場
私は活動先に行っても、やることがありませんでした。活動先に行くべき日はきちんと行きましたが、
活動先で、何かボランティア活動をしていたわけではありません。毎日ネットサーフィンの連続です。
自宅に帰ってもネットサーフィンしか余暇活動はありませんでした。自宅では、エロ画像やエロ動画をネットサーフィンしながら、手コキをし、自らを慰めていました。
私はこんな奴なので、彼女はもちろん、女友達も今までいません。それは日本でも南米でも変わりませんでした。また男友達もいないのも、日本でも南米でも変わりませんでした。男にも女にも、日本人にも南米人にも相手にされず、独りぼっちな私でした。
私が青年海外協力隊員として南米ボリビアに来てしばらく経った時でしょうか。新たな隊員が派遣されてきました。名前はニンニク。私より年下で、態度がでかく礼儀のない奴でした。ニンニクと一緒に派遣されてきた智也は、賢そうなやり手だと思ったのですが、ニンニクはただのアホとすぐに分かりました。
このアホなら私の思い通りに動くと思い、ニンニクには親しく接していたら、案の定、私の「金魚のフン」になりました。してやったりです。私が行動するところにはニンニクがいましたし、私はよくニンニクと行動を共にしました。ニンニクも私のことを親分のように慕ってくれたと思います。
ボランティア先で何もすることがなく、邪魔者のように扱われている私にとって、ニンニクはありがたい存在でした。
またニンニクは派遣されてすぐにケツ割って、ボランティア先に行かなくなりました。そんなニンニクを他の隊員は白い目で見ていましたし、完全に孤立した存在になっていました。そんなアホなニンニクに私は救いの手を差し伸べたのです。
類は友を呼ぶ。これは私とニンニクのためにあるような言葉です。金魚のフンみたいについて来て、自分の思いどおりに動くニンニクは貴重な存在だったのです。




