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あなたは優しい嘘を吐いた  作者: おのまとぺ
第二章 ウロボリア王立騎士団
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閑話 プラムのさくせん◆プラム視点



 ママがパパをつれてかえってきた。


 メリルおばさんのお家のバニラちゃんが「願い事はお月さまにお願いしたら叶うのよ」と言っていたけど、あれはほんとうだったんだ。びっくりした。



 パパはママより背が大きい。

 夜みたいな色の髪とお月さまみたいな目。


 お月さまにお願いしたから、パパの目も黄色くなったのかもしれない。だけどプラムはそれでいいと思う。だって、黄色いのはプラムといっしょだから。



「プラムちゃんのお父さんってどんな人?」

「へ?」


 ある日、こどもえんの友達に聞かれた。

 アンジェリカちゃんはお姫さまみたいにくるくるの髪の毛で、とってもかわいい。それにすごくいい匂いがする。


「プラムのパパはいちばんかっこいいよ」

「え!プラムちゃんのパパってイケメンなの?」

「ジョセフ国王よりかっこいいもん」

「国王はおじさんじゃん。ハレド王子よりかっこいい?」

「かっこいいよ。パパはきしだから」

「わー!プラムちゃんのパパ、ナイトなの!?」


 キラキラとアンジェリカちゃんのパープルの瞳が光った。アンジェリカちゃんを見ると、ママのお花みたいな目を思いだす。ママのピンクの目もすごくすてき。


「いいなぁ~わたしもかっこいいプラムちゃんのパパにまもられたいよう」

「ダメだもん。パパはママのものだから」

「わかったよーでもこんどわたしも会いたい!」

「うん。パパに言っとくね」


 アンジェリカちゃんがニコニコ笑う。

 プラムもうれしくなって笑った。


 お姫さまみたいなママと、それをまもるパパ。

 プラムは知ってるんだ。パパがママを見てるとき、いっつもパパはすごくやさしい顔をしてる。ママが顔をあげたらパパはツンツンするけど、きっとパパははずかしいんだね。


 でも、それってママはちょっとかわいそう。

 だってママはツンツンのパパしか知らないもん。


 もしかすると、プラムががんばるときかも。





「え?プラムをぎゅーするの?」

「うん。プラムはママにぎゅーされたい」


 ママはちょっとビックリしたけどすぐに二つの手をひろげてプラムをだっこしてくれた。ママからはカレーの良い匂いがする。プラムはカレーがだいすきでうれしい。


「パパー!こっち!パパもして」

「ちょっと…!え、プラム……?」


 ママがプラムを見てパパを見る。

 ちょっと困った顔をしてる。


 パパはソファから立ち上がって積み木のまえであそぶプラムのところに来た。ママがどこかへ行こうとするから、プラムはママのスカートをにぎる。


「パパ、ママとプラムをぎゅーするんだよ」

「プラムのお願いなら仕方ないな。これで良いか?」


 おっきなパパの手がプラムをつつむママの背中にまわる。うれしくってニコニコした。ママは下をむいてるけどお耳が赤くなっている。いま、パパの顔はやさしいのに、見てないのはざんねん。


 だいすきなママがプラムにパパをつれてきた。


 ママはいっつもプラムにだいすきって言う。

 パパのすきがママに伝わって、はやくみんなでだいすきって言えたらいいのになぁと思う。そうしたら、アンジェリカちゃんにじまんのママとパパをしょうかいするんだ。


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