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魔喰のゴブリン~最弱から始まる復讐譚~  作者: 岡本剛也
第2章

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第41話 力加減


 これで進化した全員の能力は確認できた。

 バエルが段違いの成長を見せたため驚きの連続だったが、敵ではなく味方だから素直に喜ぼう。


「全員が全員、凄まじい進化を遂げてくれて本当に嬉しい。明日はとりあえず狩りをやってみようか。罠をなしで狩ることができるなら、もうオーガへの献上には困らなくなる」

「分かりました。明日は狩りを行うんですね! 早速、能力を発揮できるチャンスがきたのが嬉しいです!」

「如何なく発揮してくれると俺としても助かる。それじゃ、今日はこの辺りで解散で大丈夫か?」

「はい。もちろん大丈夫……なんですが、シルヴァさんの能力はどんな感じなのでしょうか? 進化も遂げていますし、一体どんな能力を身につけたのか気になります!」


 俺はなんとか切り上げたかったのだが、悪気が一切ない表情でそう尋ねてきたバエル。

 紹介できるならしたいところだが、俺に関しての能力は俺ですら一切不明。

 ここまでの進化を遂げた三匹に対して、何にも能力を得られていないと知られたら幻滅されるのが怖いが……ここは素直に言うしかないよな。


「俺の能力はまだ分かっていない。そもそも進化を遂げているのかも分からないからな」

「えっ……。そうなんですか? 脳内に響く声のようなものは聞こえなかったんですか?」

「聞こえていないな。ボロボロだったせいで聞き逃している可能性はあるが」

「あー、絶対に聞き逃したんだと思います! あの強い人間を喰って進化しないってことはないと思いますので」

「どちらにせよ、俺は今から自分の能力を確かめるから、バエル達は各々休憩していい」

「いやいや! お手伝いさせてもらいます! シルヴァさんのお役に立ちたいですから」

「いや、今日は本当に大丈夫だ。明日は狩りだから忘れないでくれ」


 ついてこようとするバエルに無理やりそう言い放ち、俺は一人巣から離れた。

 手伝ってもらった方がより早く能力が分かるということは頭で理解しているが、バエルたちに付き纏われたら、変なプレッシャーを感じて気が気じゃない。


 無駄に俺への期待値が高いし、バエルに関しては俺が何でもできると思っている。

 情けない姿を晒さないためにも、ここは一人で能力判別を行うと決めた。


 そんなことを考えながら、俺は冒険者たちを罠に嵌めた場所までやってきた。

 ここまで来れば見られる心配もないだろう。


 大きく一呼吸入れてから、まずは単純な身体能力から調べてみる。

 さっきイチに対して剣を振った時に感じたのだが、見た目の変化のなさとは比例して相当な力がついているのがすぐに分かった。


 徐々に速度を上げて攻撃していたのだが、イチが対応できなくなった速度で三割くらいの力しか出していなかったからな。

 本気で剣を振ったらどうなるのか、正直かなりワクワクしている。


「何か魔物がいればいいんだが、流石に近くにはいなさそうだな。仕方がないが……木を相手に斬ってみるとしよう」


 そう独り言を呟き、俺は木に向かって木剣を構えた。

 鋼の剣を使ってみたい気持ちもあるが、流石に木に向かって斬ることには使えない。

 刃こぼれでもしたら最悪だしオーガとの戦いに備えて、この鋼の剣は大事に使用していく。


 息を深く吐いて集中力を高めてから、俺は木を叩き斬るつもりで木剣を振った。

 自分でも想像していなかった速度で剣は振られ――爆発したかと思うほどの音が森の中で鳴り響いた。


 両手に持たれていた木剣は粉々に崩れ、ついさっきまで木剣だったとは思えないほど木っ端微塵となっている。

 ただ……目の前に聳え立っていた木も抉り取ったように削られており、振ってから数秒が経過した後にゆっくりとバランスを崩すように木は倒れていった。


「……は? 一体何が起きたんだ?」


 剣を振った自分でも何が起こったのか理解ができていない。

 ただ……この木をぶった斬ったのは間違いなく俺だよな?


 木剣で木を薙ぎ倒すという離れ技をやってのけたことで、ようやく俺もバエル達と同様に進化できていることを実感した。

 それと同時に、イチ相手に思いっきり斬っていたら殺していたかもしれないという恐怖が襲い、背筋がゾッと寒くなる。


「力以外にも他の身体能力も上がっているのかもしれない。確かめておかないと味方をも殺しかねないな」


 今の強烈すぎる一撃に対する恐怖の感情から少し遅れて、にやにやが収まらなくなっているのだが、今は自分の能力を把握することが最優先。

 おっさん戦士の強さを考えるなら、バエル以上の異様な進化を遂げていてもおかしくない。

 昂る気持ちを必死に抑えて引き締め直し、体力、跳躍力、俊敏性、耐久力の四つの能力がどれだけ上昇したのかを調べてみることに決めた。



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